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【歩き遍路】傾向と対策 [準備] 『中高年のための四国八十八ヶ所歩き遍路50日モデルプラン』

竹本修 『中高年のための四国八十八ヶ所歩き遍路50日モデルプラン』 幻冬舎

歩き遍路に必要な情報を分かりやすく的確に編集したモデルプラン。この本のコピーを持って歩いている人が多かった。毎晩、次の日の行程を計画するのに欠かせない書だ。

歩き遍路50日モデルプラン

特徴
・一日ごとの行程表。歩きは概ね20km前後
 (行程は14kmから33km、平均22.6km)
・行程表の距離歩行時間を明示
・平坦な道、坂や難所をグラフで表示
難易度を表示。A普通、Bちょっと苦しい、Cかなり苦しい
・区間地図(北が上)、同一縮尺
別格20寺もルートに含む

次の札所まで何kmで難所があるのか無いのか、宿はどこで取ればいいのか、ルート上のクリティカルポイントはどこか(必ず泊まらなくてはならない宿)、などの情報が一目で分かる。「遍路地図」では分かりにくいルートの俯瞰が出来るのがよい。

一日の行程 見開き

初めてのお遍路では、自分がどれだけ歩けるのか、どこらあたりで泊まればいいのかが分からない。そのため、この「50日プラン」は心強い味方となる。まずはこのプラン通りに歩いてみる。そしてそこからその後取るべき自分の行程、対策、目標を定めていく。その際もこの行程プランが役に立った。

編集に癖があるへんろ道保存協会地図(遍路地図)では全体、前後のルートを把握しにくい。この書には、ルート全体の概要をつかむ、一日の行程、距離をつかむ、その日泊まる宿の当たりを付けるという、要するに計画を立てる上で欠かせない情報がすべて盛り込まれている。編集も分かりやすい。

またここで紹介されているへんろ道は概ね一般的でよく使われているおすすめルートなので、とりあえず初心者には安心して計画が立てられる。鉄道関係の表示もはっきりしているので、ここまで歩けば鉄道が使えるといったことも把握出来るのもよかった。

また宿に関してもはっきりとした宿名の表記はないものの、宿泊地の住所、また地図上での位置で大体評判のよい宿が特定できるのもありがたかった。

ただし、実際に歩いてみると1日20km以下というのはいかにも短い。15kmぐらいだと午前中に終わってしまうこともあった。そういう時は次の日の予定まで歩いてしまう。午前中に今夜の宿をキャンセルしてもう少し遠くの宿を取る、ということが何回かあった。一日の距離が多少長くて目的地まで辿り着けないときは、行けるところまで行ってそこからバスや鉄道を使うこともあった。

この本の欠点
・本が大きくて(B5)持ち運びに不便
・印刷用紙が厚くて重い
・見開きの編集(B4)右ページ上の寺の写真は不要
・88番大窪寺から1番霊山寺のルートがない

とにかく大きくて重いため、歩き遍路に持って行くことは実際的ではない。スキャンしてPDFでEvernoteに入れようかと思ったのだが、自宅のスキャナーではB4のスキャンが出来ず断念。しかたがないのでB4をA4に縮小、白黒でコピーして必要なページだけ持参した。Kindle版が出たので、コピーの心配は無くなったが、実際にはコピーを並べた方が計画を立てやすい。

コピーするとき、1日目の裏に2日目とすると使いにくいので、1日目から10日目まで連続してコピー、その裏に11日目から20目までをコピーした方が使い勝手がいい。計画を立てるとき、前後の地図を並べて考えるとやりやすい。
1日目と2日目が裏表だといちいちひっくり返さなくてはならないので使いにくい。ただ裏表コピーだと使ってしまった地図をどんどん捨てられるのだが、通しコピーだとそれが出来ないのがつらいところだ。

余談だが、行く前に遍路ルート入り2万5千分の一の国土地理院地図をダウンロード印刷して持って行った。しかしコピーが重いしかさばるし使い勝手が悪いので早々に送り返してしまった。だが、その地図の裏にこの「50日プラン」をコピーしてあったのだ。これがないとその後の計画が非常にやりにくくなる。そこで徳島市に着いてから市立図書館(駅前のそごうの上にある)で同書をあらためてコピーし直した(笑)
徳島市立図書館は土地柄だけあって「お遍路コーナー」があり、遍路関係の本はほぼすべて揃っている。図書館は徳島駅前アミコビル5,6階。

2万5千分の一の国土地理院地図はネットで見ることが出来るのでコピーする必要は無い。しかも、iOSの「Geographica」を使えば歩きながら地図と遍路道を確認出来る。(ただし、歩き出す前に地図をダウンロードしておく必要がある)

竹本修『中高年のための四国八十八ヶ所歩き遍路50日モデルプラン』幻冬舎

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