結局リーシェナにナニはついてるのか問題

 下品な話もします。耐性のない方はブラウザバックでお願いします。

 ちょっとシャドウバースの話をします。今回の問題はこの子です。ネメシスの強力なフィニッシャー、みんなのアイドル、十禍絶傑の一人、その他色々。破壊の絶傑・リーシェナちゃんです。昨今ではエイラ対策のエンジェルシュートであっさり消滅しちゃうことも多いですが、まあ普通に強いです。

 現環境(グローリー環境)におけるリーシェナちゃんの立ち位置を論ずるならまあ、環境トップのエイラビショップに有利に立てるデッキ、くらいの感じなんでしょうが、そんなことはどうでも良いんです。問題はこれです。

 「結局、リーシェナちゃんの性別はどっちなの?」

 リーシェナちゃん男の娘説は、「十禍絶傑」環境からずっと囁かれていることですが、ここでは「男の娘原理主義派」と「ボクっ娘過激派」の苛烈な争いが繰り広げられていました。何を隠そう、私はFateシリーズの黒のライダーが好きな「男の娘原理主義者」でもあり、なんか手癖でヒロインを書くと一人称を「ボク」にしてしまう「ボクっ娘過激派」でもあります。リーシェナネメシスで今環境をのほほんと戦っていた私は、ふと頭に思い浮かんだこの問題に終止符を打つべく、結構真面目に考えてみることにしたわけです。

 この問題を考える上で重要になってくる点は、「十禍絶傑」というワードです。これはシャドウバースのなんか強い十人組と思ってもらって構いません。十傑集みたいなものです。

↑ 十傑集

 やはりある事柄について論ずるとき、その背景は無視するべきではありません。リーシェナちゃんと同時期に実装された絶傑のメンバーは以下の通りです。

1、唯我の絶傑・マゼルベイン(男)
2、破壊の絶傑・リーシェナ(問題点)
3、沈黙の絶傑・ルルナイ(男)
4、安息の絶傑・マーヴィン(男)
5、侮蔑の絶傑・ガルミーユ(女)
6、不殺の絶傑・エズディア(男)
7、姦淫の絶傑・ヴァーナレク(女)
8、簒奪の絶傑・オクトリス(女)
9、真実の絶傑・ライオ(男)
10、飢餓の絶傑・ギルネリーゼ(女)

 全体のバランスでいうと、男性が五人で女性が四人ですから、男女共同参画社会の概念が十禍絶傑にも適用されているのだと仮定すれば、リーシェナちゃんは女の子であると考える方が自然です。しかし、現時点での女性管理職の割合を紐解くと、ワールドスタンダードのアメリカで42%となっており、この割合を採用するなら、リーシェナちゃんは男の娘であると考えた方が自然になります。つまりわからないということです。進退極まったな。

 ですが、十禍絶傑には実はモチーフがあると言われています。上に乗せた絶傑の順番は、実は公式サイトに乗せられていた順番そのままなのですが、なんとなーく、一部の中二病の皆さんは察しがつくのではないでしょうか。

 そう。モーセの十戒です。

1 主が唯一の神であること →唯我の絶傑・マゼルベイン
2 偶像を作ってはならないこと →破壊の絶傑・リーシェナ
3 神の名をみだりに唱えてはならないこと →沈黙の絶傑・ルルナイ
4 安息日を守ること →安息の絶傑・マーヴィン
5 父母を敬うこと →侮蔑の絶傑・ギルネリーゼ
6 殺人をしてはいけないこと →不殺の絶傑・エズディア
7 姦淫をしてはいけないこと →姦淫の絶傑・ヴァーナレク
8 盗んではいけないこと →簒奪の絶傑・オクトリス
9 隣人について偽証してはいけないこと →真実の絶傑・ライオ
10 隣人の財産をむさぼってはいけないこと →飢餓の絶傑・ギルネリーゼ

 これ、完全に対応しています。そして、これを見ていると、なんとなーく見えてくるものがあります。それは、十戒と性別の対応です。男性の絶傑は「十戒をそのまま」認めていて、女性の絶傑は「十戒と反対のことを」認めているという事実です。

 例えば不殺の絶傑さんは「殺人をしてはならない」のまんまですが、姦淫の絶傑からは「してはならない」の部分がそっくり抜け落ちています。飢餓の絶傑はわかりづらいと思いますが、彼女はプレイ時に「無垢な純情、貪り尽くす」というセリフを言いながら出てきます。つまり、「貪り尽くす」容認派です。

 この理屈でいくと、破壊の絶傑であるリーシェナちゃんに対応するのは「偶像を作ってはならない」の一文。つまり、偶像崇拝の禁止です。「破壊」しているわけですから、「偶像を作ってはならない」をそのまま認めていることになります。つまり、男。リーシェナちゃんは男の娘だ!

 と、いきたいところですが問題があります。そう、リーシェナちゃんはアイドルなのです。これは何かのレトリックではなくて、キャラクターとして「アイドル」という設定が存在しているのです。ほら、マイクを持っていて、イラストもステージでのライブを意識した感じでしょう。アイドル、というのは言うまでもなく「偶像」です。そしてこのリーシェナちゃん、ゲーム中でプレイすると、次のようなセリフを言って場に登場します。

「僕を崇めて信じて祈ってよ!」

 偶像を、崇めて信じて祈る。それ、完全に偶像崇拝じゃねーですか! と、いうことはリーシェナちゃんは女の子? ですが、リーシェナちゃんは「破壊の絶傑」です。進化時に次のようなセリフも言うのです。

「壊そうよ、ボク以外の全てを!」

 ボク以外の全て(の偶像)を破壊して、アイドルの頂点に立つ。リーシェナちゃんはそういうキャラ造形なのです。とすると、偶像はちゃんと破壊しています。でも、偶像である自分を崇拝することを望む……。

 男の娘説、女の子説、どちらともに有力であり、決め手に欠ける。難しく悩んでいたとき、一つのアイディアが思い浮かびました。偶像とは神の化身です。つまり、神の姿をそのまま写したものでなくてはいけません。

©︎ウィキペディア・コモンズ

 これは、タロットの「世界」のカードです。完全な状態を意味するもので、中央に書かれた人物は、「完全な人間」であると解釈されています。難しい話は置いておくのですが、この人物の性別はなんでしょうか。この人物の性別は、両性偶有であると言われています。

 そう。リーシェナちゃんは完璧な存在なのです。だとするならば、両方ついてたって何の問題もない。すなわち、リーシェナちゃんの性別がどっちか、などという問いは何の意味もないのです。

 こう解釈すると、全ての疑問が氷解します。

「リーシェナちゃんは「ふたなり」だ!」

 と、いうわけで、表題の「結局リーシェナちゃんにナニはついているのか問題」の答えは、「ついてる」となるのではないでしょうか。Q.E.D.

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