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「イクサラン:失われし洞窟」プレビュー雑感

「この宝は一筋縄ではいかない!/Treasure Bites Back!」

再び訪れるイクサラン……しかしその地下には未知の空間が存在していた。
探検隊を結成し、地底世界に眠る宝を誰よりも先に見つけ出せ!
最新エキスパンション「イクサラン:失われし洞窟」は11/17(金)発売!MTGA/MOは11/14先行リリース!

はいどうもご無沙汰です。
いつもの販促、いつもの雑感です。トップ画は画像生成AIに「イクサラン」って打ち込んだらでてきたやつです。

イクサラン久しぶりですね、なぜか一番ドラフトしたパックなので感慨深いです。

今回はレアにファクトが多いこともあって割と新しいデッキを考えたくなるラインナップになっているのでワイ将もウキウキを禁じえません。何か新しいアーキタイプが生まれうるきっかけになって環境変化の一助となることをお祈り申し上げます(?)

いつも通りにレア・神話レア中心に、スタンダード目線で全体をなでる程度の浅さからざっくばらんにギュインギュインのズドドドド。

僕のカードパワー見極め力については過去記事をご参照ください。

ほな以下本題。



・《最深の起源、オヘル・タク》/《文明の神殿》

3倍だよ3倍

イクサランの神。MTGの神といえば不死性を表現した能力が特徴なことが多いですが、今回のサイクルは死亡すると土地になります。これがサイクル全体における特徴なので先に言及しておきますが、今回の神々はあんまり強いとは思えないです。確定除去や追放除去が非常に多いスタンダード環境なのは勿論、土地になっても再度変身して生物化するまでのタイムラグが非常に長いないし単純に条件が重いので土地になるメリットに換算しにくいのが要因です。

これを踏まえて改めて白の神を見ますと6マナとまず素が重く、トークン3倍を活かすには事前にトークン生成装置を置いておく必要性が高く土地含めたカードの要求枚数が多すぎます。再変身条件も3体アタックと厳しめ。総じて重すぎる割に即効性がなく、かつオーバーキルな印象。


・《アブエロの覚醒》

略し方がどうあがいても中学生男子的になってしまうな

置物を生物化して釣り上げるリアニメイトスペル。実は地味にエンチャント単体を4マナでリアニできるスペルは初登場。ファクトだけなら《復元》とかあってあれもスタンでは使われたわけですが。

こちらもパイオニアまで含めて様々なデッキを考えることができそうです。

特にシナジーなく置物を生物化したところで除去の的になるだけなので、生物化するのはどちらかといえばデメリット寄りです。従って維持してアドバンテージを維持するタイプの置物をリアニメイトするのには向いていません。派手なCIPなどでタイムラグなく効果を発揮するものがねらい目でしょう。

個人的には注目度が高い1枚です。


・《千の月の鍛冶場》/《千の兵舎》

そこに私はいません

カーンの構築物トークンに準ずるサイズ可変トークンを生み出すアーティファクト。変身すると更にスペルに反応して同種のトークンを量産できます。

変身条件はクリーチャーやファクト5枚のタップとやや厳しめですが、これ1枚で2枚分なので適切に横並びできる構築ができれば達成自体は難しくありません。ファクト偏重のデッキで1-2枚は使えそうな雰囲気はしますが果たして。

・《失せろ》

非紳士的行為ではない、カード名を宣言しているだけだ

《運命的不在》を更に範囲を広く、かつデメリットを重めに設定したスペルといった塩梅ですが現状の印象ではほぼ上位互換に近い印象。

特に最近のエキスパンションで強力なカードの多いエンチャントを割れるのが非常に優秀、かつ与える地図トークンもソーサリータイミングで生物を要求するため手掛かりトークンと比較して撃つ側のリスクが低いといえます。
強いてリスクを感じるとすればファクトカウントを重要視する横並び系のデッキに対してくらいのものでしょう。コントロールデッカーならぜひ押さえておきたい一枚。

・《最深の起源、オヘル・パクパテク》/《巡る刻の神殿》

名前なげーよパクちゃんよー

青の神は4/3飛行、能力はインスタントへの反復付与、再変身条件は3回マナ出してから3マナタップ。インスタントの反復は強力ではあるんですが本体と合わせてマナがかかりすぎるのが難。

肝心の本体スタッツも貧弱かつ例によって再変身がラグいのでこれも結構没寄りかなあ。

・《ティシャーナの潮縛り》

もみ消しのポーズ!

全国ウン万人のマーフォークファン歓喜の1枚。

もみ消しの弱点である、「1度しか消せない」部分をテキスト後半の無力化によって解決した青のヘイトベア。割と画期的なテキストで、マーフォークに限らず生物主体のデッキではありがたい存在と思います。悔やまれるのは対象範囲にエンチャントと土地が含まれていない点で、フォーマットによってはこれがネックになることも多いかもしれません。

余談なのでカードはあえてとりあげませんが、2マナのマーフォークエンチャはかなり弱いなと思いました。

・《魅惑の悪漢、マルコム》

結構書いてることすごいけどな、あんまり話題にならないの不思議

瞬速飛行のルーター。場に居座り続けるとルーターが踏み倒しにグレードアップするレジェンダリー。

スタン既存のデッキの動きとかみ合う部分が多く、エスパーレジェンズや青単にはすんなり入れやすいカードになると思われます。エスパーレジェンズだとすでにローナというライバルがいますが、デッキの性質上打点の出るこちらの方が扱いやすいでしょう。ルーターなのでレジェンダリーながら重ね引きも気にならず、それでいて除去されやすいので複数枚積みやすいというデザインも秀逸。

・《アクロソズの放血者》

フレーバーテキストと能力にもシナジーを感じるいいカード

自ターン限定で相手のライフルーズを倍化する吸血鬼。要は黒の《ラースの灼熱洞》であり、本体が殴れるスタッツなのは勿論常在型能力ゆえに出たターンから打点に貢献しうるのが優秀。

ただ当然のこのマナ域には《黙示録、シェオルドレッド》がすでに枠を確保している黒のデッキが多いため、こちらを敢えて使うなら差別化が必須となります。

基本前述通り出たターンからの打点貢献が望ましいため攻撃的なデッキでの使用が望ましいでしょう。シンボルの多さを活かして信心とかも下環境ならいいかもですね。

・《最深の裏切り、アクロソズ》/《死者の神殿》

イラストは強い、イラストは

黒の神は飛行ライフリンクにハンドを攻める能力持ち。
令和なので捨てさせられなかった場合には補填ドローついてます、ありがたや。
再変身条件はいずれかのプレイヤーの手札が1枚以下。

神サイクルの中ではマシな方かなくらいの印象、ヴェリアナがスタンで同居してるのが幸いしてます。変身条件も能動的に満たしやすいですし、追放除去くらいそうになっても黒なら自分の除去撃って逃げるという択とりやすいのでその点でも加点できなくはないです、まあ一応ね。

・《嘶くカルノサウルス》

なんか正式には「カルノタウルス」いうらしいけども

イクサラン期待の新メカニズム、「発見」を持つ恐竜。
CIP化した続唱のような塩梅の挙動で、めくれたスペルを唱えず手札に加えることもできる点から打ち消しに弱くなった代わりに融通が利くようになったような形。

CIPなのでリアニなど踏み倒しやブリンクにも対応しており、こちらのカルノサウルスは自ら3点火力としてディスカードできる能力をそなえており「どうぞリアニしておくんなせえ」と言わんばかり。

7/6/6でトランプルにアドバンテージ確定1枚と、除去がついてる考える前提ですが素出しでもギリギリ見れんこともない程度のスタッツは保っており利用法は様々に考えられる優等生。何かしら使われる可能性は高そうなので、抑えておこうと思います。

・《最深の力、オヘル・アショニル》/《力の神殿》

ダクソのボスみたいなのきたな

赤の神は非戦闘ダメージが自身のパワー以下の場合にそれの引き上げを行います。引き上げは自身のパワー依存・・・ていうかどうでもいいんですが最近赤のダメージ増加系やたら戦闘ダメージ以外にこだわりますね?
まあバグりやすいと思われてる節ありますけど。

で、肝心のこいつも正直ダメ寄りな気がしてます。
再変身条件も実質4マナ要求で、しかもこれも戦闘ダメージ以外での4点要求。厳しすぎるでしょ。

・《太陽の執事長、インティ》

インティと聞くとどうしてもクイラのイメージが・・・

攻撃に反応してディスカードからパンプアップする能力と、ディスカードに反応して衝動的ドローを行う熊。

自身以外の攻撃にも対応するため実質出たターンから打点貢献でき、かつ+1/+1カウンターなのでパンプアップが無駄になりにくい点で非常に優秀。
ディスカードも前半の能力に限らず誘発するため、赤なら比較的無理なくシナジーを形成できるでしょう。レジェンダリーですが例によって除去されやすい上に被っても自分の能力で捨てられるのが〇。

受けが広くアグロ的視点に限ってもユーティリティの高いカードだと思います、赤単に枠があるかはわかりませんが既存カードの枠を削ってでも採用はしうるはず。

・《髑髏胞子の結節点》

ボーダーレス版はイラストが完全にモンハンなんだよなぁ

《グレートヘンジ》に連なる自軍生物の最大パワーに応じてコスト減少する置物。自軍生物の死体をファンガス恐竜に作りかえてしまうアーティファクト。

どちらかいうと優勢な盤面を維持することを主目的にしたカードなので、あんまりいい印象のカードではありません。こいつも例によって追放除去に非対応なのが災いし、この手のデッキが苦手とするラスゴとして現状最もポピュラーな《太陽降下》が厳しくピン除去でも《放浪皇》《力戦の束縛》とバカほど追放が飛び交っているのは向い風でしょう。

環境が変わってもうちょい生物優位にならないと苦しそうです。

・《名も無き都市の歩哨》

そこになければないですね

屈強なダイソー店員。
令和の店員なので、CIPでもアタックでも誘発するいつもの書式で損しないデザイン。

初見でめっちゃ強いな、と感じたカード。
《翡翠光のレインジャー》とか《茨森の追跡者》あたりと比べても遜色ないんじゃないでしょうか。殴り寄りの生物は警戒ついてるだけでも結構強く見えてしまうこの頃、このスタッツに地図トークンついてくるのは破格に感じますね。

・《溶鉄の崩壊》

おまけの付け方に慎重さを感じる

《戦慄掘り》の上位互換。
オマケの方がやたら地味なので、落魄の達成難易度とそのリターン込みで考えるにどっちかというと下環境向けのデザインですね。

フェッチランド切るだけで落魄を達成でき、メインから《虚空の杯》等を対処できる汎用性は素晴らしいものがあります。逆に除去としてはやや取り回しが難がありますが、除去は除去のため。

パイオニアだととりあえず《戦慄掘り》からは差し替えることになるでしょうが、落魄達成も難しいですしかといってCMC1以下のパーマネントが多用されるわけでもないので差し替えることによる恩恵は感じにくいと思われます。まああって損するわけでもないのでね。

・《祖先の残響、アブエロ》

空飛ぶブリンクジジイ

非常に素直なブリンクエンジン。
意外とスタンやパイオニアにはいなかったタイプですね、似たようなのだと《変位エルドラージ》とかだったことを考えるとですが。

レジェンダリーなのはアレですが、このテのシステムクリーチャーとしては護法を持っているのは非常に自覚を感じるデザイン。
護法の賞味期限が切れる前にアドを稼ごうとすると、スタンダードだと素直に《神憑く相棒》あたりのキャントリップブリンクが狙い目になりますかね。

パイオニア以下ではあまりデッキコンセプトとの合致はみなさそうではありますが、スピリットに採用できたりもするんですかね?
ジジイの活躍に期待しましょう。

・《内なる太陽、チミル》

流石にテキストを2回読んだ

え、なんか急に滅茶苦茶強くない・・・?
スポイラー公開の時点から個人的には再注目カード。
6マナと現実的なコストに収まりながら、毎ターン発見するとかいう非常に強力な鬼畜アドバンテージエンジン。打ち消されなくなるのはオマケ程度のものですが、あって困るオマケというわけでもなく後引きのカウンターを腐らせてしまうのは受ける側には嫌なものです。

スタンダードでは狙ったカードを発見でめくるのは難しいですが、適当に除去なり生物なりをめくれた順に出してるだけでも勝手にカード枚数で勝つため置物対処できない相手を一方的にアドで圧殺する可能性が高いです。
当然普通に6マナ出すのは骨ですから踏み倒しなりマナ加速なり絡めるのがよさそう、個人的には《厳しい授業》に注目しています。何かしらデッキを作る意欲の湧くカードです。


今回はこのへんまでで。
カードパワーの極端な高さはあまり感じないのですが、新ギミック含め既存のカードにはない特徴のあるカードがそこそこあるため環境の変化をもたらす可能性は結構高いのではないでしょうか。

禁止改訂からの閉塞感からここんとこ停滞と受け取りたくなる時期が長かったですし、新環境楽しめるといいですね。

私事ですが年末の晴れる屋ラストサン予選を突破したため、本戦に出場の予定です。次回は晴れる屋トーナメントセンターでお会いしましょう。
あでゅ。

お前なかなかおもろいこと書くやんけ、と思って頂けたらなんか下のボタン押すと僕にジュース奢れたりとか、記事のオススメとかできるっぽいです。何卒。