実際の注文時における駆け引き(2023/03/23記)

FOMCを通過した。日経平均株価は下落しているもの小幅に留まっており、4月SQまでを見通すと、激しく下落が続くというほど悲観的なシナリオは今のところ可能性は低いように思われる。4月限オプションのポジションも少し接近戦を仕掛けていこうかと考えている。

さて、プットのポジションを構築するにおいて内側のプット買いを1枚外側のプット売りを2枚が基本となるのだが、実際の注文する上においてテクニックが必要とされる。

まず、成り行き注文は絶対にNGということ。オプションはまだまだマイナーだ。従って、適正価格が200円だと仮定するとだいたい205円の売り注文と195円の買い注文が対向しているような板が普通にある。成り行き注文だと買いにしても売りにしても適正価格よりも5円不利な価格で約定する。5000円の損失が発生するのだ。月に10回で5万円、年間だと60万円の損失。これは小さくない額だ。寄り付きで成り行き注文を出すと5円ではなく10円20円の損失が発生する。特に荒れている相場で、売りポジションの決済注文を成り行きで出すと多くの人にとって売りたくない相場環境で適正価格よりはるか上で売り指値注文が置いてあるとひどい目に遭う。従って、205円の売り注文と195円の買い注文が置いてある板では200円で指値を置くのが正解だ。しかし、ここで注意しなければいけないのは、罠が仕掛けられていることがあるのだ。本当は205円の売り注文と200円の買い注文が対向している(つまり適正価格は202.5円)のに200円の買い注文が隠されている場合、つまり一時的に買い注文を削除して、売り注文が入った瞬間に買いを出すという罠だ。適正価格202.5円のところを200円で買わされたのだから2500円の損失ということになる。オプションは価格が100円以上になると5円刻みになる。なので、このような無駄な損失は100円以下のオプションでは1円とか0.5円に減るのでその辺は考慮すべき。買いと売りの間に間が空いているときにはどちらが有利なのかを確認してから注文を出すことにしている。観察していて間に売り注文が入っても約定しない場合買いたい人が少ないということなのでそれを確認してから売り注文を入れる。だから日本全国で200円の売り注文を入れている人は1人だけで、それは紛れもない「私」だ、という状況が数分続く。数分続けても約定しない場合は疲れるのでやめる。また時間をおいてトライする。

ボラティリティが大きく上昇したときにファープットの価格が驚くほどの上昇を見せることがある。それはファープットの売りポジションを保有する人でその価格が上昇するのを見た人が耐えられずに成り行きで決済注文を出すことで、すでに書いたように上値をどんどん引き上げてゆく。そんなメカニズムも働いていると考えられる。

またインザマネーのプットは需給が急激に落ちる。1000円以上のインザマネーになるとスプレッドが100円、200円になる場合がある。適正価格よりも10万円の無駄な損失を生むのでインザマネーになればSQ持ち込みが賢明だ。

オプション取引は戦略とともに実際の注文に際して細かいところに注意して無駄な損失を出さないことも重要だ。

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