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外資系ITエンジニアが実践する資格試験の上手な活用方法

以前の記事で、外資系IT企業においては、短期間で技術を習得しながら、アウトプットを出すことの重要さについて書きました。
今回の記事では、新しい技術を吸収し続けるために、資格試験を上手に活用してみてはいかがでしょうか、という記事を書いてみたいと思います。


外資系IT業界の資格について

外資系 IT 業界あるあるの一つが、ベンダー資格の多さです。特に、特定のIT領域において強固な地位を築いている外資系IT企業には、必ずと言っていいほど、その外資系企業独自の資格、通称「ベンダー資格」が存在します。

例えば、以下に示す、Highest-paying IT certifications などの記事を見てみると分かるのですが、高給 ≒ 市場から高く評価される資格のうち、その8割以上が Amazon や Google、Microsoft といったベンダー資格で占められていることがわかります。

https://www.techtarget.com/whatis/feature/15-highest-paying-IT-certifications

私は複数の外資系IT企業のベンダー資格を取得していますが、特に最近の取得のモチベーションとしては、「業務で必要になった」というのが大きいです。

実際、資格を取得すること自体は、社内での評価にはそれほど繋がらないケースが多いと思います。ただ、例外があるとすれば、中途採用だと思います。

外資系IT業界でのエンジニア中途採用の場面において、候補者のスキルを確認する方法の一つが、資格の有無です。
特定のベンダー資格を持っている候補者であれば、これくらいの知識・スキルがありそうだな、というのが判断できます。(実技試験が含まれる中〜高難易度の試験が主な対象) 
ただし、実際の業務経験がないにも関わらず、高難易度の資格を持っている候補者に当たるケースもあるので、要注意ではあります。

これから資格試験を目指す方も、中〜高難易度の資格があれば少しだけ中途採用の一次面接が通りやすくなるかも、くらいに捉えてもらう方がいいのかなと思います。


新しい技術を手っ取り早く学ぶための資格試験の活用のすすめ

さて、ここから本題です。
新しい技術を習得するためには、その技術を、ある程度体系的に理解する必要があります。体系的に理解していない場合、物事を点でしか理解できておらず、複数の点同士がどうつながるのか見えない状態で、いつまで経ってももやもやを感じるでしょう。

そこで、私が実践している方法の一つが、体系立てて設計してある資格試験をうまく活用するというものです。(学びたい内容に対応する資格試験が存在する場合に適用できます)
なお、プログラミング学習は含んでいません。

以前、業務で Kubernetes の知識が必要になったことがありました。同僚から Certified Kubernetes Administrator (CKA) という資格試験は Kubernetes を体系的に勉強できるのでオススメ、という話を聞きました。
実際に、CKA の資格試験の勉強を通して、効率よく Kuberenetes の学習ができましたし、この時に学んだ Kubernetes の知識は、今でも業務で役立っています。
この時にどうやって短期間で知識をものにできたのか、以下のStepで説明したいと思います。

Step全体

  1.  勉強開始前に資格試験に申し込む

  2. その資格試験用の良質な Udemy 講座を見つける

  3. Udemy のセッションを聞きながら、手書きでメモをとる

  4. そのセッション内容のハンズオンを実施する

  5. Step3 の Udemy セッションを聞き直す

  6. (できれば) 人に説明する

Step1

実はこれがこの記事で一番伝えたかった点です。
まず、勉強開始前に試験に申し込んでください。
新しいことを始めたくても、なかなか面倒で始められなかったりする人も多いのではないでしょうか。私もそんな面倒くさがりな一人です。
なので、何より先に資格試験を申し込んで、受験日を決めてしまいましょう。そうすることで、勉強せざるを得ない環境に自分を追い込むことができます。なんちゃって背水の陣ですね。

Step2

勉強に利用する教材についてですが、今は、Udemy という優れた Online 学習サイトがあります。Udemy Business を契約している企業であれば、 従業員は自腹で支払うことなく、自由に Udemy のコンテンツを利用できます。
個人で利用する場合でも Udemy のセールのタイミングを狙えば、1,500 円程度で購入できます。
私自身、CKA 資格試験専用の Udemy のコンテンツを利用していました。Udemy 自体は Global  向けのサービスであり、高評価のコンテンツは、非常に体系的にまとめられたコンテンツになっているので、おすすめです。多くのコンテンツは英語なので、やはりここでもある程度の英語力は必要です。
また、コンテンツによっては、Udemy と連携する形で、ハンズオン用のラボまで含まれているコンテンツもありますので、そういうコンテンツを利用するのがおすすめです。

Step3

Udemy の動画を順に視聴していきます。
初めて聞く内容は、一度聞いただけで全てを理解するのはなかなか難しいと思いますが、とりあえず頑張って一度は聞いてみてください。
理解できた内容を誰かに説明するようなイメージを持ってメモを取るのがおすすめです。こうすることが一種のアウトプットになります。
以前は、Laptop上でタイピングしながらメモを取っていたのですが、私の場合は、この方法では知識がなかなか定着しませんでした。そこで、紙のノートの上に、動画で説明された内容をメモしたり、図を書いたりするように変えたところ、知識がより定着するようになりました。(これは人によって違うかもしれません)

Step4

ハンズオンは、動画を聞いただけでは理解できなかったところを理解するのに非常に役立ちます。実際に手を動かして動作を確認するため、時間はかかりますが、絶対やってください。これも一種のアウトプットになります。

Step5

ハンズオンが終わったら、後日Udemy の動画をもう一度聞き直してみてください。最初に聞いた時と比べて、格段に理解力が変わったのがわかると思います。ここでもメモを取ることが大事です。

適切な Udemy のコンテンツを選んでいれば、Step1-5を繰り返すことで、その技術を体系的に理解できると思います。

Step6

そこからもう一段階レベルアップして、業務で使えるレベルになるためには、「人に説明する」ということをやってみてください。
資格試験を先に申し込むのと同じように、例えば、その技術の社内向けレクチャーの日程を先に決めてしまう、という方法を取ってもいいかもしれません。資料の準備をする中で、実は自分が理解できていなかった部分が洗い出されることになり、それらを調べて、理解していくことで、より知識を定着させることが可能となります。

まとめ

技術を習得しないとやばいという状況を、自分で意図的に作り出すこと、その方法の一つとして、資格試験を活用しよう、というお話でした。

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