ドバイ日記2018

2018年1月23日から27日までのドバイ滞在記。
アラブ首長国連邦(UAE;United Arab Emirates)は首都がアブダビ、最大都市がドバイだそうです(Wikipediaより)。そんなドバイにマラソンの見物と観光をしに行ってまいりましたので、日記を少々。

23日の深夜というか24日の0時台のエミレーツ航空にてフライト。
時間にして12時間ほどでの直行便。行きは東から西へと向かうので偏西風の影響でやや時間が掛かります。帰りは9時間。中国上空などでのSNS利用ができませんというアナウンスはありましたが、機内のwifiは20MBまで無料(2時間制限)があり、1000円ほど出せば快適なネット生活が出来ます。ただ、現地には朝の8時頃には着くので適度に睡眠。時差は5時間。

ドバイの入国審査では日本語で元気に挨拶をして頂きました。日本語を勉強されている人が多いな、という感じは滞在中にしました。観光客が多いんですかね。特に何も聞かれずにスルーっと入国。現地の気温に関しては1月でしたので15~25℃程度、早朝の日が沈んでいる時間は肌寒さを感じる気候です。昼間も乾燥しているので、気温の割にはそんなに暑くないと思われます。移動はメトロやタクシーを主に使いましたので、外を歩く時間もそんなに長くなかったですが、真夏は耐えがたい暑さとのことです。メトロに関しては一日券を買うと悩みもないですが、安いチケットにすると、ゾーンの料金や残高を考えることになり、??となりますね。慣れれば簡単なのでしょうが、短い滞在では微妙です。タクシーは日本に比べて圧倒的に安いので、活用しやすいですね。

そんな暑い国ですが、MOE(モールオブエミレーツ)には室内スキー場が。ちなみにMOEから空港の第3ターミナル(エミレーツ航空)までは70~80ディルハムと言われました。その通りの金額でした。

-3℃という表示ですが、中に入っていませんのでガラス越しのため、そこまでの寒さは感じません。当然ですね。

ドバイモールにはスケートリンクが。暑い国なのでこうした体験をするのはお金がかかるんでしょうなぁ、と思いましたが値段を確認しておりません。

スケートリンクの入り口でアイスクリームを売るっていう発想。まぁ室内ですのでどこにあろうと問題は無いんでしょうけど。

何やら大きな水槽もありまして、魚がたくさん泳いでおりました。

外に出ると見えるブルジュハリファですが、写真にするとサイズ感が分かりませんね。現地に行って見ていただくのが良いと思います。

本屋で売れ筋の本を見ますと、どこの国に行っても体重を減らしたい、美しくなりたいというのは共通なんだな、と思うラインナップでした。

MOEにあったフードコートのお店、UMAMIさん。色合い的に日本のあのお店を髣髴とさせます。

スシ、ラーメン、丼、弁当。

丼ってありましたので、チェックしてみました。YOSHIってなんですかねぇ。

DAISOっていうお店もありまして、日本円でいうと200円ショップですかね。そこそこ大きなサイズのクッションが売っていました。お土産として買いたいけれども、スーツケースに入れるととても邪魔なので諦めました。

観光日記パート終わり。

メインの目的であるドバイマラソンの話を少々。

テクニカルミーティングは本部となるThe Westin Dubai Al Habtoor Cityにて。ドバイモールからはタクシーで30分を見ておけば確実ですかね。朝夕の通勤ラッシュでは大渋滞しますので。何もなければ10分あれば余裕かと思われます。前年のペースの反省などから始まり、コースの変更やらペースメーカーの紹介などをしていく中で、エージェントの人たちが積極的に声を出していたのは賞金額が大きいからでしょうか。質問をして細かい所をチェックしておき、選手に不利が無いようにしていくのは大事な仕事です。コーチよりもしっかりと確認していたと思います。

スタート前の混乱はそれなりにありましたが、まぁ海外レースなんてこんなもんですよね。関係者ですら入れないゾーンが登場してしまうのは、伝達不足ということで。まぁこの辺りも英語が出来れば交渉して入れてもらえるはず、と思いきや...ませんでした。大会スタッフの人に見つけてもらい会場入り。アップなどを眺めつつ、6時スタートで5時15分くらいにスタート地点に到着、20~40分まで動いて~50分までトイレに行くなど準備をして、少し離れたスタート地点へ移動。事前のコールなど無いから時間をしっかり確認して、とテクニカルミーティングで言われましたが、トイレの数が少ない(詰まって流れない)などもありまして、慌てる場面も。霧が立ち込めるような感じで少しの肌寒さもありまして、環境としては最高だったと思います。レースタイムも納得のベストコンディションです。外国の選手が何をしているのか眺めていましたが、基本的には動いて確認して、水分を補給して身体にクリームを塗ってと、特にこれといっての違いはありません。日本人と違う点は、40分前でも少し早いかな、と言っている所ですかね。基本的にはそんなに動かないでも大丈夫、という感じですから。念入りにアップをしたい日本人には不向きな大会とも言えますかね。スタートを見送ってからはこれまたパスでは入れないと言われたりする問題発生。大会主催者の人も弾かれるという笑える事態。誰なら入れるのだろう、という感じのことは何度か起こりましたが、アラビアの人とイメージして浮かぶ、白い服を着た偉そうな人に一緒についていって、無事に戻れる・入れるという具合でした。困ってんのか?付いてこい。これで入れましたが、あの顔パスの人は誰だったのやら。不明です。メディアルームで世界に向けて配信している動画を眺めつつ、周りにいるエージェントやコーチの話に耳を傾けつつ、へぇ、ほぉう、なるほど、といった感じで楽しい話を多々聞けました。やはりこういうのは現地に行ってみないと拾えない話ですね。目の前に座っていた太っちょのオジサン、名前は聞いたことのあるエージェントでしたし。ゴール前では最高のガッツポーズとジャンプを見せていましたが、その身体でそこまで動けるのか、と。やはり賞金2000万円は大きいですね。レースの途中で太陽が昇ってきましたが、そこまで暑くなることもなく終了。優勝した選手が日本人のあの選手に似てるなぁ、と思いつつ、夜の食事会場で話をして写真を見せたら笑っていましたが、本当の兄弟が日本の実業団に、とのこと。これはなんとかこのルートを開拓して、エチオピアへの旅を実現したい、と思いました。トレーニング環境などについても話を聞いておけばよかったな、と思ったのは後々になってからですが、まぁ興味深い話をたくさん聞けましたし、日本人もこういうのをやった方が、というコメントも頂きました。

そんなこんやで思った点のいくつか。
・海外に行けば強くなるということはない
 この点に関しては最近、とても思います。外国の情報が手軽に入手できるようになった昨今、外国の指導者の話や練習環境の良さが言われるようになりましたが、では日本の環境を最大限に活用しているのか?最高のトレーニングを日本で出来るように工夫しているのか?と言われると、そんなことは無いのでは、と思います。お金が無いから国内でしか練習が出来ないという人も多いわけですし、もっと工夫をして練習をしたら、それなりに日本人も対抗できるような練習は日本国内でやれると思います。そのためにも運動生理学やバイオメカニクスを学ばれては、と思う所です。ケニアはケニアの環境だからその練習をやっている、という事実を忘れて、ケニアが最高の練習をしているといった勘違いをしてしまっている人が多いよな、というのが私が昨今思っていることです。実際、高地じゃなくても良いのでは、と思っている人はそれなりに多いですので。
・シューズやら食事やら、過去の成功例にとらわれすぎ
 これに関しても、日本人は成功した例はその人に最高のものだったからであり、違うプロセスを歩んでいる人間には100%応用が利くわけではない、という点を忘れすぎているかと思います。底の薄い靴で成功した選手がいるため、底の薄い靴が主流になってきましたが、実際にちゃんと研究してデータを取ってみたら、ケガやフォームの観点からするとそうじゃない方が良さそう、という流れになっているわけです。シューズの歴史の話も聞いてきましたが、この点に関しては国内の某メーカーの担当の人からも聞いた話と噛み合いました。やはり、成功した一つだけのサンプルを全てに応用しようとしてきたのにミスがあると思います。自分の感覚とタイムを信じて、ベストなチョイスをしていくのが良いと思います。これがこういう理由でおすすめ出来る、ということは科学的なデータからは言えますけれども。
・自腹で海外遠征をしよう
 今回の旅でもっとも詳しく知れたのは大会の賞金やら招待選手のアレコレです。実業団の選手ではそれなりに縛りがあって遠征は厳しいかもしれませんが、それなりのタイムを出せるようになれば、海外に積極的に遠征することで賞金やら出走手当やらが貰えますよ、と。大会主催者の人と話をしていて、他の大会ではこう、この大会ではこう、といったことを細かく聞けましたが、タイムを出してエージェントを付けておけば、普段の給料にプラスして稼げる、と。ドバイに関しては今後、アフリカ勢を減らしていく方向になるみたいですし、オリンピックに出るのは無理かもしれないけど、2時間10分を安定して切れるという実力の選手であれば、とても重宝されますし。アジアでの入賞なども力を持ちますし、世界を知るためにも自腹で積極的に海外レースに出るのは楽しくて良いかな、と思います。人脈が広がると、どうにかして捻じ込んでもらったりすることも出来るみたいですし、そのためにも世界へ。世界のトップと戦って勝つことだけが全てでは無いですので。アジアならば同じ程度の力の選手と競い合える大会なんかも現状では多いと思います。

そんなわけで、今回の旅で思ったこととしては、日本でのトレーニングを最大化する方法をもっと考えてから海外に行った方が安く済むし、より効果的だと思いますよ、ということですね。憧れていくのは良いと思いますが、何度も行かないと、長期で滞在しないと強くなれないというのは、あまり一般の人にとっては現実的ではありませんので。ではどうしたら最大化できるのか、と。そろそろ指導体制を復活させて、こういうのが現状の科学的をベースにして世界でやられているトレーニングですよ、というのを提供していきたいな、と思います。難しいことは多分無いです。ただ、スピードだ持久力だと変な思い込みが強くなりすぎて、様々なことを見失っているだけでしょう。シンプルにやるべきことをやる。合理的・効果の最大化のために科学的な根拠を世界の有名な指導者は用いています。環境が違うので少し変化はさせますが、どうしたら強くなれるかを理解できれば、日本人も国内環境でもっと強くなれるはず、というのを痛感する遠征でした。

まぁでも、最後はケニアやエチオピアの高地が理想的なんでしょうけど、ね。

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