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『最長片道切符の旅』を旅する day28 「5963」(ごくろうさん)

さて、本日は和歌山から大阪をぐるっと巡って草津まで。乗車距離は298km。通過するのは和歌山、奈良、大阪、三重、滋賀の五県。

和歌山市 0634(紀伊本線)0640 和歌山 0649(和歌山線)0904 高田 0925(桜井線)1007 奈良 1020(関西本線)1106 天王寺 (大阪環状線)1110 京橋 1152(片町線)1251 木津 1302(関西本線)1308 加茂 1311(関西本線)1406 柘植 1427(草津線)1512 草津

和歌山ー奈良ー大阪ー草津(鉄レコ)

和歌山始発、ここから奈良までずっとロングシートだった。ロングシートはいやだなあ。できればボックスシートをお願いしたい。

奈良から大阪までは「大和路快速」。一度普通列車に乗ったところは快速や特急で飛ばせるのでありがたい。とちゅう「京終」(きょうばて)、「帯解」(おびとけ)と難読駅が続く。「きょうばて」はすごいなあ。しかし「万葉まほろば線」は恥ずかしい。「桜井線」でいいと思うがなあ。

京橋は大阪城のすぐそばなので、天王寺からは内回りのほうがずっと近く、6.5キロ、13分であるが、私はもちろん外回りに乗り、大阪市街の南西北をぐるりと回って15.2キロ、26分かかって行く。

(新潮文庫)

大阪環状線では前から気になっていた「ルーフアート」を探す。「ルーフアート」とはアーティストの依田卓也がやっている環状線沿いの民家の屋根に数字や文字などを書き付けるアートだ。「なんやこれ」というTwitterがあって気になっていたのだ。

大正の先で「5963」(ごくろうさん)を発見。その他「0219」「8021」も確認した。数字は各屋根の住人のパスワード、キーワードだそうです。いいなあ、これ。

(今は解体されてしまった)

さて、京橋で下車。駅前の「串揚げ」と「どて焼き」でビール。

京橋から二つ目に「放出」という駅がある。私などの世代はこの文字を見ると敗戦時の占領軍放出物資を思い出すが、これはハナテンと訓(よ)む。大阪の人なら誰でも知っている町工場の密集地である。

(新潮文庫)

片町線に乗る。ここは全線電化、高架。学研都市線というだけあって休日なのに同志社の生徒が大勢乗っている。京橋から長尾までは快速、その先木津までは各駅となる。

片町線の近代化も遅れていて、片町から四條畷までが複線電化、長尾までが単線電化、そこから先は未電化で、通して乗る客は長尾で電車からディーゼルカーに乗換えなければならない。

(新潮文庫)
キハ120(wiki)

加茂からはまた関西本線だがここからは非電化で「ディーゼル・二輌編成・ドアは折りたたみ式(バスと同じ)」とそれまでの路線からはがくっと格が下がる。ここから亀山、名古屋までは近鉄名古屋線、名阪高速に抑えられてさびれてしまっているのだ。

島ヶ原駅(wiki)

途中の島ヶ原駅は瓦葺きできれいな駅だった。車窓から見える町並みも瓦屋根がきれいだ。

柘植から草津線伊賀上野駅では遠くに城が見えた。芭蕉が若き日に仕えていた城だ。ここは降りてみたい。みたいが、今日は「乗り鉄」モードなのでそうはいかない。今度「俳人」モードでまた来てみたい。

草津線の運転士は女性だった。30年前の先生の頃にはなかったことだ。時代ですなあ。

名神高速道路と新幹線の下をくぐり、草津で東海道本線に合流する。雲が切れ、薄日がさしてきた。琵琶湖の方向に見事な虹がかかっている。

(新潮文庫)








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