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歌詞探訪-001 春景色

1.曲情報

南野陽子「春景色」
作詞: イノ・ブランシュ、作曲: 岸正之、編曲: 萩田光雄
3枚目のシングル「悲しみモニュメント」のB面(カップリング曲)。
ウィキペディアより)

2.南野陽子への思い

 (思いとか書くと重いな・・・)
 記念すべき第1回は、一番思い入れのあった別の彼女にしようと思ったのですが、歌詞的にはちょっと弱いかな(失礼!)、ということで二番目に思い入れのあったナンノさんにしました。
 ナンノさん=スケバン刑事の構図を思い浮かべる方が多いと思いますが、私は実はスケバン刑事はあまり見ておらず、入り口は二つ。
 一つ目は、高校1年の担任がアイドル好きで、たまに南野陽子の話をしていて、同級生の間でも名前が出ることが多かったということ。二つ目は、当時何となくパソコンにも興味があって、ただ私は基本反主流派なので、当時国民機と言われたNECではないパソコンがよいなと思っていたところに、富士通がFM Townsという当時としてはちょっとぶっ飛んだデザインのPCを売り出し、その宣伝にナンノさんが起用された、ということ(Towns前から起用されてましたが、インパクトあったのはTownsだなぁ)。
 実は、当時はあまりかわいいとも思っておらず(超失礼!)、歌もうまいとも思っておらず(超超・・・!!)、だったのですが、何となくとしか言いようのない魅力だけで、下宿の部屋にポスターを貼っていました。
 ラジオ番組「南野陽子 ナンノこれしきっ!」も時々聞いてましたよ。

3.時代背景

 「A面悲しみモニュメント・B面春景色」発売は1986年ということですが、私が知ったのは90年くらい。
 レンタルCD全盛期と言ってよいと思います。CDラジカセを買って、一生懸命カセットテープにダビングしていました。レンタル店ではもういらなくなったCDが格安(シングル100円とか、アルバム300円とか)で売られており、貼られた後や貼られなかったポスターが「ご自由にお持ちください」と店先に置かれていた、そんな風景もありがちでした。
 この曲の背景となっている神戸港は、81年にポートアイランドが竣工し、ポートピア81というイベントが開催されたのを覚えています(ゴダイゴがそのための曲「ポートピア」という曲を歌っていたんですから)。並ぶように六甲アイランドも造成され、六甲ライナーが開業したのが90年ということですから、この時代、神戸港の景色もどんどん変わっていった時期ということです。

4.卒業・別れのドラマ

 四月からあなたよりひとつ 上級生になる

 このフレーズだけで一つのドラマが成り立ってしまう。これが歌の力だなと思います。
 春休みの終わりのある一日、その瞬間をワンフレーズで切り取って、大学入試で合否が分かれた男女の気持ちの違いと、まだ別れたわけではないけど、今は別れる気もないけど、浪人生と大学生で付き合っていくことが難しくなっていく今後の二人の生活を表現してしまう、スーパーフレーズだと思います。

5.独白?会話?

 嫌われても仕方ないと思ってる ばかなの

 このフレーズ、二つの読み方ができると思います。
 全て彼女の言葉で、「この人はこんなこと考えてる人なの」と誰か(誰もいなくてもよいと思いますが)に向かって元気がない理由を話している。最初はそう思っていました。
 けど、「嫌われても仕方ないと思ってる…」「ばかなの?」という会話とも捉えられると思います。そうすると、「ばかなの?」くらい言えてしまう二人の間の親密さと、だからこそこの後の別れの辛さがより重くなる、と考えられると思います。よって、私はこちらの説(そんな説あるかな…)を採用したいと思います。

6.固有名詞の力

 この曲では、「神戸線」「アイランド・キャフェ」という固有名詞が使われます。
 神戸線というと、 JR神戸線かもしれないし、阪神の場合は 阪神本線というようなので可能性は減りますが 、一応電車としては三つの可能性があります(阪神高速神戸線という可能性もある??)。しかし、この神戸線は100%阪急電車の神戸線なのです。 言い切ります。 あちこちで言われているように、ナンノさんの学校が松蔭高校(最寄り駅が王子公園駅)ということもあります。けどそれ以上に阪急神戸線の雰囲気の中こそ、この歌詞の二人には似合うのです。 当然京都線でもありえません (宝塚線ならちょっとはありえる)。
 このようにちょっとでも神戸の雰囲気を知ってる人にとっては、よりのめり込んでいける世界になっています。
 アイランド・キャフェもポートアイランドに実在するカフェでした。私も卒業前に、店があるはずの場所に行ってみましたが、その時にはもうなくなってました。一度見ておきたかったなー。
(2018.2.25追記)
 もしかして、あるはずの場所に行ってみたなんで嘘だろなんて疑われていないかと心配になってきました。つぶれた店の場所なんて分かるのか、と。あるいは、今からでも聖地巡りしたい人もいたりしますか?
 当時の地図を貼っておきましょう。これで安心してください。(結構物持ち良いのです・・・)

(参考リンク)
http://wagamamakorin.client.jp/graduation.html
http://www.nadatama.com/modules/wordpress0/index.php/archives/2007/03/02/post-13/
http://neoretro.blog96.fc2.com/blog-entry-556.html

※続きを購入する方は、序文
https://note.mu/jqinglong/n/n6dacd26be214
を読んでからお願いします。

7.最後の言葉

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