見出し画像

Stormworks~防空発展史~

※この記事はStormworks 第1 Advent Calendar 2023年 24日目の記事です※
とっても長いから覚悟してネ♡

*ごあいさつ*

はじめての人は初めまして、そうでない方はご無沙汰しています。
相変わらず船ばっかり造っているきばたんです。

突然ですが私が所属しているマルチ会、皆さんはご存じでしょうか?
そう、あもまさん主催の海戦マルチ会です。

げげーっ‼と思った方、正直に手を上げなさい?お兄さん怒らないから。
おやつ?抜きだよ。なんでもらえると思ったの。

観艦式マルチの様子 壮観の一言に尽きる

海戦マルチとは簡単に言うと「合計40マージまでで構成された船で戦う」という内容で、2022年4月に初開催されて以来今でも定期的に活動が行われています。
きばたんといえば海戦マルチ!と思ってくださる人もいらっしゃるかもしれません。しかしながら私の海戦マルチ会初参加は2022年7月17日のこと。既に海戦マルチは8回目の開催を数えるほどの成長を遂げていました。
そう、私は古参勢ではないのです‼‼(大声

ここからはマルチ参加経験すらない新米ワーカーが大海に飛び込み、荒れ狂う対艦ミサイルの弾雨の中如何にあがいたのか。そんな防空発展史を徒然と書いていこうと思います。

にっけるさん作 アサルトボート
火力に全振りしているかと思えばRAMを備えるなど防空力もある。

*艦対艦ミサイル戦の始まり(2022年1月~4月)*

ご存じの通り、Stormworksは乗り物を作成し救助活動をすることが本来の遊び方で、武器なんてものは存在しませんでした。ところが武器DLCが2021年10月に発売されると状況が一変します。

①対艦ミサイル(SSM)の出現、そして対抗

扱いやすいレーダーや弾頭、ミサイルフィン等の実装により対艦ミサイル(以後SSMと書きます)を作ることが可能になり、かの有名な「埼玉海軍製賢いSSM」こと路加岬塔子さん作「SSM-1 Birimingham」をはじめとして多くのSSMが製造されることになりました。

急速に経空脅威が増大する中、私の知る限りSSM群に対して初めて本格的な迎撃を試みたのがにっけるさん作「ターター式タイコンデロガ」です。このミサイル出力直結の1×1ミサイルをSSM群に対して大量に投射するという真っ向勝負はとても衝撃的なものでした。

②初の弾道型対艦ミサイル「SSMシリウス」の出現

海戦マルチ会の開催に伴って、PvPミサイル戦闘の歴史がついにスタートしました。ここで始祖にして最強を誇り続けた戦闘艦が登場します。そう、私にとって最大のライバルであるえりりんさん作「20382型警備艦 アバカン」です。このアバカンとえりりんさんの存在のために防空技術が発展した、と言い切ってよいほどにその存在は衝撃的であり続けました。

この時のSSMはおおむね高度100m~海面すれすれを巡航して敵艦に向かういわゆる「シースキミング型」がほとんどでしたが、ここでおそらくStormworks史上初であった対艦弾道ミサイル「シリウス」が登場します。

SSM軌道図。基本的に数字が大きいほど迎撃難易度は高い

このアバカンに搭載されたSSMシリウスは上空約1000mまで上昇ののちに巡航、敵艦直上付近に到着すると急降下・加速着弾するという弾道型であり、これはシースキミング型に比べて高度方向の変化が大きくなるため迎撃の難易度が跳ね上がるだけでなく、見張りの視野からも外れ見失いやすいという革命的なものでした(さらにこのシリウスを改造し、直線ではなく曲線状の弾道軌道を飛翔することによって、比例航法(着弾点を見越した動き)をするSAMをかわす「SSM アンタレス」も後に現れました)。
事実このシリウスは登場直後から猛威をふるい続け、多くの艦船がのちに出現する1等星の名前を冠するSSM達の輝きを恐れ、そしてその多くは海底に没することとなりました。

③海戦マルチ初期における防空

そもそも艦対艦戦闘がStormworksで成立するかすら怪しかった黎明期だった当時、当然防空手段は乏しく、多くの艦はチャフを使用してSSMを回避する戦略を取っていたようです。しかしながら強力で優秀な艦対空ミサイル(以降SAMと書きます)も存在し、その代表格としてえりりんさん作アバカン搭載の「VLS SAMベガ」が挙げられます。

煙突前のVLSの中で斜めを向いているのがベガ。
マストトップに設置された管制用ファランクスレーダーと共に艦長の視線方向に回転し、目標の高度情報を管制レーダーから受け取って発射される。

このベガは視点出力とレーダーを連携させ、「見ている方向の目標にSAMを投射する」という機能自体はとてもシンプルなものでした。しかし考え抜かれた機能に高い運動性能を併せ持つベガはミサイル戦黎明期の登場にもかかわらず現在の海戦マルチでも十二分に通用する性能を持っており、まさにSAMの基礎が詰まったお手本と呼べる作品でした。
※私は当時海戦マルチ会にまだ所属していなかったため、どのような防空方法を取っていたか、あるいは対空ミサイルはどのように使用されていたのかは正直あまりよく知りません。いろいろ間違っていたらすいません(汗)

ここまで前置きが長くなりましたが、この先駆者たちの躍動を見たきばたんは、まるで都会に憧れ上京した田舎者のように、1等星きらめく海戦マルチの海へと吸い込まれ、やがてイージスシステム開発の深淵へと向かうようになります。

やめておけ、死ぬことになるぞ

*初めてのイージスシステムの開発(2022年7月~)*

かくして三大欲求の一つである防空迎撃欲を刺激された私は、ストワのスの字もわからないままイージスシステムの開発へと取り掛かったのであった。
①開発要求
当時絞り出したシステム開発要求は次の通りであった。
・合計で40マージ以下であること(海戦マルチに参加する前提の建造)
・シースキミング型SSM複数発を防ぎうること(弾道型は考慮しない)
・全周を監視し、目標を追尾できること
・目標の脅威度を計算し、それに連動して火器管制及びSAMの中間誘導が行われること
そうして最初の防空システム搭載艦として出来上がったのが「DD FUMITSUKI」であった。

特徴としては当時まだ珍しかった複数台のレーダーを統合運用するタイプの捜索レーダーを搭載していたことで、これはファランクスレーダーを3台統合運用することによって全周360度を約1秒に1回走査しかつ目標を追尾し脅威度評価まで自動で行う優れもの、、であるはずだった。

ふみつき搭載の3面レーダー
この時はレーダーを一つのシステムで複数台使用すること自体がまだ珍しかった。

武装はVLS SAM 12発(対艦兼用)、単装BC1基、SEARAM1基6発。VLSは対艦兼用とはいっても対艦用に使用するためには自動防空システムを切る必要があったため、要は「絶体にSSMを撃ち落としてやる!!」という防御にステータスを全振りした構成であった。
努力の甲斐もありシングルプレイ環境下において「1秒間隔で発射された90式艦対艦誘導弾を8発防ぎきる」という華々しい結果を得ることができた。

「これで胸を張って海戦マルチに望むことができる。」

そんな誇りとも傲慢ともつかない感情を胸に抱きながら、忘れもしない2022年7月17日、第8回海戦マルチ会へと私は臨んだのであった。本当の地獄はここからであるとも知らずに。

③海戦マルチの洗礼
散々たる結果であった。自慢の防空システムは動作せず、VLSどころか主砲を発砲することすら叶わずふみつきは沈黙を守り沈んでいった。2戦目でも防空システムは動かず、どうにか動いた主砲で敵艦を殴り殺すという理想とは程遠いものであった。

要するに「マルチプレイ」の洗礼を浴びたのだ。遅延でサーバーのホストと私が見えている景色は大きく異なり、座席からの入力ですら実行されるかは不安定となり、時には作動している様にみえても「同期されていない」状態になる。

同日の別試合の様子。持ち込んだ戦艦もあえなく火だるまとなった。

初めて目の当たりにした「マルチプレイ特有の不安定さ」。ゲームの仕組みなど毛ほども知らない私はその後現在に至るまでこの問題に翻弄され続けることとなる。

*手動防空への立ち返り(2022年8月~)*

こうして防空システムの設計が白紙に戻ったところで、ひとまず「現状のマルチで機能している対空システムを模倣し、可能であれば改造を施そう」という方針になった。
物は言いようでつまり「VLS SAM ベガをパクろう」ということである。

①DDはづきの建造
設定した開発要求は次の通りであった。
・視線連動で目標を選択でき、手動で発射できること
・SAMの中間誘導は行わないこと(俗にいう「投げっぱなし型SAM」)
・弾道型SSMに対してある程度対抗可能であること
以上の要求に加えて、船の全体像としては「ミサイル駆逐艦と戦中駆逐艦の中間」を目標として船の開発・建造されたのが「DD はづき」である。

「DD はづき」
武装は視線連動式VLS SAM 10発、BC単装砲2門、HAC連装1基、SSM 2発であった。

このはづきはミサイル駆逐艦としては強力な砲火力を備えるとともに、SAMを装備し飛来する敵SSMに対応した。またSAMは中間誘導こそ行わないものの発射時に計測した目標の高度を記録しており、シリウスのような高高度を飛翔する目標に対してはいったん上昇を優先するように飛翔し迎撃を可能にした(やったね!)

火器管制装置も屋外に設置され視線出力に合わせてHUDが回転し、目標の位置や距離が視野に重畳表示されることによって見張りを補助する仕組みとした。(現在に至ってもこの仕組みは案外ユニークなものであるようだ)

さらに後日装備したShairoさん作のチャフ対策式長射程SSMを備えることによって相手艦にミサイルを迎撃することを強要することができ、ミサイル戦でも砲戦でも幅広い対戦相手の要望に応えることができる艦となった。

なお、輸入使用したSSMの仕様を理解せずに使用し、当マルチ会初のフレンドリーファイヤでの戦果を挙げてしまい、さらにその様子は動画化されている(何食べたらこんな面白い動画作れるんですかねほんと、、)


②戦果と課題

実戦を経た感想は下記の通りであった。
・手動防空システム自体は概ね意図したとおりに作動した。
・シースキマーSSMであればマルチでも撃墜できる(こともある)
・同期ズレの問題により、マルチ環境ではシリウスどころかシースキマーですら位置を正確に把握し、かつ撃墜することは非常に困難→シリウスを防ぐには防空の自動化は必須。

終始やはりマルチ環境の「見えているものが信用できない」という特性に大きな影響を受け続けたというのは間違いなかった。先に上げた動画でも散見されるが、「SSMが飛んできた」と認識してからSAMを発射するとすでにSSMが着弾してしまっている状況が多く発生しており、一部防空に成功することはあったものの同時にその限界を示唆するものとなった。

*新たな脅威『チャフ貫通型SSM』の出現*

このDDはづきが竣工するのとほぼ同時期に海戦史に刻まれるべき新たな脅威が出現した。それはまたしてもえりりんさんによって海戦マルチ史上初めて実用化されたチャフ貫通型対艦ミサイル「VLS SSM カノープス」であった。

アバカンから発射されるカノープス
なんとミサイル黎明期にもかかわらず当時からターンブースター付きである

これまでのSSMはいずれもミサイルレーダーから出力されるミサイルフィン用出力を終末誘導に使用しており、チャフの使用によって回避が約束されるものであった。しかしこのSSM カノープスはレーダーに出力される情報のうち最も信号強度の低い情報を誘導に使用することにより、たとえチャフを散布されても確実に船体を射抜くことができる恐ろしい能力を持っていた。(これをLuaなしでやっちまうんだから恐ろしいぜ、、、ブルブル)
つまりは、「撃墜しない限り必ず命中する」ということで、さらに自動防空システムの構築が急務となっていった。

*イージスシステムへの再挑戦(2022年8月~翌年1月)

DDふみつきの失敗とDDはづきでの戦訓を経て、再度自動防空システムの設計を開始した。これらを踏まえて出された要求は次の通りであった。
・3面捜索レーダーの動作は良好であったので、これを基にシステムを構築すること。
・マルチでの動作を目指すため、極力Pin信号を排除した設計とすること。
・単発で発射されたシリウスを撃墜できること。
・撃墜に失敗した目標に対して再度攻撃を行えること。
・可能であればマルチ環境下でのテストと並行して開発を行うこと。
こうして出来上がったのが「DDGむつき」である。

実際のイージス艦では多数の対空目標に対してSAMを発射する場合、発射時に概略の飛翔経路をSAMに入力し、着弾直前だけFCR(射撃管制レーダー/イルミネーター)で精密誘導するという仕組みを取っている。むつきの対空システムは不完全ながらこの仕組みを真似たものとなっていて、目標の脅威度を計算し、SAMの中間誘導を捜索レーダーで担当しつつ脅威度上位2目標をFCRで補足してSAMに対して精密誘導を行う、というものだった。

そして定期的にマルチでの動作テストも行い、8割程度のシステム動作は確認済みであり、この点でも細心の注意を払って開発されたむつきは、期待と不安を胸に実戦へと向かうのであった、、、

そして結果がこれである。

1戦目はなぜか防空システムが動作せずにSSMを食らって爆沈。2戦目は2~3発程度のSSMの迎撃に成功したと思われるがSAM16発をあっという間に撃ち尽くしてしまい、結局回避はチャフ頼みとなってしまった。(撃墜比3:16ってなんやねん!!20%切ってるじゃんか!!!)
かくして膨大な時間をかけた防空システムはまたしても不完全燃焼な結果となり、きばたんは1週間ほどふて寝するのであった。。。

*ゲオメタからの挑戦状「質量再配分」*

ここで今までの対空システムがことごとく動作不良を起こした原因と思われるStormworks上の仕様が海戦マルチ会で話題となり始めた。それは「質量再配分」と呼ばれ、現在も変わらず猛威を振るっている。
この質量再配分とは、ミサイルのように船体から分離可能なマージとは違い、回転軸等船体とは分離することができないマージ部分(以後分離不可マージ)が船体本体と質量を分け合う仕様のことである。

図解「質量再配分の影響」

Stormworksのレーダーは知っての通り8個の目標についてその信号強度が強い順に情報を出力している。これには船体についている分離不可マージもカウントされ信号強度順に出力されることとなるが、分離不可マージはたとえ小さな回転するアンテナであっても船体本体とその質量を分け合うため、どれだけ小さなものでもその見た目と不釣り合いな大質量を持つことになる。これによって船体と発射されたSSMが同時にレーダー波の照射を受けた場合「8個のレーダー出力はSSMよりはるかに質量の大きい船体部品によって占有され、結果SSMが探知できなくなる」という大問題が発生したのだった。

つまり今まで何もできてなかったって、こと?

DDGむつきの場合、捜索レーダーは5~6km範囲を監視するもので、これは当時のSSMの最大射程がおおよそ7kmほどだったことを理由としている。しかし当然4km以上は砲での攻撃に難があるため当然SSMを使用することが多く、知らぬ間にこの質量再配分の影響を多大に受けていた、ということが分かったのであった。

各々の対策
当然質量再配分問題は同じく防空を志していた他のワーカーたちにも大きな話題となり、各々対策を講じる必要に迫られた。以下に対策例を挙げるが、登場時期が厳密には多少前後してしまうのは許してほしい。
1つ目は「相手と距離を保って防空レーダーの探知圏内に入れない」、、、つまるところ全速後進しながら戦闘するというシンプルなものだった。

いてまぇぇ!!(違う

2023年2月に就航したにっけるさん作 CG-74 セキガハラはDDGむつきと同様複数の捜索レーダーを同時に使用して目標の捜索・防空を行うタイプであったが、同じく質量再配分問題が判明すると影響を大きく受けることが予想された。しかし実戦では後進で距離を保ちつつ防空を完璧にこなし、その後魚雷を受けて沈むという誉を成し遂げた。

Shairoさん作「ファイヤーワークス級」
どんな攻撃も叩き落す強烈な防空力を誇る

2つ目はレンジの異なるレーダーを多層的に運用することで質量再配分の影響を受けていないレーダー情報を得る、個人的には「ハンバーガー式」と呼んでいる方法であった。これは2023年6月に就航したしゃいろさん作「ファイヤーワークス級」に搭載を見ることができ、これは彼我の交戦距離を選ばずに強力な防空力を発揮した。

同級ハンバーガーレーダー。おいしそう。

そしてそのころきばたんは着々と、、、
「別のことをして遊んでいた」(だって防空嫌になったんだもん!!!!!)

正確には大迷走していた。
というのも、自動防空の難易度の高さにすっかりビビってしまい、「もう人間に判断させて、システムはその判断のサポートに徹したほうがよくない?」とまさかの手動防空に回帰していた。そうして初期型のつづみ級が建造されたのだった。
結果は、、やはりシリウスが撃ち落とせない中途半端なものになった。

*新センサーと技術革新(2023年2月~)*

しかし2023年2月、迷えるきばたんに手を差し伸べたのはまさかのゲオメタ神だった。そう、Physics Sensorの実装である!!!!!!!
詳細は省くが、要は今まで何ブロックも使用してミサイルや船体の姿勢を計算していたのが、これ一つで済むようになり、あらゆるものの小型化ができるという優れものであった。

新技術をふんだんに使用して小型化されたファランクスCIWSくん。なお当たらない。

そしてもう一つ、しゃいろさん提案の「クランプ式」と呼ばれるレーダーのノイズフィルタ方式である。原理としてはレーダーの出力する角度・距離情報のノイズ幅は判明しているので、「想定されたノイズの範囲」から目標がはみ出せばその分目標が移動したと判定する方法を取っていた。この方式は近距離であればあるほど精度と応答性が良いことが特徴で、今まで使用していたLPF(ローパスフィルター)とは比較にならないほどの高性能であった。(何かに使えそうな気がするよ!ドラえもん!!)

また、このころ海戦マルチのレギュレーションが弾薬有限から弾薬無限に改正となり、ファランクスのようなCIWSの搭載が現実的になった。この改正により生まれたCIWS教団は成長を遂げ、今や海戦マルチの一翼を担っている。

*全周常時監視型への転換、そして完成形へ*

試作型の4km常時監視型SPYレーダー。
なんと20基ものレーダーを連動していた。

これまでの開発や実戦の経験から
・質量再配分の問題から長距離を単一のレーダーで捜索することは難しい
・回転捜索型ではSSM群れの構成数と運動を正確に把握することは難しい
・マルチでの実戦では1対1あるいは1対2の先頭がせいぜいであり、SSMは単一の方向からまとまって飛んでくる場合がほとんどである
ということを今更ながら確認したのに加え、新技術・アップデートによって
・レーダー情報の精度及び応答速度の飛躍的向上
・新センサーにより姿勢諸元をより小さなスペースで得られるうえ、レーダーの設置姿勢によって座標変換計算を悩む必要がなくなった(新センサーはオイラー角を出力するため)
等の環境変化が起きた。これらを踏まえて「いっそレーダーを大量に使って短距離を常時監視しよう」と中長距離防空をあきらめて近距離を反射神経で殴るというコンセプトが決定した。

そうして完成したのが後期型の「つづみ」であった。

この防空システムは旧システムと全くと言っていいほど別のもので特徴はなんといっても「レーダーを16基同調運用し水平3.2km、上空1.5km半径の半球を常時監視している」ことであった。これによって
・今まで難しかった群れを形成しているSSMの数を正確に数えること
・脅威度計算に要する時間を大幅に短縮すること(1秒間隔→16tick間隔)
・個々の目標を高い精度で識別・測的すること
・今までにない高い精度でSAMに中間誘導を行うこと
が可能になった。(現物SPYレーダーも実際こんな感じ)

結果的にSAMの消費量を極限まで減らしつつSSMを迎撃することができ、継戦能力も大きく向上した。またこれだけ大量のレーダーを同時に運用しても負荷にはそれほど影響しなかったのも意外な収穫であった。



そして初の防空システムを設計してから約1年が経過した2023年5月。
ついに「マルチ環境における自動防空」を達成したのだった。

この試合に参加していた方が撮影してくださった録画も参考にすると、この時はトップアタック型SSMとシースキミング型SSMが順次発射され向かってきていたようで、合計では「トップアタック型SSM3~4発、シースキミング型SSM2~3発の迎撃にそれぞれ成功した」というのが事実のようだ。

この試合が終わった夜はうれしくて眠れなかったのをよく覚えている。
ああ、空の脅威は神の盾を前になす術はなく、安眠の時代が訪れた」と。

だが、そんなわけはなかった

きばたん「俺は気が付かなかった、、、何も聞かなかった、、、」

*「回避/高機動型SSM」の登場(2023年1月頃~)*

海戦マルチでミサイル戦が発生して以来、防空システムは様々な困難に遭いながらも驚異的なスピードで進化を遂げてきました。しかし、考えてもみてください。この状況を彼が予期していないはずがないのです。。。
そう、あらゆる邪悪を祓う盾がイージスならその対となる矛、光り輝く1等星たちの生みの親であるえりりんさんが、、、

SSMリギル・SSM Neza軌道図解

①蛇行するミサイル えりりんさん作「SSM リギル」(2023年1月頃?~)
このSSMリギルは前述したカノープスやシリウスより低速である代わりに長射程で、50mくらいの低高度を巡航し敵艦に近づくとグネグネと蛇行しながら飛ぶものだった(詳細なスペックが見当たらず体感で言ってます。)
一見単純に見えるがこれがまた厄介で、通常SAMは比例航法をするためSSMの動きを先読みして飛行するが、リギルは定期的に旋回するのでSAMはそれに追従しようとするとさらに大きく旋回する必要がある。そして右に左に首を振るうちに、ついには振り切られてしまうのだった、、、

しかしこのリギル、終末誘導はミサイルノードを使用してるため最終的にはチャフで回避が可能であり、全く理不尽なSSMではないのだ。思うに、「墜とせるならチャレンジしてみて♡回避はできるしお望みなら撃ってあげるわ♡」というプレゼントだと私は理解している。

②回避機動をとるミサイル「SSM Neza」(2023年5月くらい?~)

このあらひとさん作のNezaは海面すれすれを巡航するシースキミング型で、自分を迎撃するミサイルが接近してくると急旋回してSAMをかわしてしまう、という恐ろしいものだった。(防衛装備庁が当時出した新型対艦ミサイルのコンセプトビデオにこんなのあったよな、、)

一応は近接用にSEARAMを設置することによって対処はできたがVLS SAMはまるでついていくことができず、全くかすりもしないありさまであった。

まったく戦争は地獄だぜ!!!
安眠もつかの間、きばたんはこれらを撃墜すべく開発に戻るのだった。。

きばたん「またミサイル開発やりなおしかよぉぉぉぉぉぉ」

とは言いつつ、海戦マルチはかなり紳士的なストームワーカーたちが集っており、えりりんさんもあらひとさんも例にもれずこの高難易度SSMたちを進んで試合で使用することはなかった。ちゃんと次の宿題(SSM)を用意しながら、生徒(迎撃)側の成長度合いを見守ってくれるのは本当に良いライバル達であり、良い大人だなぁと心から思う。

そんな彼らの優しさに甘えて私はのんびりしてしまったため、以降つづみの防空システムはしばらく大きな変化を迎えることはなかった。

*新型SSM達への小さな小さな抵抗(2023年6月~)*

とはいえ、何も案がないわけではないので小さな試行錯誤を重ねていた。考えるまでもなく当たり前の話ではあるのだが、要は「SAMが突破されるなら次の迎撃手段を用意すればいい」ということだ。

距離に応じて多層的な防空網を構築すればあるいは、、、

つづみ以降使用している常時監視型防空レーダーでは最大3.2kmまでを監視しており、よってSAMは3.2km~最短射程1kmの範囲で迎撃を行っていた。しかしながら当然SSMも高速で飛んでいるため、SAMの速度がSSMと同じだと仮定すると撃墜できたとしてもSSMは1.6kmの距離にまで接近することとなり、仮に迎撃に失敗すると次の迎撃手段に乏しいのは明らかだった。

つづみに搭載されたランチャー型SEARAM
ステルス艦らしからぬ見た目をしている。

現実の軍艦でも2次大戦期から現代にいたるまで多層的な防空網の構築は重要であり、防空レーダーの外側は空母付きの戦闘機や早期警戒機が担当し、その内側は長射程のSAM、さらにその内側は主砲やESSM、SEARAMが担当し、CIWSが最後の砦となることが多い。

Stormworksではデータリンクやマルチの非同期問題があるためさすがに艦載機は非現実的だが、SEARAMとCIWSを載せることは簡単だ(たぶん)

結果としては良好だった。特にSEARAMは目標に向けて直接射撃できるため最短射程がVLSに比べて格段に短く、また命中率も高かった。命中後SSMの運動エネルギーを相殺しきれずにそのまま直撃を食らうことがある以外は非常に優秀で、ターター式防空艦を造ろうか悩むほどには悪くなかった。

CIWSも最後のお祈りとしては悪くなく、何度かリギルを着弾直前に逸らすくらいの実力はあった。(問題は弾幕を張るとストワの処理が大変重くなるのでその。。。マルチ的にね?)

またその後努力の甲斐あって改良型SAMはリギルに対応することができるようになり、一応は初期型を上回る性能を持つ後期型のつづみが完成をみた。

未だSSM Nezaの機動力にはRAMで対応するしかない状況がであったがそのほかは超音速ミサイルでない限りは対応が可能であり、概ね自分でも「イージス」を名乗って遜色ないと思える程度の完成度となった。(いや個艦防空システムはイージスではないでしょ!!黙れ小僧!お前に何ができるのか!?)

*小さな栄光と大きな破滅(2023年10月~)*

こうして一通り防空システムは成熟を迎え、小さな改良は行いつつも以前のような大規模開発はあまり行われなくなった。システム構築だけでなく造形を行う余力も生まれた。そしていつしか以前DDむつきを作る際にも挑戦した、イージス艦の完成形である「アーレイバーク級」を再び作ろう、そう考えるようになっていた。

そうして「DDG-122 SATO SASARA」が完成した。造形上の都合からRAMを近SAMに、CIWS 2基をLACからMGに威力を落としてはいるがつづみ級とほぼ変わらない防空力を維持しており、防空を初めてはや1年半、防空機能も造形も凝りに凝った集大成であった。

久々に確認したらDL数が7600を超えていました、ありがとうございます。

WorkShopに投稿したところありがたいことに多くの反響をいただき、初めて末席ながらも週間Top10に入ることができた。(なお妻には鼻で笑われた)

全てが順調に運び、創作意欲が湯水の如くあふれ出る満ち足りた日々。
しかしそれは長くは続かなかった。

「その日ストームワーカーは思い出した。
ヤツらに支配されていた恐怖を….。鳥かごの中に囚われていた屈辱を……。」

きばたん「なんで、、、まだ、、、バグはたくさんあるのに、、、、、、」

そう、「宇宙DLC」の発売だ。たった一晩で世界のすべてが一変してしまったのであった。船は転覆し沈み、エンジンはうならず、ロケットは仕様もわからずに火を噴くことも叶わず、蒸気はいまだ苦しんでいる。

防空システムも多大な影響を受けていた。蒸気エンジンは動作せず、船は自力航行できない。蛇レンジも満足に動作せず、やっとのことで迎撃テストを試みるとSAMは味方のSAMを追いかけるザマであった。
対して他のストームワーカーたちの反応はというと、事態は凄惨を極め、ゲオメタに爆破予告をするものまで現れるほどカオスであった。

もう防空なんてやめよう。

髪形は刈り上げて服は袖を引きちぎった。KAWASAKIのバイクを購入し、火炎放射器を担いで街に繰り出そうとした。
しかし私の中で安西先生がささやくのだ。

うっうっ、、おれ、頑張るよ先生、、、

*復活と新たな進展(2023年10月半~現在)*

さて嘆いても仕方ないので、船とシステムを作り直すとする。
DLCのバグ取りがひと段落した段階で問題点を整理すると
・自分のミサイルもレーダーに映るようになった
・船の浮力が大幅に低下した
・蒸気エンジンの出力が大幅に低下した
以上の3点だった。
船の復元性は元々-2ホイールというグリッジを使って安定させていたので、浮力の部分を小スクリュー浮力を使って調整してやればよいだけであった。また、蒸気エンジンはゲオメタが「流体の圧力がどうこう」言っているためまだまだ不安定な状態が続くと考え、ひとまず取り扱いの容易なJETエンジンに換装して船を自走可能な状態に戻した。

旧型SAM。真ん中にBASICレーダーがサンドイッチされている。

問題はレーダーに自分のミサイルが映るようになった仕様変更だ。
SAMに搭載しているBASICレーダーで目標を追尾しているときは良いが、ミサイルノードを使う終末誘導は目標を自由に選択することができず、前を飛んでいる味方SAMを追いかけてしまうのだ。これでは1方向からの飽和攻撃に対処できない。(そもそもそんな必要ないのではとか言わない)

また、SAM搭載のBASICレーダーは6目標までの情報を取得して追尾するが、4発のSSMを迎撃する場合、最後尾を飛んでいるSAMの前にはすでにSAMが3発、SSMが4発飛んでいるため自分の割り当てられた目標をとらえることができないという問題が発生する。はてさて、どうしたものか、、、

結論から言うと、対処することはあきらめた。
ミサイルノードで目標が選択できないのは変わらない事実なので、火器管制系を改修してSAMの発射間隔を広げるとともに、ミサイルレーダーの有効レンジを短くすることによって終末誘導は必要最低限の時間行うようにした。

ただ後者の問題は正直どうしようもなく、現在も防空システムは3発を超えるSSMを同時に1方向から撃ちこむと突破される確率が飛躍的に増えてしまうのが現状だ。

だが失うものだけではなく得るものもあった。
DLCリリース時に1×1ロケットが噴射口のみでは動作しなくなるという変更があった(後に元に戻された)
この変更でつづみ級からSAMには使用していたターンブースターが動作しなくなったため、ターンブースターを取り外してSAMを小型化すると同時に、動翼のみでDLC前とほとんど同じ動きをするように試行錯誤しつつ調整する作業を行った。この過程で本当に本当に今更なのだが「ミサイルの空力的調整」に慣れたのだ。

重心と空力中心の位置関係や距離によってミサイルの挙動は大きく変化する。。

ここに少し余談を書く。どんな乗り物でも共通することだと思うが、機動性と安定性は反比例の関係にある。旅客機は鈍重である代わりに安定性が高く、戦闘機は俊敏な動きを得意とするが手放しでは直線的に飛び続けてくれない、こんな具合に両者の性質はなかなか両立しない。
これはSAMにも同じことが言え、回避機動SSMに追従できる機動力を備えるとSAMはまっすぐ安定して飛びにくくなり、今度は単純な直線軌道をとる標的に当たらなくなるというジレンマがあった。安定性がピーキー過ぎて、ミサイルシーカーを動翼につなぐとSAMがふらついてしまうのだ。

しかし、あらひとさんやえりりんさんの調整するミサイルたちのその俊敏性たるや見事でなもので、同時にこれは機動性と安定性が両立できる証明ともなっていた(くそ!!できないってわかってりゃやらなくていいのに!!)

そして機動性と安定性を両立すべく重心と空力特性の調整を続けた結果、、

回避機動SSMにも対応できる改良型SAMを作ることがついにできたのだ。
こうして改良されたSAMと防空システムはアーレイバーク級イージス艦 DDG-122 SATO SASARA として現在ワークショップに最新版が載っているので、ご興味のある方は遊んでみてほしい。(たぶん動くはずだ)
なお、Luaやマイコンの誤字やバグは茶目っ気だと思って許してほしい。

*現在も、そしてこれからも(最後ダヨ)*

DD-931 フォレスト・シャーマン
来たる艦載機戦に対するWW2駆逐艦として建造した。

海戦マルチ会は発足以来、主催のあもまさんを始め多くの方の努力がありその活動を継続しています。まずはこの場をお借りして皆様にお礼を申し上げます。こんなに楽しい場所を用意してくださってありがとうございます。

そして私の最大のライバルであり、そしてよき戦友であるえりりん艦長!あなたの作るSSMたちはどれも難解であると同時に何か解決策も感じるとても良いお星さまたちです。最高のプレゼントをありがとう。そして広大な海の上、またいつの日か剣を交える日が楽しみでなりません。

この写真はシリウスだけど最近マジの対艦弾道ミサイルとか出てきてホント超怖い。。

一見もう発展の余地がないように見える防空システムですが、まだまだ新たな脅威が日々出現し続けています。技術的発展はなにもミサイル戦に限らず、航空母艦を用いての機動部隊戦や戦艦同士による砲撃戦も行われており、その進歩はどれも目覚ましいものがあります。

私は海戦マルチにおいてもっぱら防空に心血を注いできました。
ですがもちろんそれは人それぞれです。

流行に乗って作ったちび空母 龍驤

「石をどのように積むのかは君次第なのだ。」
(映画「君たちはどう生きるか」より)

長くなりましたが、海戦マルチ会のさらなる発展と、いつかまだ見ぬストームワーカーの皆様とこの広大な電子の海でお会いする日を願いながら、記事を締めくくりたいと思います。

ありがとうございました。そして皆さま良いお年を。

やめろ!!もうフラグはたくさんだ!!!!!ヤメてくれ!!!!!!!!

2023年12月24日 きばたん

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?