『編入体験談』2022年度金沢大学理工学域数物科学類(物理学コース)

2022年度金沢大学理工学域数物科学類物理学コースの編入試験を受験した
4年生大学の工学部生です。
どこかに需要があるかもしれないと思い書き留めることにしました。

1.自己紹介

まず学部受験から書きます。
私は大学受験の際、特に物理系に行きたいわけではなく漠然と
「ものづくりとか面白そう」「電子工学とか機械工学かっこいい」
などといったノリで機械系と電気電子系を乱れうちし、その中で当時興味のある研究をしていた工学部の電子工学科(大学名は伏せます)に入学しました。順調に好きなことを学び1年生を終えました。
しかし、大学2年生の時とある先生の授業(教養の数理科目)の影響で物理に熱烈に興味を持ち急遽物理学科への編入を志すようになりました。
本格的に物理の勉強を始めたのは2年の終わり(試験4か月前ほど)でした。
なので本来であれば大学2年生の時に受験するはずですが、私は3年生で受験しました。このことを承知のうえで下記の体験記を読んでいただければ幸いです。

2.志望動機

1つ目の理由については2年生の時に受けた熱力学と統計力学と相対論と量子論の講義で、物理面白い!と単純に思ったことです。もう当時の感動といったら忘れられません。科目はどれも課題が尋常じゃないほど多く、毎週何時間もかけて必死に勉強しました。そんな日々を1年間ほど過ごしていると私は工学部より理学部の物理に行くべきなのでは?と思うようになりました。

そして、物理学科に行きたいと思う2つ目の理由が物性の授業が納得いかなかったことです。工学部よりなので応用に目を向けなければならないのは
分かりますが理屈抜きで暗記しろと言われてもなかなか納得できなかったです。そういう細かな部分もきちんと学びたいと思ったので物性の勉強を詳しくできる物理学科に目を向けるようになりました。
大きく分けてこの2つが物理学科の編入の志望理由になります。

旅費や受験費用は自腹だったため、受けるのはどこか1校にしようと思っていました。そこで新幹線+バスで3時間程度で行ける金沢大学を選びました。

後半にも書きますが、金沢大学は比較的問題が簡単で他分野の人にも優しいです。また1年遅れの私のような人でも点さえ取れれば受け入れてくれるので過年度生にもおすすめです。

3.試験日程

受験日:5月28日
合格発表日:6月10日


4.受験内容

専門科目
試験時間は3時間
力学、線形代数、電磁気学、微分積分、プログラミングから
2問選択(物理系は自分含め力学、電磁気学以外で受けている人はいなかったです。)
面接
5分から10分ほど

これだけです。英語の試験がないです!
私はTOEICの点数が665/990しかなく非常に英語が苦手だったので、英語が苦手な人にもおすすめできます。
めちゃくちゃ対策しやすいです。
なぜみんな受けないのか不思議なくらいでした。


5.試験会場の雰囲気

まず試験会場ですが、駅から非常に遠いです。
書くまでもないかもしれませんが前泊必須です。
金沢駅からバスが出ているのでそれに乗りましょう。
試験日にスーツを着て金沢駅のバス乗り場にいたら大体編入志望です。
おおよそですが、金沢駅からバスで40分ほどです。
また、タクシーという手段もあります。(片道約3000円です。)
大学内に金沢大学自然研前というバス停があるのでそこでおります。
バス停からはすぐなので試験会場はすぐわかると思います。
9時スタートなので、それまでは机で勉強して待っていられます。
10分ほど前になったら所持品(筆記用具、時計を除くを)を教室の後ろに置きに行きます。
そうして問題用紙と解答用紙が配られるのでそこで自分の解答する問題を決めます。
試験は9時~12時です。
そして、試験が終わると昼食休憩がありました。
その後面接があるのですが、ここで非常に長い待ち時間があります。
この際、携帯を含む電子機器は一切いじることができません。
自分で持ってきた問題集やノートを持ってきて眺めている人がほとんどだったと記憶しています。
面接は成績順とかではなく普通に受験番号順で呼ばれます。

6.筆記試験

力学
前半
単振動の角振動数を求める。
物体の変位、速度を式で表す。
力学的エネルギーを計算し、保存することを示す。
後半
摩擦力が加わった際の運動方程式を求める
一般解を求める。
初期条件を用いて任意定数の決定を行う。

電磁気
前半
x軸上に点電荷が置かれたとき、点P(x, y, 0)における電場を求める。
xyz成分ごとにそれぞれ電場を表示する。
単位電荷を無限遠点から点Pまで運ぶために必要な仕事を求める。
後半
y軸に対称な点に先ほどと異符号の点電荷を置く。
この時、点P(x, y, 0)における電位Vを求める。
近似の式が与えられるので、それを用いて電気双極子モーメントを求める。
近似して求めた電位を用いて電場を求める。

以上です。ちなみに試験時間は3時間(ぶっちゃけ2時間でも多いくらいです。)私は丁寧に解いて見直しを5回以上しましたが1時間以上余りました。
1つ落としたら落ちるのでは?というぐらい簡単だったので高得点勝負になったのではないかと思います。
自己採点では力学は満点、電磁気学は1ミスといったところでしょうか。
開示がないため具体的な点数は分かりませんが、きちんと勉強すれば門外漢でも満点近く狙える試験だと思います。

7.面接

面接は10分以内に終わりました。
ほとんど筆記試験で決まると思っていただいて構わないと思います。
誘導の先生に連れられて面接室に入ると4人の先生が自分の前に座られていました。
私の場合面接の内容は以下のようでした。

金沢大学を志望した理由
院に行こうと思っているか?
将来のヴィジョンはどのような感じか?
今の段階で興味のある分野は何か?
今通っている学校ではダメな理由があるか?
もし、落ちたらどうするか?
併願校はあるか?
数ある編入実施校でなぜ金沢大学を選んだのか?

でした。

先生方は非常にやさしく、面接は終始和やかでした。
圧迫面接とかではないです。
また、筆記試験についての言及は一切なかったです。


8.結果

合格でした。
物理学コースは受験者は10人で合格者は5人でした。
他の人に比べてできたかどうかではなくきちんと点数を取れば全員受かるのではないかと思います。

9.最後に

金沢大学の物理学コースの体験記が今までなかったので、初めてのnoteですが頑張って書いてみました。これを参考にしてぜひ来年金沢大学を受けに来てくれると嬉しいです。Twitterのdmを開放しているので聞きたいことがあったら気軽に連絡してください。










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