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「誰に」「なにを」「どうやって」伝える?

 社会において必須のスキル,プレゼンに必要な技法について,「伝える技法」「ストーリーの作り方」「説明の仕方」「プレゼンテクニック」を穴埋めドリル形式で段階的に学べる,子どもに向けた初のプレゼンテーションワークブックです。

プレゼンドリル 伝えかた・話しかた
西脇資哲 著
翔泳社

伝え方の大事さ

 ひとの考えは見えません。そのため,私たちは言葉で相手になにかを伝えたいと願います。しかし,伝え方・話し方で,あなたにとって大事なことが,相手に伝わらないことがあります。伝えたいという情熱はとても大事ですが,その情熱を支える「伝え方・話し方」が重要なのです。

ドリルの特徴

 ドリルはお手本が示されたあとに,お手本にしたがって問題を穴埋めしていきます。いずれの場合も絵が示されており,この「絵」をもとに,どのように伝え,話すのかを考える形式です。

 お手本で,日本地図をもとにアナウンサーが,誰に?なにを?どうやって?伝えるのかを考えます。

 つぎに,お巡りさんと地図をもつおばあさんの絵で,誰に?なにを?どうやって?伝えるのかを考えます。ここで大事なことは,答えはひとつではないことです。誰に?は「お巡りさんに」「おばあさんに」どちらでも構いません。地図を見て,どこに行きたいのでしょうか?そういったことを想像して「伝える」「話し方」を鍛えます(両図は,プレゼンドリル「ドリルの使い方」より引用)。

「誰に」「なにを」「どうやって」伝える?

 本書のテーマは,この3つの単語に集約されます。いずれの章も,穴埋めドリル式になっているので,やるべきことが明確です。小学校高学年向き(親子で取り組めば小学校低学年から使える)とされていますが,中学校や高等学校でも十分に活用可能です。
 どうしても書くべきことが思いつかない場合は,巻末に解答例がありますので参考になります。もちろん,解答例は例であって「正解」があるわけではありません。自分自身で考えることがもっとも重要です。

第1章,伝える方法を学ぼうでは,「絵」を見て伝えたいことを考えます。
第2章,シナリオをつくるでは,起承転結で話の構成を学び,プレゼンの基本,トップヘビーに話題を並べる練習をします。
第3章,スライドを説明するトレーニングでは,細かく説明するスライド,短いメッセージで切り替わるスライド,普通のスライド,3つのスライドパターンを学び,もう一度「絵」を使って話し方を練習します。
第4章,かっこよく話す基本テクニックと裏技では,事実に自分の意見を加える方法,話題と話題をつなぐ方法を練習します。
第5章,実践!プレゼンテーションの手引きでは,これまで学んだことを活かして,わたしの宝物などをプレゼンテーションする方法を考えます。

プレゼン技能は必須のスキル

 ”人にきちんと「伝える」ことは,とても大切なことです。私は今もプレゼン(伝える)技術を学んでいます。” 山中伸弥教授 京都大学iPS細胞研究所所長

 帯の山中先生の推薦文をご紹介しました。私たちの考えや心は目に見えません。だからこそ,他人が「わかってくれる」と期待するのではなく,「わかってもらえる」よう努力しなければならないのです。私とあなたは違います。しかし,違うからこそ話し合い,伝えることで新しい考えを生み出すことができます。

あなたは,みんなになにを伝えたいと願いますか?


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推薦図書

いつもより,少しだけ科学について考えて『白衣=科学』のステレオタイプを変えましょう。科学はあなたの身近にありますよ。 本サイトは,愛媛大学教育学部理科教育専攻の大橋淳史が運営者として,科学教育などについての話題を提供します。博士(理学)/准教授/科学教育