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偏心を検出??

レコードの音質を決める要素には、様々なものがあります。だからカートリッジを買い替えてみたり、ターンテーブルのドライブ方式にこだわってみたり、楽しみ方も色々です。

そんな音質を決める要素の中でも、意外とみんなが気づいていないのが偏心問題。 どんなに気を付けてターンテーブルにレコードを置いても偏心は生じます。ではどうしたらいいのでしょうか?

このコンマ数ミリの差だけど大問題!に挑んだアクセサリー、レコード偏心検出スタビライザー・ES-001の記事が、JASジャーナル2023冬号に載っていますので、ご紹介します。

開発を開始するに至った背景

ターンテーブルシステム全体のワウ・フラッター(回転ムラ)を大きく悪化させている偏心の問題を誰も気にしたり、議論したりされていない状態でした。

なぜレコードの偏心に着目したのかというと、レコードの規格ではターンテーブルのスピンドルと、レコードの穴径に幅があり「すき間」が生じてしまいます。
これをワウ・フラッターの数値にすると、最も悪い条件想定時には0.15%(WTD RMS)にも達するのです。
これはターンテーブルから発生しているワウ・フラッターの、おおよそ20倍もの量になります。

つまり、レコードの置き方による偏心を取り除かない限り、回転精度の良いターンテーブルを使用しても、その効果を発揮したり、原音に忠実な再生はできないことになります。

そこでこの偏心検出スタビライザーの開発がスタートしました。

ターンテーブルシステム全体のワウ・フラッター、イメージ図

そもそもワウ・フラッターの値が高いとどのような問題が発生するのか?

ワウ・フラッターの値が高いと大きく分けて2つの問題が発生します。
一つは正しい周波数で再生されないということです。
二つめはカートリッジが大きく揺さぶられた状態でトレースを行うことにます。聴感上の音の濁りや音像の不安定さをもたらしてしまいます。

どのように偏心を検出しているのか?

このスタビライザーは赤外線LEDとPSD(位置検出素子)が搭載されており、それぞれレコードの最内周のエンドグルーブの位置変化を検出しています。
偏心がない時はスピンドルセンターから見て最内周のエンドグルーブ位置が一定となります。2つのセンサー情報を元にスピンドルセンターとのズレを計算し、スタビライザー上面の画面に表示します。
その画面を頼りにレコード盤を押すことで偏心を解消(減少)させます。

センサーと上面のディスプレイ

詳しい内容は、以下のJASジャーナルへ。

#オーディオ #audio #レコード #スタビライザー #ワウフラッター #ES-001
#DS Audio

JASジャーナル2023冬号はこちら

日本オーディオ協会

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