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今朝思ったこと

辻仁成著「十年後の恋」の感想を書こうと思いながら、
なかなか筆が取れなかった私。
何故かというと、辻さんの著書の行間の奥がとても深くて
私の拙い語彙や文章力ではとても失礼になるような気がするから。

1度目拝読の時は、以前他のブログに書いてアップしたけれど、全部かけたかというとうわべしかかけていなかった。あの時の自分の精神状態と拙い文章力でどうしょうもなかった。(あれから良い面で意識変化したような感あり)

削除した以前のNoteにも、確かその前の他のブログにも書いたけれど、辻さんは、読書好きな私が、世に名を成している作家さんの中で一番衝撃をうけた作家さんだから。(児童書では角野栄子さん・海外の方は訳がはいるので著者と微妙に何かが違ってしまう。)

で、今まで読んだ(まだ少ない)辻さんの作品の中で一番怖かったのが「ダリア」
専門家でもない一介の主婦がなんと傲慢にいうことか!と思われる方もいらっしゃるとは思うけれど、素直な気持ちだからどうしょうもない。あくまでも、私の感想。感想文は本当に難しいと思う。

辻さんの著書に「愛と恋」の違いを書かれたものが多い。「目下の恋人」の帯にも「一瞬が永遠になるものが恋 永遠が一瞬になるものが愛」と書かれている(この本は今半分まで読んでいる)

確かに愛と恋の違いを様々な作家さんが書かれてはいるけれど、たぶん、私にはわかっているようでわかっていなかったのかもしれない。
「十年後の恋」を拝読することにより、私は、様々なことを思い出し始めたし、考えるようになった。影響力のある作品。私と同じような人も居るのではと思う。

最近、この歳になって自分がどうしてなかなか恋が出来なかったのかと言うと、みぞおち辺りのピッタリの波動共鳴の方が、いなかったという事。
(少し恋愛感が地球の人と違うのかもしれない。←宇宙人か><? で、思春期、色々とまわりにいつも誤解を受けて落ち込んでいた。)

その本人と言うより、恋に恋することばかりだったのも、恋愛が苦手だったのも、そういう訳だったのだと謎が解けた。ある面傍観者的な自分がいつもいても、恋などより実家への家族愛は半端なかったと今でも思う。これはもう性格だから仕方ない。(話はそれるけど、かって友人から、家族と友人どちらの約束を優先するの?と訊かれ、即答で家族と言った私。友人はあきれていたけれど)もう両親も他界し、弟も家族を持ち、ある面呪縛?!から解かれた感じもある。笑

魂が安心安全に安らげる場所・人・偽りない絶対なるお互いの信頼関係・それを自分は求めていたんだと。(いや~。還暦をとうに過ぎ、人生の終末期にこのように愛と恋に悩むとは、かなりおかしいのかもしれない?!本当に宇宙人なのかもしれない)🛸

「十年後の恋」の主人公・マリエも最終的にはそうなのかな、と思った。
魂が安心安全で安らげ、偽りない絶対なるお互いの信頼関係を求めていたのだと。ラストは、地球語で言えば完全なる愛と恋を超えた先のものではないかと思う。真実のもの。

自分の体への危険を冒してまで、防護服に身を包んでまでして、コロナ感染の自分の側に来てくれたアンリ。その想いはしっかり伝わっている。
私は、経験があるけれど手術などで酸素に繋がれ虫の息で、あの世とこの世をさまよっているときほど、そばにいる人の本心が波動でわかるものなのだ。(だから死ぬ行く人の横や虫の息の人の側で、病気の事やお葬儀の話をしてはいけないというのは、全部わかるから。経験者の私は語ります。)

私の勝手な解釈だけれど、人と人が真に繋がるのは、やはり波動だと思う。
魂と魂の繋がり。そこには嘘偽りはないと思う。共鳴が心地よいか悪いかで人間同士、男女同士も変化してくるのではないかと思う。

マリエはアンリのその波動との共鳴を頭での理屈ではなく、どうしょうもない魂で感じてしまったと思う。今までの人間世界の常識や今までの自分の様々な概念や思考ではなく、アンリそのものの魂が発する波動へ惹かれ、
それは振り払っても、離れても、交流をもたないようにしても、どうしようもない魂と魂の共鳴が、二人を引き寄せてしまう。しばらくアンリと距離をとったのも、自分の今までの様々な概念が変化し始めた怖さからではないかと思った。人間は自分が惹かれてしまう理解不可能のどうしょうもないことには、恐怖や拒絶反応を示すもの。それが腑に落ちてからの、一歩になると思う。

それは恋や愛という人間の言葉では説明のつかない、すべての原点なのかもしれない。これは恋人同士とか、結婚しての夫婦とか、人間界の常識をすべて取っ払ったさきにある、ただお互いの存在が唯一無二のものなのだと思う。

マリエは、その気持ちとしっかり向き合い、一歩を踏み出したのだ。
それがラストの言葉。

自分勝手な解釈で暴走してしまった、感想なのかもしれないけれど、
「十年後の恋」は、深く読めば読むほど様々な気づきを教えてくれる本だと思う。辻さんの作品は、わたしにとってはそういう作品なのだ。

今朝、このように思い書き始めて、アップは夕方になってしまった。

ありがとうございます。