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建国神話

アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの建国過程は、イスラエルの建国過程とよく似ている。
ユダヤ教というかなり特異な少数派の宗教の存在と、20世紀の第二次世界大戦後に欧米列強によって擁立されたという現代性は、アメリカ建国などとは異なる特殊性を持っているように見えるが、本質的なものは変わらない。
さらに、イスラエル建国が、欧米列強に植民地支配されて来た広範な地域で湧き起こった民族解放の激しい独立運動と、同時点で並行して実施されて来たことも、見過ごすことができない重要な点だろう。
イスラエルには周辺国を圧倒する軍事力が不可欠であり、それを支える欧米の軍事・経済援助が不可欠であり、その援助に見合う役割を果たさねばならない任務もあった。
アラブイスラム教世界の分断と、石油などエネルギー資源の欧米利権確保に、イスラエルは表裏共に貢献して来た。

21世紀の現代世界は、ヨーロッパの没落困窮化と、米・加・豪の能力欠乏が顕在化している。
資源保有国、生産設備労働力保有国、広範堅実な消費能力保有国が、世界運営の主役に躍り出ている。
当然の結果だ、真の実力の保有者に、実態が回帰しているだけだ。

イスラエルが今後存続し得るのか?現在の軍事的優位をいつまで維持し得るのか?
凶悪な軍事暴力が、いつ反転して我が身に降り返って来るか、時間的な問題でしかない。
イスラエルが米・加・豪のように国家として存続できるかどうか、米・加・豪ですら根本的な大きな構造変革を迫られている現代、イスラエルに押し寄せる荒波は巨大で激しいものになるだろう。

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