PMF前のディープテックの戦略

所謂ディープテックといわれる分野で、ビジネスをしているが戦略に迷いが生じている。

トップラインを一番優先させるべきか(売上必達のプレッシャーが凄い・・)、もしくは完全に自社の製品が刺さる(刺さりそうな)業界に絞って追加開発を進めるべきか。

MVPらしきプロダクトが完成し、このβ版が顧客価値を提供できるのか、かつその領域は十分にマーケットが広がっているのかを見極めて、最初に取りむマーケットを決定したいと考えている。デイープテックの難しさでもあるが、MVPからしっかり顧客価値を提供できる(継続使用してもらえる)ものにするにはかなりの開発要素が必要になってくるので、あの業界・この業界と手を出すのは得策ではないと肌身を持って感じている。

仮にこの見極めを誤ってしまうと何となく製品は納入できたものの、継続使用してもらえなっくなったり(もちろん追加注文もない)、横展開のスケールしていく絵も全く描けないという事態になる。マーケットの見極めが重要なのも、何となく課題は存在しているものの、それぞれがブツ切れの課題であることを見抜けなかった場合はある企業で導入が進んだものの、その後にそこからの横展開先がないことにこの段階で気づくことなる。(こちらで何度か痛い目にあった、、、)

まずは会社としては、MVPを持ってどこの業界を刺しに行くのかを明確にし、確実に展開できると判断した場合には、その業界向けに追加開発を実施する。ただし、現在はここで右往左往してしまっている。色んな会社からインバウンドで問い合わせが来てしまうためだ。

業界を絞るといえば簡単だが、これをやり切るのは本当に難しい。経営者として胆力が試される気がする。

難しい要因の一つは様々な外圧がかかってくることだ。その中でも一番大きな要因と思われるのは、株主さんの期待値だ。株主さんの一番の目線は常にトップラインで占められており(もちろん一番分かりやすい会社の指標なので理解はできる)、なまじこのフェーズで売上目標が課されてしまうと、刹那的な目先の売上に目がくらんでしまい、何となくの共同開発を繰り返しながらPLAN A,B,C,D・・・とパイプラインを拡充させることのみに走ってしまう。
なまじ組織も拡大してしまうと、PMFが達成できていないものの組織維持のための資金調達を繰り返し、どんどん苦しい状況に追い込まれていくという・・・。辛い。

一番重要まずはPMFを何としても達成するということである。まだ製品はMVP版であり、最終的に顧客のもとで価値を提供するには追加開発が必要であるということを決して忘れてはならない。経営陣としてPMFのみにフォーカスして本質的な会話を継続するしかなく、トップラインは2の次という意識を忘れずにいたい。


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