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「ネパールは○○です」に気をつけよう

ネパールには、100以上の民族や言語がある多様性豊かな国です。単純に民族や言語だけでなく、地域、宗教、職業、受けて来た教育によって、ネパール人の考え方も千差万別です。

だから、ネパール人自身が「ネパールは○○ですよ」と言った場合、一旦立ち止まって、この人はネパールのどの部分を言っているのだろうと、考える必要があるんです。

例えば、ラムジュン郡(山岳地域)出身のグルンさんが「ネパールでは魚は食べません」と言った事があります。その場に、タライ出身の別のネパール人がいて「ネパールでは魚を食べますよ」と言い返したのですが、そこにいた日本人は「えっ、どういう事??」といった感じになっていました。

ラムジュン郡のグルンさんの出身地では、人が死んだ後に遺灰を川に流すので、川魚を食べないそうです。また、タライでは養殖が盛んな地域で、魚を食べるのが一般的です。また、グルンさん以外の山岳地域で魚を食べる地域だってあるでしょう。単純な例ではありますが、このように、この人はどこのネパールを言っているのか、という視点でネパール人の話を聞くのが大切です。

これはネパールに詳しい日本人の話を聞く時も同じです。「ネパールは○○ですよ」という言葉を聞いた時、同じ日本人だからと言って鵜吞みにせずに、この人は普段どのようなネパール人と付き合っていて、どの地域、どの民族、どの階層のネパールの事を言っているんだろう、という事を気にしてみて下さい。

このように話を聞いた方が、より理解が進むでしょうし、話をしてくれている方にも失礼にならないと思います。

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