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新型コロナウイルス後遺症に対する上咽頭擦過療法(EAT)

理学療法士時代も含めれば医療との関わりは、大分長い。仕事柄いろんな治療法についての情報に触れることがあるが、経験的に何にでも効くというものはあまり信頼しないことにしている。

現在、上咽頭擦過療法を受けているが、この治療法を受けるのに大分躊躇したのも上記の経験則がある。何にでも効くとは謳っていないが、それにしても効果効能があると言われているものが広すぎる。しかも、しばしば議論を招く子宮頸がんワクチン後遺症にも効くと言っているのが、どうにもこうにも胡散臭い。

今回取り上げる論文は、この上咽頭擦過療法が新型コロナウイルス後遺症に効果があることを示した研究である。

上咽頭擦過療法 (EAT) は長期にわたる新型コロナウイルス治療の新しい方法としての可能性を秘めています
Epipharyngeal abrasive therapy (EAT) has potential as a novel method for long COVID treatment

この研究では新型コロナウイルス後遺症を示す患者58名を対象に上咽頭擦過療法擦過療法(週1回×4週)行い、その効果を調べている。

結果として、上咽頭擦過療法によって上咽頭の炎症症状に改善が見られたものも見られなかったものも、共に新型コロナウイルス後遺症の諸症状(疲労感、頭痛、注意障害)に改善傾向が見られたことが示されている。


論文 Figure 5を参考に筆者作成

Q: もうちょっと周辺情報を掘り下げたい。

明日目を通す論文:
Autonomic Nervous System Regulation Effects of Epipharyngeal Abrasive Therapy for Myalgic Encephalomyelitis/Chronic Fatigue Syndrome Associated With Chronic Epipharyngitis
慢性上咽頭炎に伴う筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群に対する上咽頭研磨療法の自律神経系調節効果

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