朝日杯FSへ出走数の多い厩舎(2023年版)-朝日杯FSマクロ環境 2023-

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今回は「朝日杯FSへ出走数の多い厩舎(2023年版)」です。

厩舎の最新の傾向を知るために、今年を含む直近5年での朝日杯FSへ出走数の多い厩舎を調べるものです。最新の厩舎傾向(今回で言えば2歳牡馬短距離~マイル路線に強い厩舎)を知り、次世代での出資戦略の参考になればという考え方です。
あえてですが、5年前より前データは思いきって入れないようにしています。厩舎にも浮き沈みや取引先変化(生産牧場やオーナーなど)もあるので、「今年を含む直近5年」で区切って最新の傾向を把握するという見方をしています。

仮の話ですが、牡馬高素質募集馬への出資検討をする際に、今回の「朝日杯FSへ出走数の多い厩舎」が預託予定であれば積極的に出資検討していくようなイメージで活用いただければ幸いです。(※朝日杯FSはメス馬も出走資格がありますが、現状の実態を考慮して「牡馬」という表現を用いています。ご了承ください。)

では本題に入っていきましょう。
まずは今年を含む直近5年の出走厩舎一覧です。

続いて、上記一覧を纏め、直近5年で計3頭以上出走させている厩舎のみを抽出したものが以下です。


朝日杯FSマクロ環境(1)朝日杯スプリングボード厩舎を探せ!2023年版

上記で登場している(直近5年で計3頭以上出走させている)各厩舎をオーソドックスに牡馬募集時に注目するのももちろんよいのですが、筆者は朝日杯FSというレースについて、G1未実績厩舎の飛躍のきっかけになるスプリングボードにもなりうるレースとして当記事の前年度版で紹介しています。

なぜ朝日杯FSが飛躍のきっかけになりうるレースなのかと言いますと、朝日杯FSというレースは2017年以降(ホープフルSがG1格付けになった2017年以降)、連続してフルゲートに満たない出走頭数でここまで(2023年まで)施行されてきているためです。言い換えると、(多少の条件はつくものの)朝日杯FSは出走意志があれば出走しやすいG1競走であると言えると考えています。

厩舎の成長ストーリーを追いかけるという視点で言いますと、出走枠に比較的入ることがしやすい朝日杯FSにしっかりと出走馬を送り込み、その出走経験が厩舎経験値となって、いずれ実を結ぶときがきてもおかしくないのではないかと筆者は想像しています。

この論の展開で昨年(2022年12月)の当記事で(当時G1未勝利だった)西村真幸厩舎に注目したい旨で書きましたが、その西村厩舎が今年(2023年)高松宮記念でG1初優勝を成し遂げたことは記憶に新しいところです。
正直なところ、記事にした数か月後に西村厩舎がG1を勝つ展開はデキすぎな印象もあるのも事実ではありますが、想像した展開が実際に現実化していく過程を見ることができたのは筆者にとっても大きい経験となりました。(改めて、西村真幸厩舎のみなさま、おめでとうございます。)

さて、朝日杯スプリングボード厩舎を探せ!2023年版です。
先に結論を申し上げると、今年の朝日杯スプリングボード厩舎の候補として武英智厩舎を挙げたいと思っています。

武英厩舎は上記の「直近5年で計3頭以上出走させている厩舎」には該当していないのですが、今年の朝日杯FSで2頭出し(ジューンテイク、ミルテンベルク)と積極的な出走姿勢が見えることから注目したい厩舎として挙げたいです。(G1への出走有無の決断は、オーナーや生産者など関係者からの要望などもあると思いますが、出走することが厩舎経験値になることは間違いないところだと思うので積極的な出走姿勢が見える武英厩舎を次なる朝日杯スプリングボード厩舎の候補として注目したいと考えています。)

その武英厩舎の平地G1出走歴が以下です。

武英厩舎の平地G1全出走歴(開業~当記事作成時点まで)
2018年 朝日杯FS(12人気9着イッツクール)
2020年 阪神JF(3人気4着メイケイエール)
2021年 桜花賞(3人気18着メイケイエール)
2021年 スプリンターズS(7人気4着メイケイエール)
2021年 ホープフルS(13人気8着シェルビーズアイ)
2022年 高松宮記念(2人気5着メイケイエール)
2022年 桜花賞(18人気12着カフジテトラゴン)
2022年 スプリンターズS(1人気14着メイケイエール)
2022年 菊花賞(18人気10着シェルビーズアイ)
2023年 高松宮記念(1人気12着メイケイエール)
2023年 安田記念(12人気15着メイケイエール)
2023年 スプリンターズS(5人気5着メイケイエール)
2023年 阪神JF(16人気17着ニュージェネラル)
2023年 朝日杯FS(?人気?着ジューンテイク、?人気?着ミルテンベルク)

上記のとおりで、ここまでの武英厩舎からの平地G1出走はメイケイエールを中心としたメス馬が多く、牡馬での平地G1出走は※印をつけた4レースのみとなっています。
それだけに、今回のように出走意志があれば出走しやすい牡馬G1にしっかり出走して経験値を積み重ねることは価値があるのではないかと思います。もちろん、今回出走のジューンテイク、ミルテンベルクの2頭も、出走するからには上位進出を狙っているでしょうし、どのようなパフォーマンスになるか注目です。

ちなみに、※印を付けた牡馬G1出走の4回中3回はフルゲート割れのレースです。(該当するのは、2018年朝日杯FS、2021年ホープフルS、2023年朝日杯FSです。)
このあたりにも、出走意志があれば出走しやすい牡馬G1に積極的に出走する武英厩舎の姿勢が見え、注目すべきと思っています。

朝日杯FSマクロ環境(2)関東(美浦)厩舎の動向に注目

ここからは少しマクロの話で、関東(美浦)・関西(栗東)の話題です。
再度、(朝日杯FS)直近5年で計3頭以上出走させている厩舎のみを抽出したものを掲載します。

ご覧いただいてわかるとおりで関西(栗東)厩舎が占める結果となっています。
このため、この結果から「出資馬で朝日杯FSを目指すなら関西(栗東)厩舎」となりそうなのですが、足下での関東(美浦)厩舎の増加傾向に筆者は注目したいと考えています。

実は、関東(美浦)厩舎からの朝日杯FSへの出走頭数は足下で増加傾向にあります。

朝日杯FS 関東(美浦)からの出走頭数
2019年(2頭)
2020年(2頭)
2021年(4頭)
2022年(6頭)
2023年(5頭)

↓赤字が関東(美浦)

現時点では、マクロ的に足下での関東(美浦)厩舎からの出走頭数が増加傾向にあるというところまでで、個別でどの厩舎が狙い目になるのかまでは傾向が見えないです。ただ、筆者の感覚的なものではありますが、マクロ的な潮流が変わりつつあるように感じています。
このような状況下にあることから「出資馬で朝日杯FSを目指すなら関西(栗東)厩舎」というふうに決めつけることはせず、関東(美浦)厩舎の動向もしっかり見て、最新の状況も加味したうえで出資検討していく必要があると思っています。

さらに言いますと、関東(美浦)厩舎からの出走頭数が維持・向上できるかの鍵は、来年(2024年)以降の朝日杯FSへの出走頭数に懸かっていると筆者は見ています。
というのも、「直近5年で計3頭以上出走させている厩舎」に入っている、朝日杯FSへの出走を得意としてきた安田隆行厩舎が引退・解散となるためです。別な言い方をすれば、2024年開催(2022年産での朝日杯FS)からは安田隆厩舎が握っていたパイ(出走枠)が市場に開放されることになります。この市場に開放されるパイを掴み取る厩舎がどこになりそうなのか?美浦なのか栗東なのか?特に関東(美浦)にとっては、足下での増加傾向の流れもありますし、この流れを維持・向上するチャンスに2024年朝日杯FSはなると思います。このあたりも考えつつ朝日杯FSを線で見ていくのも面白いと思います。

今回はここまでです。最後まで読んでくださりありがとうございました!
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