小林徹平

株式会社風景屋代表取締役。人、コト、モノ、場所 → 場所・地域にあった本質的な風景を|…

小林徹平

株式会社風景屋代表取締役。人、コト、モノ、場所 → 場所・地域にあった本質的な風景を|日々の暮らしから百年単位の暮らし方を模索しつつ、その土地にじっくり腰を据えて、風景づくりに取組んでいます。 http://fuukeiya.jp/

マガジン

  • 雪国の店主「碧」の物語

  • 東日本大震災の教訓と経験

    東日本の現場で考えてきたことを、まとめています。

  • yamaju

    yamajuは、青森県と秋田県にまたがる十和田湖畔の小さな集落にあるメンバー登録制のコワーキングスペース・中長期滞在者専用のゲストハウスです。週末と祝日だけ、一般のお客様もご利用いただけるカフェに変身します。 ピクニックセットとリラックスチェアをたずさえて湖の風景と空気を楽しみながらのんびりしませんか。 yamaju は、そんな人が集えるようなサービスをご用意しています。

  • 風景のメモ

    地域の魅力、風景の魅力を伝えるためのメモ

最近の記事

雪国の店主 「今年の冬は暖かい」

01| 雪国の店主 「はじまり」 02|「熊野古道編」 03| 今年は「あったかいな〜。」 そんな声が近隣の住民たちから聞こえてくる。確かに、例年であれば、冬と呼ばれるこの季節は30cmから50cmほどの雪が積もっている。数年前までこの季節は雨なんぞや降ることもなく、常に麗華の中で暮らすことになる。「今日はあったかいな」と思い、温度計をみると1℃だったりする地域である。 そんな地域の積雪が、今年は10cmにも満たない日々が続いている。年末から「そのうち雪が降るだろう

    • 少しの気遣いで風景はよくなる

      旅の記録 計画や設計を生業としている人として、素晴らしい景色と出会うと同時に、どこへ行っても哀しい気持ちになる景色も見るので、その話。 旅には記録用に常に一眼レフを持って出掛けるようになった。1週間も視察的な旅をすれば、撮る写真は1000枚くらいになる。どの地域も、どの建物も素敵な景色や工夫が広がっている。 一方で、ファインダー越しに「チラシやのぼり」がちらつくと、げんなりして、シャッターを押さなくなる。マイナスものを撮るよりも、良い景色を撮っていたい。それらが私の目に

      • 東日本大震災から11年目

        この話は、これらの話も関連しているので、気になる方は読んでいただけると嬉しいです。 2022年4月23日、24日の宮城県石巻市での時間です。プロジェクトの振り返りと新しいプロジェクトの始まりの始まりです。 約8年間、約8km区間のデザインに携わっていた旧北上川の堤防デザインの仕事が節目を迎えました。この堤防は国交省北上下流事務所および石巻市河川港湾課が主体となり、かわまちづくりを進めています。川湊の無堤だったまちに震災以後のさまざまな議論を経て、堤防をつくる決断をし、その

        • 雪国の店主 「熊野古道編」

          02| |01 目はこちら。 主人公:碧。生まれ育った景色と何より空気の美味しい十和田湖が好きで住んでいるライター。小説家。ライター仕事は旅行記のような記事を書く。妹:もみじ。 「まぶしいなぁ〜。夏みたいだ」 碧は羽田空港から飛行機に乗り、和歌山県の南紀白浜空港へ降り立っていた。2月下旬、連日の雪景色、出発間際に見た吹雪から一転して、南紀白浜は青い空と広い海、深緑ともいえる山々が眼前に広がり、体感温度も20度は違うのではないかと思うほどの暖かさだった。十和田湖でいうと

        雪国の店主 「今年の冬は暖かい」

        マガジン

        • 雪国の店主「碧」の物語
          3本
        • yamaju
          3本
        • 東日本大震災の教訓と経験
          11本
        • 風景のメモ
          16本

        記事

          ラジオ番組はじめました ・ 十和田湖にあるもの|03

          yamaju letter No.3 | 2019.12.10 トップ画:2019.12 クリスマスムードのyamaju 北奥、十和田湖畔の「yamaju」がお送りする毎月十日にお送りするメディアです。日記のような季節の様子や、お得な情報、催しの構想などをお伝えして行きます。また、広く十和田湖の様子を知ってもらいたいため、無料でnoteに公開しています。 運営 「yamaju」:https://yamaju-laketowada.jp/ 1F : コワーキングスペース(平日

          ラジオ番組はじめました ・ 十和田湖にあるもの|03

          雪国の店主

          「トトトトトトトン、トトットトン」 朝食の準備ではなさそうだ。 耳をすましてみる、、、「トントントントン」。 「あ、また来たのか」 たまにアオゲラやアカゲラなどのキツツキ科の鳥が朝の目覚めを導いてくれる。 「そろそろ起きよ〜、朝だよ〜」。 まだ起きたくないと思い、布団に潜り込む。 止まない壁をつつく音。 分かったよ、と思い、冷え切った室内に肌着姿で起き上がる。 寝るときは、極力裸に近い状態で寝たいのだ。 これ以上、建物に穴を開けられては困ると思い「ドンドンドン」と壁を叩い

          雪国の店主

          プロポーズ大作戦&冬めいてきました|02

          yamaju letter No.2| 2019.11.10 トップ画:2019.11.05 秋の終わりカヌー 北奥、十和田湖畔の「yamaju」がお送りする毎月十日にお送りするメディアです。日記のような季節の様子や、お得な情報、催しの構想などをお伝えして行きます。また、広く十和田湖の様子を知ってもらいたいため、無料でnoteに公開しています。 運営 「yamaju」:https://yamaju-laketowada.jp/ 1F : コワーキングスペース(平日)、カフェ

          プロポーズ大作戦&冬めいてきました|02

          まちの編集

          東日本大震災の被災地石巻市の旧北上川の堤防整備、約8キロのデザイン監修業務をやっています。 2019年・台風19号で、71河川128箇所で堤防決壊している。堤防建設現場をみながら感じたこと。 被災の有無に関わらず、その事業をやるべきかやらないべきか、他に投資するものがないかをしっかり考えないといけない。人が減るのだから、その分土地も余る。どこにでも住めるからこそ、どこに住むかを選ばないといけない。縦割り(国・県・市)とか横割り(省庁)とかは置いておいて、まち全体の編集が必

          まちの編集

          草木染展 & 秋めいて来ました|01

          yamaju letter No.1 | 2019.10.10 トップ画:2019.09.30 yamaju横で撮影「天の川」 北奥、十和田湖畔の「yamaju」がお送りする毎月十日にお送りするメディアです。日記のような季節の様子や、お得な情報、催しの構想などをお伝えして行きます。また、広く十和田湖の様子を知ってもらいたいため、無料でnoteに公開しています。 運営 「yamaju」:https://yamaju-laketowada.jp/ 1F : コワーキングスペース

          草木染展 & 秋めいて来ました|01

          湖畔の風景

          十和田湖を訪れる人には読んでほしい記事です。ちなみに全国的に暑いようですが、十和田湖は30度前後、朝晩は長袖が必要なくらいまで気温が落ちます。標高は400mあり、周囲も豊かな自然に囲まれているからかもしれません。青森県内のまちはしっかり暑いようなので、十和田湖は避暑地なんだと思います。 夏休みに入り、連日のように多くの人が訪れる十和田湖ですが、天気が良い日は上のような夕日を見ることが出来るのに、観光客のみなさんが殆ど見ていないという不思議な状態に直面しています。 観光地と

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          湖畔の風景

          W杯見ながら、各国の人口と密度が気になった。

          約1ヶ月にわたって繰り広げられていたW杯が終わりました。解説で、参加国の人口を度々話していたのが気になりました。日本は人口減少と言われていますが、世界的にサッカーが強い国はどういう風になっているんだろう、という疑問です。 さて、決勝トーナメントの参加16ヶ国を見てみます。(人口はこちらの数字を利用しました。参考リンク) - 人口 クロアチア、ウルグアイ、デンマークが少ないことがわかります。惜しくも準優勝だったクロアチアは人口425万人ですが、日本でいうと都道府県順位9番目

          W杯見ながら、各国の人口と密度が気になった。

          復興のなかの復興事業

          この文章は長い年月のかかる事業に向かう人たちに向けて、書いています。話のきっかけは、先日携わっていた堤防の一部が完成したためです。2018年5月に竣工したので、東日本大震災からは7年と2ヶ月ほど経過しています。 この堤防に関して四つの話題です。 ・ まとめ;基本方針は大切にしよう ・ 計画の前提としての堤防方針(基本方針) ・ 新しくつくられた堤防空間(基本計画・実施設計) ・ 土木の時間と建築の時間(雑感) ー 大切なのは基本方針 今回、出来上がった空間は官民

          復興のなかの復興事業

          問いをたてる

          クリティカルシンキングとデザインについて、色々な人の話を聞くことができたので、建築・土木の計画論として、どういうものか考えてみました。 1.アメリカの教育の1シーン 2.問いをたてる 3.話会うこと 4.ある計画での問い ー アメリカの教育、FACT or OPINION 面白いことを聞きました。アメリカの小学校3年生の授業で、論理的思考を学ぶ一環で、ある文章に対して、FACT or OPINION の FとOを入れる授業があるそうです。すごいなと思いました。一人一人の語

          問いをたてる

          トレイルランの魅力

          トレイルランの素人が、なぜトレイルランをやるのか書いていきたいと思います。きっかけは、だいたい参加後に「なにが良いの?」と聞かれるからです。先日参加した両神山麓トレイルランを通して考えていたことを書いていきます。 1.煩悩を捨てる 2.行ったことのない場所を訪れることができる 3.あるコミュニティを感じる 1.煩悩を捨てる この間参加した両神山麓は約40000歩、21kmの距離で高低差が約1500mの大会でした。一緒に参加した友人たちも含めて終わった後は、満身創痍になって

          トレイルランの魅力

          土地の風景を可視化する

          小田原にある杉本博司が構想から20年かけて開館したといわれている江乃浦測候所(以下、測候所)に行ってきました。風景と計画論的に素敵だなと思ったことを書いていきます。 訪れたことのない方はカーサブルータスの記事をご覧になって頂いてからみた方が良いかもしれません。 https://casabrutus.com/special/hiroshi-sugimoto - 目次 -土地の風景を可視化する1.周辺に広がる風景2.予約制の美術館 - イサム・ノグチ庭園美術館の回想も含め

          土地の風景を可視化する

          自転車って良いねっ。地域を楽しむツール。

          今日は自転車のツーリズムや、自転車による自然、地域との関わり方を書いていきます。文章は、自転車好きはもちろん、ロードバイク・クロスバイクに乗っている人、地域づくりや観光で自転車というツールを考えている人を意識しています。 サイクリング事業を始めたモニターとして参加して感じた記録です。モニターの主催は、そらうみサイクリングさんです。今季から、宮城県石巻市、女川町、牡鹿半島でのサイクリング事業を立ち上げようとしている団体です。メンバーは自転車店を経営されている方や、ツールド東北

          自転車って良いねっ。地域を楽しむツール。