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【歩き遍路】傾向と対策 [巡拝] お遍路三点セット

出立の時、75番善通寺の売店で巡拝に必要なものを取りそろえてもらった。そのとき買った遍路用品がこれ。全部で7500円ほど。事前に買っておいた白衣と合わせると約1万円である。

・金剛杖
・菅笠
・経本
・納経帳
・納め札
・白衣


この内、金剛杖、菅笠、白衣はお遍路三点セットである。これらを身につけていると身が引き締まる。自分でも「ああ、お遍路になったなあ」と思う。

お遍路になる

もうひとつ、お遍路三点セットを身につけると人は誰でもただの「お遍路」になる。地位、身分、老若男女、日本の人も外国の人も、ただ単なる一人の「お遍路」になる。そこがこのセットのすばらしいところだ。

これらを身につけていると外に対しても「私はお遍路ですよ」という明確なサインとなる。

遍路道周辺の地元の人たちにとって、遍路という旅人は元々正体の知れない人たちである。昔の遍路は、郷里を追われ罪から逃れ死に場所を求めてやって来た人たちも多かったという。

なので、しっかりお遍路三点セットを身につけるだけで「私は真っ当なお遍路です」と宣言しているようなものなのだ。そういう遍路に対して地元の人は「お接待」や「善根」という功徳を施してくれるのだ。

福岡のNさんはその三点セットを全く身につけていなくてしかもウォーキングポール2本持ちだったから「お接待がないんだよ(笑)」と言っていた。見かけはその辺のハイカーと同じだからそれはそれでしょうがないのかな。

しかし、自分が「お遍路」であることをどこかで明らかにしておくのは、地元の人のためだけではなくて、自分のためにも必要なのではないかと思う。この三点セットを身につけるだけで気が引き締まったように感じるのだ。

ただこの三点セット、あせって最初から全部そろえる必要はないと思った。その内どれか一つでもいいだろうし、歩いている途中、一つ二つと買い求めてもいいのではないかと思う。それでもまったく差し支えないし、最後まで必要でなければそれでいいのだ。

第一番札所で「お遍路セット」を全部揃えるのはやめた方がいいだろう。ここは他の札所、販売所に較べて値段が高い、また品物の質もよくないようだ。歩き遍路Nさんがここで買った「さんや袋」は高知県を出たところでぼろぼろになってしまったという。

道中、遍路用品を扱っているお寺や門前店は多かった。必要になったとき、ふと目にとまったときに買っても遅くないと思う。第十番切幡寺門前の遍路用品店(淺野総本店)の評判が良かった。ここまで待ってもいいのではないか。

まずは「納経帳」だけから始めるお遍路があってもいいのではないだろうか。

私は、白衣は暑くて着なかったし、菅笠は耳元でがさがさいうのと蒸れるのでかぶらなかったし、お杖も次回は持って行かないだろうと思う。

御杖と菅笠

ただ、菅笠は雨の日はパーフェクトに便利だったのと、「私はお遍路」を表すためにザックの後ろにくくりつけておいた。
これが私の「お遍路サイン」である。


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