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蓮ノ空のユニット合併でモヤってる人を救いたい【活動記録第14, 15話】


0. はじめに

この記事はタイトル通り、活動記録第14話および103期12月度Fes×LIVEにおける【ユニット合併】について飲み込めなかった「蓮ノ空のこと好き好きクラブの皆さん」の気持ちを少しでも軽くするために作成しました。

タイトルには「救いたい」などと偉そうに書きましたが、私自身も急なユニット合併には違和感を覚えた口です。

今(2024年1月)のXにおける蓮ノ空界隈を眺めた感じ、ユニット合併に対する不満は口にしにくい空気になっていると思います。特に、花帆や瑠璃乃の特訓ボイスが出たことで、下手に不満を口にしようものなら「花帆ちゃんたちの決断を尊重しないのか!」と怒られそうな感じすらします。

さらに、活動記録第15話が公開されたことで、何かを言おうものなら【傷心の蓮ノ空に追い打ちをかける空気読めてない奴】認定待ったなしです。

ただ、本来感じ方というのは人それぞれです。一つのコンテンツに対し、皆で同じ感想を共有する必要はありません。特に今回の場合、「感情と理屈を結び付けて考える人」と「感情と理屈を切り分けて考える人」で感想は大きく異なると思います。

私はどちらかと言えば後者寄りです。「それはそれ、これはこれ」と考えています。

アプリ「Link!Like!ラブライブ!」より
  • 花帆や瑠璃乃の決断は解釈一致だし、尊いものだと思います。

  • Link to the FUTURE は神曲だと思います。

  • 全員で決勝に進出できて本当に良かったと思っています。

  • ユニット合併に関しては唐突で説明不足だったと思っています。

私の中でこれらの感想は共存し得ます。

ですので、これを読んでいるあなたが物語の展開についていけず「蓮ノ空のこと好き好きクラブの皆さん」から孤立してしまったと感じていたら安心して下さい。私も仲間です。

とはいえ、ここを単なる愚痴吐き大会の場にするつもりはありません。急展開に対して可能な限りの説明を与え、ある程度飲み込みやすくできたらと考えております。

今回のユニット合併問題は多段階の問題であることが話をややこしくしています。人によって引っ掛かっている段階が異なっているのです。下図をご覧ください。

ユニット合併問題の階層性

ネットを見る限り、ユニット合併問題に引っ掛かっている人は図の3種類の問題のいずれか、あるいは複数に引っ掛かっているよう見受けられます。

ここでは問題を1つずつ考えていきたいと思います。

1. 大会規定について

ネットでは「ラブライブ!の規定はいつもガバいから考えるだけ無駄」「大会規定なんて細かいこと気にしなくて良い」「ラブライブ!の規定は詮索御法度」といった意見が散見されますが、私はそうは思いません。

なぜなら、花帆が提示した「1チームとしてエントリーする」という解決策は完全にラブライブ!の大会規定を背景とした策だからです。ラブライブ!の大会規定を利用した解決策をとる以上、事前にある程度のルールはユーザーにも共有するのがフェアというものです。

後から「実はこんなルールがありました!」と言われても感動しづらいですし、いわゆる後出しジャンケンみたいなものですから、騙されたように感じる人が出てくるのも無理はありません。

とはいえ、既にFes×LIVEは終わってしまったので、今から不満を垂れても仕方がありません。そこで、今までの活動記録や配信の情報を元にリンクラ運営が考えていたであろうラブライブ!の大会規定を推定してみたいと思います。

私の想像するラブライブ!のルールは以下の通りです。「うわっ」と思うかもしれませんが、結構シンプルなルールにしたつもりです。地区予選と地方予選のルールはほぼ同じですし。年始のラブライブ!生放送でやっていたワード当てゲームよりも簡単なルールだと思うので、ご一読頂けますと幸いです。

ラブライブ!のルール(想像)

大前提として、生徒はユニットごとではなく学校ごとに参加しています。そうでなければ、ユニット合併を運営が許すはずがありません。今回、大会規定に引っ掛かった人の多くが「ユニットごとに参加している」と考えていたのではないでしょうか。

ただ、「ユニットごとに参加している」と考えていた方々にも言い分はあるはずです。多くの方が懸念されるのは「学校ごとに参加しているのであれば,ユニットの多い学校が有利になるのではないか」ということだと思います。

私の想像するルールであれば、その懸念は払拭できていると思います。ユニットに分かれた場合、リスクが分散しますが、リターンも分散してしまうからです。実力の低いメンバーが実力の高いメンバーに下駄を履かせてもらい予選突破、という展開は望みにくくなります。

ユニット形式で参加することは、より個人主義・実力主義的になります。また、人数が減ることで表現の幅が狭まるというデメリットもあります。いずれを良しとするかは考え方次第で、ユニットに分かれることも分かれないことも戦略として成立します。

地方予選においても、ユニットに分かれることで学校としての試行回数を増やすことが出来ますが、1ユニットしか突破できないので残りのユニットは必ず敗退します。その場合、決勝には1ユニットのメンバーで挑むことになります。

さらに、地区予選の足切りの点数は予選突破の学校数(ユニット数ではない)で決まるため、各学校の最高点しか足切りの点数には影響しません。よって、ユニットの数で足切り点が変動したり、複数のユニットが結託して足切り点を操作することはできない仕組みになっています。

また、「ユニット同士での競争になるのは10月時点で分かっていたのだから12月になって慌て出すのはおかしい」という指摘も見かけたのですが、それも私のルールであればある程度説明がつくと思います。

地区予選はユニットに分かれても全員が突破できる可能性があり、地方予選から1グループにまとまることも認められているわけですから、地区予選の時点では焦らないのも当然です。

なお、Liella!の参加したラブライブ!が時間短縮のために課題を課して参加者数を絞っていたことを考慮すると、ユニット数に上限は設けられているかもしれません。というか、設けられている方が自然です。一つの学校に無限に時間を割けるわけがないので。

それと、運営の"ユニット合併は不利になる"という発言は、蓮ノ空のユニットを高く評価しているからこその指摘ではないかと考えます。ユニット単位でも他学校のグループと渡り合えるレベルであると判断されたことで、決勝も1ユニットで十分戦えると思われたのではないでしょうか。それならばユニット合併は学校としての試行回数を減らすだけなので、"不利になる"と判断できます。

少々長くなりましたが、以上のように、なんとか辻褄の合いそうなルールを考えることは可能です。上記のルールで一度、大会規定を飲み込んで頂けたらと願います。

2. ユニット形式へのこだわり

次は二つ目の問題を考えていきましょう。ユニット合併に唐突感を覚えた原因の一つに、「ユニット形式へのこだわりがあっさりなくなったように見えたこと」が挙げられます。

「ラブライブ!決勝に進めるのは1ユニットだけ」

これはユニット形式にこだわりのある蓮ノ空にとって重大な問題であり、今までのラブライブ!シリーズにはなかった蓮ノ空ならではの問題です。この問題には多くの蓮ノ空のこと好き好きクラブの皆さんが気を揉んだことでしょう。

かく言う私も、「どうにかならないか?」「1チームにまとまれないのか?」などと、自分のことでもないのに気が気でなかったです。

しかし、そうした不安も、活動記録第14話part1の梢の台詞を聞いてから落ち着きました。

一連の発言から、梢の表現者としてのこだわり・プライドを感じました。自分たちの表現を貫き、他ユニットを負かす覚悟もあるように見受けられます

ここまで強い気持ちがあるのなら、外野が言うことはありません。各ユニットが自分たちの信じる一番の表現をぶつけ合い、残酷ながらもそこに優劣が付けられる。「競争」は青春の醍醐味です。

こうした文脈を踏まえた上で、それでもユニット合併するのであれば、各人の表現したいものと向き合う必要が出てきます。では、「メドレー形式の曲を作る」という案は、各人の表現したいものを表現できているのでしょうか。

メドレー形式の曲には全ユニットの要素が盛り込まれているので、一見すると、各人の表現を実現できているように思えます。しかし、この形式では、一曲が各ユニットパートと全体パートで四分割されることになり、ユニットごとの色を出せる時間はかなり限定されます。曲全体の構成を使って表現できることと、一部分だけで表現できることには雲泥の差があるはずです。

梢のこだわる「スリーズブーケだからこそ表現できること」というのは、一曲の四分の一以下の時間で伝え切れるものなのでしょうか。そう考えると、「メドレー形式の曲を作る」という案は、梢たちの覚悟を覆すほどのものには思えません。「梢たちのユニット形式へのこだわりって、その程度だっけ?」という違和感が視聴者の引っ掛かりになったと考えられます。

ただ、実はこの問題にも説明がつけられます。

梢たちがユニット合併を承諾した理由は「"繋がる力"を表現するため」である、と私は考えています。

ネット禁止令の騒動で、全員が"繋がる力"の強さを意識しました。この時点で全ユニットの表現したいものが一致しています。さらに、"繋がる力"を表現する上では、ユニットごとにパフォーマンスするよりも全ユニットが繋がった方が効果的です。

よって、ユニット合併が実現したのは、「全ユニットで"繋がる力"を表現したいという合意がとれ、それを表現する上でメドレー形式が最も効果的だったから」と言えます。

「Link to the FUTURE」において、各ユニットが表現したいことはそれぞれの歌唱パートだけに詰まっているわけではありません。

  • ユニットパート間の繋ぎ目

  • それぞれの切り口でありながらも統一感のある歌詞

  • サビ前やサビで目まぐるしく入れ替わるユニットパート

  • 全員の歌声が重なる瞬間

など、曲中の至るところで"繋がる力"を感じさせる作りになっています。だから、この曲に関しては四分割して捉えること自体がナンセンスです。梢たちとしても、「尺を削られた」という意識は微塵もないでしょう。

以上より、今回のユニット合併は、ユニット形式へのこだわりが失われたことを示唆するものではなく、むしろ、表現にこだわったからこその措置だったと考えられます。

加えて、

  • 花帆と瑠璃乃が二年生の予想以上に「全員」に拘りを持っていたこと

  • ネット禁止令の影響で配信時間に限りがあったこと

といった要因もユニット合併を後押ししたと推測されます。

このように、梢たちがユニット合併を受け入れた理由を想像することは出来ます。ただし、この部分についてはもう少し説明が欲しかったな、というのが正直なところです。

ネット禁止令はストーリー上そこまで面白いと思わなかったので、「ユニット同士の対決にどう折り合いをつけるか」という問題の方にフォーカスしたシナリオにして欲しかったです。合併するにしても、時間をかけて道筋を示して頂ければ何の問題もなかったと思います。

ただ、これに関してはライターさんを責めるのも可哀そうな気がします。ネット禁止令は通信量を送るというレイドイベントのためのストーリーです。リンクラのゲーム性のために、本来書くべきことの尺が足りなくなったのではないでしょうか(あくまでも私の想像ですが)。

リンクラは活動記録の質の高さに支えられてきたので、ストーリー性よりもゲーム性を優先するのは如何なものかな、と物申しておきます。

なんにせよ、ユニット合併が実現したのは「"繋がる力"を表現するため」と考えれば説明はつきますし、ライターさんの力量も健在だと思うので、今回の件は不幸な事故だったということで二つ目の問題も飲み込んで頂けないでしょうか。

3. いつものラブライブ!と同じ

これに関してはもはや好みの問題です。私は別にユニット同士の対決を絶対に観たかったわけではないので、この問題には引っ掛かっていません。

ただ、ユニット同士の対決の方が、先の展開の読めなさという点では上だと思います。正直、ユニットが合併した時点で「今回は優勝できず、次優勝するんだろうな」と思ってしまいました。

それでも、何から何まで歴代シリーズと同じというわけでもありません。前述の通り、私は今年蓮ノ空が敗退すると予想していたので、【蓮ノ空の敗北をどう描くのか】ということに注目していました。この敗北の描き方が一味違いました。

ラブライブ!決勝を観ていないので、蓮ノ空がどう戦ったのか、優勝校はどんなパフォーマンスを見せたのか、そもそもどこが優勝したのか、といったことは何も分かりません。「いつの間にか敗退 → 悔しがる → 次こそ優勝しよう」という展開に心がついていくか不安でした。

ユニット同士の対決であれば、"勝ったユニット"と"負けたユニット"が出てくるので、勝者と敗者の対比から悔しさをリアルに描くことが出来ますが、今回の場合、どこかの誰かに負けたという話になるので、花帆たちと悔しさを共有できるか自信がありませんでした。

ただ、結果的に私の懸念は杞憂でした。活動記録第15話はpart1~7までで計45分42秒あるのですが、その全てをかけて花帆たちは敗北を噛み締めます。勿論、尺が長ければ良いというわけではありませんが、ユニット同士の対決は無かったとしても、【敗北】というものをしっかりと書こうというライターさんの気概を感じました。

おそらく、蓮ノ空は歴代シリーズの中で最も丁寧に敗北を描写したのではないでしょうか。「ラブライブ!スーパースター!!」などでも、ラブライブ!での敗退が描写されていましたが、それもアニメ尺の都合上、普通に悔しがって普通に前を向きます。

蓮ノ空では、各メンバーの悔しがり方や敗北に対する反応が違います。敗北を消化し切れず、後になって泣き出す花帆の悔しがり方は、昔受験に落ちたときの私と全く同じだったので勝手にシンパシーを覚えていました。あと、皆のメンタルケアをした後に、独りでひっそり泣いている梢先輩が解釈一致過ぎる…

第12話にて1年生が沙知先輩から「何故ラブライブ!に出たいのか?」と問われましたが、「何故ラブライブ!で勝ちたいのか?」ということはこれまであまり描かれていなかったように思います。

ラブライブ!で敗退した後に「何故ラブライブ!で勝ちたかったのか?」ということを各メンバーに認識させるの、惨すぎじゃないですか?(誉め言葉)
こんなの見せられたら「誰にどう負けたか」とか関係なく悔しくなります。ライターさんに一本取られたな、と思いました。そこに、涙を流す3Dモデルと声優さんの熱演が合わさればあら不思議、視界がボヤけてきます。

何度も見てきたこの絵を冷静に見られない

少々話が脱線しましたが、たとえユニットが合併した形でラブライブ!に出ることになっても「いつものラブライブ!と同じ」ということはないと思います。無粋なことを言えば、次のラブライブ!は優勝できるでしょう。しかし、その結果だけを取り上げて「いつもと同じ」と言うのは極めて表面的な議論です。

第15話での敗北の描き方一つ取っても、リンクラのライターさんはかなりの力量をお持ちとお見受けします。結果が同じでも、その過程の描き方は今までとだいぶ異なってくるのではないでしょうか。

少なくとも私は第15話に希望を見出しました。ユニット同士の対決を観たかった人にとっては不服な展開ではあったかもしれませんが、まだ見切りをつけるのは早いと思います。

4. 終わりに

これはただの私の想像ですが、活動記録第14話はレイドイベントのために少し歪んだのではないかと思います。

リンクラはスクールアイドルを応援するためのアプリなので、物語に介入し、直接手助けできるようなイベントを開きたかったという狙いは理解できます。しかし、ユーザーが実際にやることはスクステですし、花帆たちを助けているという実感はあまりありませんでした。なんなら、レア素材が手に入ったことで、むしろこちらが感謝したいくらいでした。

また、歴代シリーズと違い蓮ノ空は負けても廃校にならないので、緊張感を出す狙いもあったのかもしれません。しかし、そのようなことをしなくても、蓮ノ空のことが好きなので6人には勝って欲しかったですし、緊張感はありました。

明らかに尺を使うべきところに尺を使わず、ネット規制派の嫌がらせに尺を使うのは、普段のシナリオのテイストと異なるように感じます。的外れな想像であれば全然それで良いのですが、第14話のシナリオはリンクラのゲーム性を優先させた結果ではないかと邪推してしまいます。

いずれにせよ、違和感を覚える人が出てきても仕方のない展開ではあったと思います。その気持ちに蓋をする必要はありません。

それでも、今後の展開に対してはまだまだ期待できるのではないでしょうか。また、急なユニット合併に関しても、この記事で私が提示した大会規定案や「"繋がる力"を表現するため」という理由で一応説明がつくはずです(おかしな点や疑問点があったらコメントしてください。Xでも構いません)。

ここで一度モヤモヤを飲み込み、心をリフレッシュした上で103期1月度Fes×LIVEや16話以降を追いかけませんか?この記事がその手助けになれることを祈ります。

よろしければハートマークのボタンを押して頂けると、私のところに通知が来るので、「こんな駄文でも読んでもらえたんだな」と筆者がひっそり救われます。気が向いたらで構いません。

それから、以前の記事でスキボタンを押してくださった方々にお礼申し上げます。冗談抜きに、この記事の執筆においても励みになりました。

このような長文にお付き合い頂き、ありがとうございました。
それでは、良き蓮ライフを!!

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