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システム39と旅した10年vol.7「SIは楽しい!システム39成長期」

このnoteについて

このnoteは、ジョイゾーを代表する対面開発サービス「システム39」が2024年6月30日に10周年を迎えることを記念し、スタートした連載企画です。

システム39とジョイゾーが歩んできた10年を振り返りながら、これまでお世話になった皆様への感謝と、これからの10年に向けたヒントを探していきます。

前回のnoteはこちらです!

今回のテーマは「SIは楽しい!システム39成長期」

前回はお客様のお話をお届けしましたが、今回はシステム39のサービスを開始直後、社長の四宮さん、副社長の琴絵さんと3人で基礎作りをしていた山下竜さんに、あの頃一緒に働いていた山本が聞いてみました。

2015年社員旅行@青森

システム39をやるために転職した?話

山下さんは 2014年4月に発足した初期のサイボウズ公認 kintone エバンジェリスト 13人の中のひとりでした。当時、前職であるニシム電子工業(九州電力より出向)で IoT の事業企画を通して kintone に携わっていました。

山本かおり(以下山本):福岡から上京してきた山下さんに初めて会ったのはもう、9年も前の話になるんだけど、四宮さんとの出会いを教えてもらって良いかな。

山下竜さん(以下山下):2014年4月に kintone エバンジェリストがスタートし、今も昔も界隈の重鎮である、四宮さんやラジカルブリッジ の斎藤栄さんにその年の5月の集まりでお会いしたのが最初の出会いです。その年の 7 月に、kintone Café 東京 Vol.1 や沖縄でのイベント(キントソン)でチラチラ顔合わせることがありました。
沖縄のイベントでシステム39というサービスを始めると聞いて、「面白そうだな〜」とは思っていました。

山本:たぶん、その kintone Café・・・受付して軽食を買いに行ったかも 笑

kintone caféへいく山下さんツイート

山本:創業 5 年目の東京の会社に転職するのに不安はなかったのかな?

山下:なんとなく kintone の仕事をしてみたいなという感覚がありましたが、当時 kintone の仕事をしてご飯食べてる人は少なかったですし、当時は結構ノリが大きかったです。イベントなどでお会いしていた四宮さんにお声掛け頂いて、すぐ返事した記憶があります。東京に行くことに関しては、学生時代を過ごしていたので抵抗感はなかったですね。東京に来て「満員電車が嫌で福岡帰ったんだった・・・」と思い返したことはありましたが(苦笑

入社した 2014年頃のシステム39

kintone の連携ソリューションも少なかった当時のシステム39 はカスタマイズと組み合わせることが多く、案件としてノンカスタマイズで対応できたケースはレアケースだったと言います。

山本:システム39は初回2時間無料で3回打ち合わせが基本だと思うけど、あの頃はどんな風に案件を受けてたのかな?

山下:39 単体でクローズする案件、ピュア39 と呼んでたりしましたが、ほぼなかったかもしれないですね、特に初期の頃は・・・。kintone の標準機能も弱くて、プラグインもまだ機能としてありませんでしたし、連携サービスもバリエーションと呼べるものはなかったので、大体カスタマイズ提案してました。
ルックアップや関連レコード機能はありましたけど、当時あったソリューションは Cstap さん(現トヨクモ株式会社)くらいでしたし、標準機能でアプリを作るのはもちろん 39 の枠で対応していましたが、カスタマイズが前提っていう案件が多かったかなと思います。ピュア39 は本当に稀有でしたね(笑

良い案件?!悪い案件?!

基本システム39はサイボウズさんのオフィスで行っていましたが、たまにオフィスに来訪されるお客様もいらっしゃいました。あの頃は今のオフィスのように打ち合わせルームもなく、目の前で 39 をやっている山下さんをオフィスメンバーは観察していました。

山本:山下さんの 39 をオフィスで見ていて、”ドS39”してるな〜ってすごく鮮明に覚えているんだよね。やりたいことがたくさんあるお客様って色々話たいと思うんだけど、そんなお客様に「一旦、僕の話を聞いてもらって良いですか!!」とカットインしていたかな。

山下:あはは。そういう時ありますよ。それがスタンダードではないですし、具体的にどの案件のことを言われているかは覚えていませんが。時間も限りがありますし、打合せで大きく話が発散してばかりの案件は、良い形で終えるのが難しくなる可能性が高まり得るので。

後方のテーブルが打ち合わせができるスペース

山本:システム39 って、39 を通して kintone に詳しくなったり、最終的には自立できるようになるとか、kintone って楽しいって思ってもらうとか色々あると思うですけど、山下さんが思う良い案件ってどんなものですか?

山下:いくつかステップがあると思います。最低ラインは、お互い一定の準備をもって打合せに臨んで、スムーズに終わること
良い案件の次のステップは、お客さんとより息が合うってことですかね。これが成立しないと時間がかかったり、やりとりが増えてスムーズさがなくなりますよね。最初の案件をスムーズに進められて、時間が空いて追加・修正などのポジティブなリピートにつながると、結果的に良い案件になったなぁと感じていました。リピートは利用が定着して使い続けてもらえてるということですし、そういう時にはやっている最中にお互い良い関係性になっていると感じる時があったんじゃないかと思います。

山本:システム 39 の対応は楽しかったですか?

山下:楽しくなかったら速攻やめてます!笑 楽しくなかったら苦行でしかないでしょ。対面開発は文字通りコミュニケーションスキルが要求されますし。自分がその適性が高いかは知りません!って感じで、そういうのはお客さんや周りが決めてくれれば良いと思っていますけど。

システム39に向いている人材とは

山本:システム39 をやる上でどんな人が向いていると思う?

山下:コミュニケーションスキルと技術的なスキルはいくらあっても良いし、39 は単純に kintone ありきの面があるので、kintone のアドバンテージをより活かせる人が良いでしょうね。
例えば、一見開発に全然関係ないように見えるかもしれないですけど、四宮さんはドラッグアンドドロップでフィールドレイアウトしていくのがめちゃめちゃ早いっていうのも、kintone を活かしていて 39 の特性にもマッチしていると思いますし、kintone のクセを汲み取りながら、やりたいことの実現方法をサッと出せる!っていうのも当たり前に重要でしょう。
コーディング作業してたりすると、つまずいたりした時には手を止めて調べると思うんですけど、39 は時間の制約があるので、手が止まらずに作業ができるっていうのは向いてるし kintone が使えてることのひとつの表れかもしれません。

山本:kintone の知識やコミュニケーション能力ももちろん必要だし、2 時間の中で業務の流れを掴むのって、システム39を10年間近くで見ていて難しいなって感じるんだよね。

山下:時間をかければ基本何とでも出来ると思うんですけど、特に初回 2 時間の対応はアイスブレイクが必要な時もありますし、時間のコントロールは難しいなと思います。kintone の基本機能や今だと連携サービスの知識のインプットや打合せ前の準備は事前にできることとして、あとは打合せでのコミュニケーションを通して要件を聞き出したり固めたりするスキルが必要になるかなと思います。

印象的な案件とは?ーシステム 39 の目指すもの

ジョイゾーの対面開発の特徴のひとつに来店型というコンセプトがあり、お客様に来社してもらって打ち合わせしていました(今では Web での対応が 90 %以上です)。また、当時は来店と言っても、サイボウズさんのオフィスに来てもらっていました。先方のオフィスへの往訪でもでもなくジョイゾーのオフィスへの来店でもなく、サイボウズさんのオフィスで打合せすることをお客様はどのように思っていたのでしょうか。

山本:サイボウズさんのオフィスをお借りして行っていたシステム39だけど、お客様の反応ってどうだったのかな。

山下:当時は珍しい感はあったんじゃないですかね。IT 企業のキラキラオフィスを借りての打合せやリモートワークって今でこそ増えてきましたが、あの頃はまだ珍しかったですし、新しい感はあったと思います。
来店型として「(こちらからは)行きません!」というコンセプトに対して、お客様から難色を示されることも基本的になかったです。プロジェクトメンバーを全員集めたいけど全員で移動するのがあまりに非効率といった先方の都合で、必要に応じて往訪することもありましたが、数はかなり少なかったですね。

山本:システム39 の黎明期を支えベースを作ってきたと思うんだけど、四宮さんや琴絵さんたちとのシステム39 や開発について議論することはあったのかな。

山下:39 や開発については、当初はそこまで議論することはなかったかなと思います。まずはやってみる!っていうフェーズだったのでそれぞれ試行錯誤はしつつ、エコシステムなどなく手数もあまりなかったので、議論になってもそこまで発散することもなかったかと。
SI の世界にムーブメントを起こそうとしていた頃でもあり、サイボウズさんも「新しい SI とは」というトピックでセッションを組むこともあった時期で、そういうのを意識して活動していた記憶はあります。

山本:システム 39 をやっていて思い入れのある案件とか良かったと思う案件って何か覚えてる?

山下:IT ってコスト削減に行きやすいですが、コスト的な話でいくと、お客さんにとっての究極は利益が上がることですよね。そんな案件で面白かったのが、他社に真似されたくないという理由で事例とらせてもらえなかったことですね。あとは、売上が倍になったというお客さんの話で、社内でアピールや説明せずとも今回のシステムがその理由になっていると、社内で周知の認識になっていたという話を伺った案件も印象的でした。

木場オフィスでの全体会議

後輩たちへのメッセージ

山下さんに今システム39を支えているメンバーに対してメッセージをもらいました。自分が語るようなことではないとしながらも・・・
山下:離れて 5 年近く経っていますし、色々改善されたりして今があると思うので、今自分がお話しできるようなことはないですね。サポートのメニューは要望も多く準備した方が良いと思っていましたが、今はありますし。

こぼれ話 思い出のジョイゾーCM

今でも度々登場するジョイゾーCMですが、山下さんがいた頃に制作されたものです。インタビュー中でもその話になり、琴絵さんが “あなた、おかえりなさい” のシーンで NG を連発していたと笑って話してくれました。

ジョイゾーCM撮影風景

インタビュアー山本から

山下さんがジョイゾーにいた頃は、わたしはまだフルで働いていおらず、システム 39 についてもパンフレットに書いてあることくらいしか知らないジョイゾーの人でした。
そんなわたしがシステム39 の 10 周年 note のインタビューをお願いし、執筆していることに山下さんも驚いているはずです(笑)
快く引き受けていただきありがとうございます。
インタビューでは、あの頃知り得なかった山下さんの考え方などにも触れることができました。
ひとつの疑問を投げると丁寧に 10 の答えをくれるような山下さんに、今思えばくだらない話ばかりしていたと反省です。Cybozu Days2023のkintone hack/show+case unlimited では昨年のチャンピオンとして、流暢な英語で異次元の登壇をしていた山下さん。とうとう宇宙に行ってしまったなぁと思いながら真正面の席で観戦していました。
年に 1 度、秋頃にしかお会いすることはできませんが、いちファンとして山下さんのご活躍を心より期待しています。
では、また東京でお会いしましょう!!

受け継がれるシステム39 イズム

今回はシステム39 の黎明期から現在に続く道筋を作っていただいた山下さんにお話を聞きました。
システム39 がめざす究極は”売り上げ貢献”にあり、システム39を面白いと思う人たちが集まり、お客様のことを幸せにしたいと思う同じ志を持った人たちがジョイゾーには今も昔も溢れています。この考え方は受け継が今後に繋がっていくものだと改めて感じました。

kintone hack/show+case unlimitedでのワンショット

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