余白・余暇空間の価値 文章を描く(6)
今日の言葉
片蔭や滅びし寺の名の町の
茶店が並び、宿屋があり、寺があり、往来する人々は一息、一休みして、これからの旅を祈念してお寺に参拝する。
古びた建物、少し曲がりのある街路、お寺、どこにも人がおらず閑散とし、哀愁が漂う。そんな夏の終わり、ジージーと蝉の声がなくもののどこか弱々しく秋に近づいてきたかなと感じるそんな日に、片蔭のつくりだす陰影がさらなる哀愁の影を町に落とす。
[片かげり 日蔭]真上から照りつけていた夏の日が、午後になって家並みや塀の片側に蔭を生むこと。