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『最長片道切符の旅』を旅する day23 たもかくを訪ねる

『最長片道切符の旅』23日目は高崎から新潟県に入り只見線只見まで行く。高崎までは新幹線で、そこから上越線只見線を辿る。まだひたすら北上する。南の鹿児島まで辿り着けるのだろうか。久しぶりに只見の本の街「たもかく」(只見木材加工協同組合)を訪ねる。

高崎から只見へ

[東京0920(新幹線)1010] 高崎 1023(上越線)1126 水上 1131 1301 小出 1317(只見線)1436 只見

高崎駅まで新幹線で戻る。高崎の一駅手前、倉賀野まで行ったのがday18、もう五日も前のことだ。五日間かかって一駅先まで帰ってきた。

薬膳竹かごめし

高崎駅で駅弁「薬膳竹かごめし」を購入。上越線の車内はサークルの学生で修学旅行列車状態。大勢でUNOをやっているのも今時の学生か。

(Mister0124)

湯桧曽駅下り地下ホーム。「うわー、トンネルの中の駅なんてかわいー」。ばかもん、地下の駅なんかここらでは当たり前だ、これは下りホームだけだと私が威張ってみてもしょうがないか。

上越線ループ(土木学会)

列車はゆっくりとループを描いて新清水トンネルに入り土合駅へ登って行く。土合の下り地下ホームと地上の改札口は81mの高低差がある。

新清水トンネルは上越線の複線化に当たって掘られた下り線専用で、上り線専用の旧清水トンネルより深いところを通っている。したがって下り列車で土合に下車した客は,地上の改札口に達するまでに486段の階段を昇らなければならない。28階建てぐらいのビルの屋上へ歩いて上るのと同じ計算になる。

(新潮文庫)
土合駅の階段(Mister0124)

こんな駅で降りる人がいるのかと、動き出した電車の窓から注意していると、階段をゆっくり上って行く母子連れの姿がちらっと見えた。

(新潮文庫)

注意してみていると、ハイヒールのワンピース姿の女性が見える。あれでこの階段を昇っていくのだろうか。

谷川岳の下をくぐった新清水トンネルは土樽で越後に抜ける。雲が流れて爽やかだ。女子が歌を歌い始める。「うわー、雪だ。雪が残ってる」

越後湯沢では線路脇の小学校で運動会をやっている。校庭に万国旗を巡らせている。日本の原風景だな。

小出駅只見線ホーム(Mister0124)

小出只見線に乗り換える。小出から只見へ行く列車は朝、昼、晩の三本しかない。東京を出る新幹線はこの昼の列車に合わせたのだ。

只見線

只見線はひたすら只見川のダムに沿って走る。ここは雪深い所なので防雪柵や防雪トンネルが連続する。途中、6kmの長い六十里越トンネルを抜けると会津に入る。

只見線

只見駅で途中下車。今日はここで泊まる。只見には「たもかく」という、本と森の交換をやっている会社がある。元々は「只見木材加工組合」でそれで「たもかく」という。ここは仕事で知った。

たもかく

ここでは本やCDを定価の10%で評価、評価額700円につき只見の森1坪 と交換してもらえる。私も十数箱の本を送って森と交換してもらった。たもかくの株主でもある。

集めた本は現在150万冊(一時は200万冊あった)、敷地内にある6棟の倉庫や店舗に集まった本をずらっと並べている。壮観だ。日本一の古本屋と言ってもいいだろう。古書店が新店舗を開設する時にはトラックで買い付けに来るという。現在はamazonなどのネット販売に力を入れている。

吉津さん (michino.jp)

只見の「温泉 湯ら里」で久しぶりに吉津さんに会う。たもかくの社長で、田舎本の著者である。

今でも蕎麦が苦手だという。「昔は米が取れなかったので食事は三食蕎麦ばかりだった。冬の間は蕎麦掻きだった。鉄鍋で煮て、南蛮醤油(唐辛子醤油)を掛けて食べた。堅くなったのを囲炉裏で炙って夜も食べた。だから今でも蕎麦は苦手なんだ。」

「湯ら里」レストランの女の子の話「只見高校を出てただ一人、湯ら里に採用になった。クラスで地元に就職したのは、JA、郵便局、信金に6人だけ」只見の最大雇用産業は年間30億の年金である。公共事業の人件費7億を上回るという。

只見荘

今日は駅前の只見荘に泊まる。



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