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『機械兵団の進軍』プレビュー雑感

「無数の次元、ひとつの戦い」

侵略樹を使ったファイレクシアの次元侵攻がついにはじまった。
各次元の人々、そしてプレインズウォーカーたちは最後の戦いに挑む。

最新エキスパンション『機械兵団の進軍』は2023年4月21日(金)全世界一斉発売!(MO/MTGAは4/18(火)リリース!

お久しさんです。画像はなんとなく映画「アイ、ロボット」です。
兄弟戦争・完全なる統一はなんかフルスポイラーからほとんど間をあけることなく発売ということでこちらの記事を書く余裕に恵まれずさぼってしまいましたが今回は少し時間ができたので筆をとりました。

新年度ということで気持ち新たに気合いだガッツだいってみよう。

相変わらずの特筆ない限りスタン目線で神話レアとレア中心にざっくばらんにパッパラパー。僕のカード評価物差しについては過去の記事をご参照ください。

では以下本題。

・《大天使エルズペス》

かっこいいポーズ!

覚醒して天使化したペス。
トークンがライフリンクだったり飛行&パンプがマイナス能力になってる違いはあれどおおよそ《遍歴の騎士、エルズペス》に近い塩梅の能力構成。

個人的には「令和の世になって尚遍歴ペスなのか・・・」と眉をひそめざるを得ない残念寄り評価。最大の問題は同じマナ域で鎮座する《放浪皇》大先生とのパフォーマンスの差で、なおかつ正面から相対するとそれに負けそうなのがネックに感じます。

もうちょっと覚醒してほしかったな。

・《加護をもたらす戦乙女》

一部のアグロ使いがブチギレる能力の組み合わせ

賛助という能力への個人的印象は非常に◎。
一時的といえど適当な生物にパンプアップと能力付与による実質的な速攻、そのあとは本人が脅威となることも相まって相手視点からは除去2枚を要求されるスペックです。その割には下準備がどんな生物でもいい、という点でリスク/リターンのバランスに優れています。また生物がいない場合でも最悪自身のパンプアップとして使えるため無駄がなく、いい能力だと思います。

この天使の場合ライフレースをひっくり返したり、回避能力で突然PWやバトルを上から殴ったりと奇襲性が高くかつ本体が守りに入ると硬いスペックをしており対アグロにおいて優秀。単体でも悪斬と同等クラスとスタンでは使われそうなカードに感じますね。

・《僧院の導師》

ちょっと頬こけてる

レガシーやヴィンテージ民には「おっ」と言わせる再録、メンター君です。
ご存じの通りトークンにも果敢がついている都合、適切に構築すればとんでもない打点が期待できる優秀なトークン生成装置です。

ただ、スタンダードではクリーチャー除去が多く採用される割に下環境のような優秀なドロースペルが多くないため派手な活躍は難しいでしょう。実際過去収録された際のタルキール期のスタンでもこれが活躍したあまり多くありません。あの頃のようにコントロールデッキのアグレッシブサイド要員としては出番があるかもしれません。

・《金属の徒党の種子鮫》

B級映画ファイレクシアン

続けて青にもトークン生成エンジンが。
本体がスマートに小型化して培養によるトークン生成と化した《サメ台風》、飛べねえサメはなんとやら。

培養器・トークンはインスタントタイミングで変身できるとはいえ、クロックと換算するにあたって逐一マナを払わないといけないのがやや難。
これを出して、守りながら面展開してさらにそれを変身させて・・・と順序で考えると非常に悠長な感じがして印象はよくないです。本体の軽さ、飛んでる割に優秀なスタッツと光るものはあるんですけどね。

・《回路の完成》

6マナ!!!!???

えー、召集コスト払うための生物を展開してー。これを唱えてー。
んでそこからコピーするためのスペルを唱えると。

何マナかかってんねん、やる気あんのか。おーん。


・《影の大司祭》

賛助、推せます 

リアニメイト賛助。
墓地にクリーチャーが必要という点で、若干下準備はいりますが即効性を持ちながら直接的にボードにアドバンテージを還元できるのはやはり優秀に感じます。

デスタッチがついておりブロックすれば相打ち、ブロックしなければクリーチャーが増える、相打ちされてもこの本体が残ればリアニメイトで相打ちになった生物を釣り上げられる・・・と非常にカードカウントで得をしやすいデザインが好印象。

マナ域的な採用枠や、スタンダードだと現状意外と墓地を触られがちなのはやや懸念となりますが5マナなりの仕事はしそうだな~という感じはします。

・《全軍突撃》

昔ならもっと飛び上がって喜びそうなカード

最近めっきり構築で使われることがなくなった《英雄の破滅》亜種。
1マナ重くなったものの召集と諜報2をひっさげて大幅パワーアップを果たしています。

召集はテンポが重視されがちなスタンダードでは活躍しやすい印象があります、加えてそれが直接ボードを触れる除去にトップ操作と強めのオマケがついているので流石にここまでくれば使ってもらえるのではなかろうでしょうか。

・《希望の標、チャンドラ》

デカいチャンドラは意外と久々

スペルコントロール向けの大型PW。《複視》を常在で内蔵していると考えるとそれだけでカードとしてのコストパフォーマンスは非常に高いですね。

色拘束をある程度+2で無視でき、適当にドローや除去撃ってるだけでも相当なアドバンテージが見込めるのが強力なPWです。特に出したターンに即マナを出して除去を撃つ、というだけでも結構強い動きになりえるのがいいですね。種がなくとも+1から補充したり、-Xである程度自衛もできるため自己完結性も高いです。

+1はカウンターとの相性がやや悪いのですが、やはりスペル偏重の重コントロールデッキのマナカーブトップに据えたいカード。神河の各種『招来』サイクルとかとも相性が良いですね。

・《ナヒリの戦争術》

そんなファンネルみたいな使い方できるんや

最近ちょくちょくすられる3マナ5点火力。なんだかんだどれもこれも全く使われてきていないのですが、ひとまず赤いデッキとしては《黙示録、シェオルドレッド》を処理できるカードがあるだけでもありがたいといえます。

肝心の追加効果などをみると正直もう少し下駄を履かせてほしいと思います、ソーサリータイミングアドバンテージもとりうる除去で生物PWに加えてバトルまで対象にとれるユーティリティにアドも見込めるところまできておいて贅沢言うなという感じですが、除去の質という点ではあまりいい印象ではありません。

バトルを戦闘を介さずして裏面を狙えるのは現状赤いカード特有のメリットになりうると思うのですが。

・《レンと次元壊し》

新カードのテキストはよく読もう委員会

主にSNSで話題沸騰を巻き起こした例のあれ。
3マナのPWで自ら壁を用意できることはできるので、別にそんなに言うほど弱くはないんじゃないですかね。

-2が切削した中から選ばないといけないのでやたら弱いのが目立ちますが、-7能力前提の節がありそうです。忠誠度高めなのが要因ですかね。

常在の色サポートが優秀なので、どっちかというとそっちメインで採用する方がよさそう。アトラクサとかのサポートにはいい気がします、《急使の手提げ鞄》とかも採用するような5色デッキとかならパーマネントカウントも結構埋められていい感じでは?


・《ドラーナとリンヴァーラ》

ゼンディカーコンビ

4/3/4とレジェンダリーで考えると現代生物のスタッツとしてはやや物足りない気もしますが3点火力で落ちないのは最低限。

起動型能力を封じるのは現環境の主要カードでみると優秀な能力といえます、《鏡割りの寓話》の裏面や《税血の徴収者》あたりを封じれるのがいいですね。地味なとこだと《勢団の銀行破り》の搭乗とドローの両立を封じたりとか・・・まじで地味だな。
自身は警戒によって《放浪皇》による除去を避けるという点でも環境との合致を見ているといえます。

起動型を奪う方はなんともですね、やっぱ寓話の裏面くらいかな。こっちはオマケくらいのもんですけど使えた時の恩恵はでかい。


・《ズルゴとオジュタイ》

ジェスカイ的に取り上げないわけにもいかず

5/4/4飛行速攻ドラゴンといえばスタンダードでは活躍した実績のあるカードが多いですね。まあ元ネタの《龍王オジュタイ》は5/5/4なんですけども。

出たターン限定の呪禁ということで、サボタージュ能力の《予期》で防御カードや後続を探して見つからなかったら手札にばーいして次に走らせる機会をうかがうといったデザイン。

こうやって使用方法を想像してるとなんか速攻の割にはえらく悠長な平成マジック感ただよう運用スタイルな気がしてきてホンマか・・・?という感想になってくるカード。
なんとか使ってみたいとは思ってるんですが。


・《ゴバカーンへの進行》/《光盾の陣列》

テヨ君の出身次元らしいっす

新カードタイプ、バトル。画像の編集がめんどい。
詳細なルールの解説なんかはここでは省きますがまず先にバトルというシステムへの所感を述べるなら「そのカードに殴りに行くだけのリターンがあるかどうか」という点につきます。
アグロだと殴ることによってキルターンにずれが生じますし、コントロールだとそもそもバトルを殴ることが難しいのでその労力に見合ったリターンをってことですね。

んでもってこのゴバカーンへの侵攻なんですけど、《精鋭呪文縛り》タイプのハンデスに裏面でコンバット補助に使い切りの生物保護とアグロ向けな能力ラインアップのバトル。
守備カウンター数も少な目でひっくり返しやすく、先に言ったバトルを殴ることによるキルターンのずれをパンプアップで補完しており「殴るだけのリターン」がきちんと備わっているように感じますね。ハンデスが有効かどうかはマッチアップに左右される部分もややありますが、少なくとも白いアグロならサイドとかには積みそうな雰囲気。


・《タルキールへの侵攻》/《果敢な雷口》

すごいぞー!かっこいいぞー!

表面はCIPでエニーターゲット2点火力にドラゴンボーナスがついている軽量除去バトル。所謂どこにでも飛ぶ火力は「●つを対象とする」という書式に変わりましたが違和感マシマシっすね。どうでもいいけど個人的には「エニタゲ火力」とかいう略称を流行らせていきたい所存。

裏面は2点火力を撃ちながら飛び回るドラゴン。制圧力高めで守備カウンターは硬めですが元手が2マナでこれなら裏返すだけのメリットはありそうなカードです。

まあエニタゲ火力なんで仕方ないんですけど表面の火力の火種が小さめで、ドラゴンを公開して火力を上げるにしても上がり方も小さい始末なので除去としてみる分にはやや扱いにくいのが難点。普通に赤いアグロで採用するのが無難ですかね。
幸い伝説性がないため、これを複数枚採用してこれの裏面で二枚目の表面をひっくり返すといったような盤面掌握を狙うのは割といいかもしれないなとか思いました。ドラゴンに寄せなくても採用できるとは思いますけど、2点火力でしかないカードをどう扱うかですね。


今回はこのくらいにしときます。
一応両面の法務官サイクルもやろうかなとか迷ったりはしたんですけど・・・。

スタンダード目線だと意外と春の新セットの割にはうおー!これだー!的なカードがやや少ないような気がしますが、まあ僕の見る目がないということを信じたいですね。

ではまた次回、サイクル3のエリア予選でお会いしましょう。

お前なかなかおもろいこと書くやんけ、と思って頂けたらなんか下のボタン押すと僕にジュース奢れたりとか、記事のオススメとかできるっぽいです。何卒。