はじめての

普段、ろくに研ぎもしない米を今日は熱心にやった。気付いたら、水がとろみを持つほど白く濁っていた。指先は冷えて、ビリビリした。ちょうど春が真剣になりはじめた頃なので、それは涼しく、心地よかった。ただ、同じ刺激が続いた後の、あのビリビリはなにかに似ている。意識を指先や肌の1点に集中させ「そこだ、そこだ」と思いながら、いざ触れるときはそっと軽くだけ。それでも集中をやめないで長いこと触れている。ずっとそんなふうにしていて、やっと離した時、その時のビリビリ。似ている。

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