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日常

2023年9月3日
まんじゅう大帝国のソロライブに行きました。

昨年配信でソロライブを見て心奪われてから早1年。


今年は体調を崩すことなくナルフェスを満喫出来ていることにホッとしつつ、1年越しにこの空間を生で味わえることにとにかくワクワクしながらその日3回目となるナルゲキの下り階段を踏みしめました。

そんなあまりにも楽しみにしてて、あまりにも楽しかったソロライブで感じたことをここに書き連ねておきます。

漫才

彼らの十八番である、いつまでも見入って聴いていたくなるようなゆったり長尺漫才。
話題が変わる時もその移ろい方がめちゃくちゃ自然で、無理に"繋げた"とか"伸ばした"みたいな箇所が全然無いのが凄いなあ〜!と、昨年のソロライブで私が心奪われたポイントを改めて実感しました。

あと長尺だと、漫才の中にある"余白"もたっぷり楽しめるのが最高だな〜とも。
例えば誰かと2人で過ごしていて、途中で会話が途切れてしまった時に「この沈黙が別に嫌じゃないなあ」って思えるとホッとしたりするじゃないですか。まんじゅうの漫才を見ていると、そういう時の安心感を思い出します。

今年のまんじゅうの代名詞と言っても過言では無いトッパレでの時事漫才から、大谷翔平のくだりがリバイバルされていたのもテンション上がりました。
そこから発展した「大谷翔平VS竹内一希 炎の3番勝負」みたいなネタもめちゃくちゃ面白かった。
深い意味は無かったかもしれないけど「芸人は生涯現役だから」ってサラッと言ってたのが何だか無性に嬉しかったです。

絵噺

竹内さん作のイラストに2人がナレーションを添えた紙芝居のような幕間映像シリーズ。

YouTubeで過去作を見返しては新作が見られることを楽しみにしていたのですが、今年の絵噺はますます進化していました。
竹内さんがiPadを買い替えたことにより映像編集技術が向上し、絵が動くように!
特に「花火」は動く絵ならではの面白さがありました。

「しりとり」の田中さんの、ツッコんでるのに結果ツッコまれる側になっちゃう感じも凄い好きでした。

ピンポン玉チャレンジ

こういうくだらないことに全力な企画、大好き!!!!
フライパンの話を延々とし続ける竹内さん、ラジ五郎でよく陥っている「目的地までの道中の話が長すぎるエピソードトーク」の時みたいでめちゃくちゃ笑いました。
田中さんがイラスト+字幕で相槌やツッコミを入れてるのがこれまたゆるくて温かくて面白かったです。
時々口元の形が変わるのも細かくて素敵。
ラジ五郎の再生画面の2人の似顔絵がめちゃくちゃ好きなので、思いがけないところで活かされ表情差分まで生まれてめちゃくちゃ嬉しかったです。

いつかあの似顔絵がフェルト人形とかになって、Eテレの子供向け番組とかでまんじゅうが声の出演する時に動いている未来を勝手に夢見てます。
にほんごであそぼ的な。

余談ですが「ラジ五郎再生画面の実写版」というポーズ指定でお願いしたチェキがこちらです。
竹内さんの再現度がエグい

まんじゅう大帝国が○○をしたら

2人が「漫才でもなければコントともちょっと違う、変な隙間」と称していた新たなジャンルのネタ5本。

これがもう、ちょっとあまりにも最高すぎて!!!!

「まんじゅう大帝国の漫才」が劇場を飛び出して街の中に溶け込んでいるみたいな、今まで味わったことのない新しい心地良さを感じました。

2人とも「そこにないものを、まるであるように見せる」のがめちゃくちゃ上手いんですよね。
椅子以外の小道具は一切使っていないのに、竹内さんの豊かな表情と田中さんの細やかな所作のおかげでその光景がありありと浮かんでくるんです。

「ボウリングをしたら」で田中さんが竹内さんからカーブの投げ方を教わっている時に、最初は竹内さんの動き(左投げ)をそのまま真似してるんだけど途中で「あ、俺は逆か」と気付いた感じで右投げに変えるところが凄い好きです。
5回くらい配信を見返してやっと見つけた時はかなりテンションが上がりました。

「流しそうめんをしたら」の終わり際があまりにも美しくて、私が素敵だと思う物事そのもので(これについてはこの後つらつら書きます)、胸がいっぱいになりました。
お笑いライブの感想として相応しくないかもしれないけど、めちゃくちゃ感動しました。
今年は本当に暑くて暑くてしんどかったけど、何だかんだやっぱり日本の夏って良いもんだなって心から思える風景でした。




私は昔から"ちょっとファンタジーな日常もの"みたいな漫画やアニメが大好きでした。

さくらももこさんの「コジコジ」とか、
前川涼さんの「アニマル横町」とか、
あらゐけいいちさんの「日常」とか、
(ファンタジー色は薄いけど)堀田きいちさんの「君と僕。」とか。


派手なアクションや手に汗握る展開はまるで無く、登場人物たちがただゆるやかに滑稽な日々を生きているだけの物語。

読み終えて顔を上げた時に「自分が生きているこの世界も作品の世界と地続きになっているんじゃないか」なんて思えて、何気ない自分の日常がいつもよりちょっとだけ鮮やかに見えるような。

これが私の好きな作風で、そういう作品に出会った時の「読み上げて顔を上げた瞬間」の感覚をいつも忘れずに大事にしていきたいと思っています。


まんじゅう大帝国のソロライブは、まさにそんな読後感が味わえる60分間でした。

漫才、映像、コントのような何か。2人が色んな手段で見せてくれた「まんじゅう大帝国のお喋り」の数々が、私たちの日常のどこかにも転がっているんじゃないかと思わせてくれました。

こんな感覚を大好きな劇場・ナルゲキで味わえるなんて最高すぎます。

何より嬉しかったのは、エンディングや終演後の動画で「我々がやりたいのはこういうの」「これで売れたい」って言ってたこと。

私がドンピシャで好きなものを、好きな人たちが「自分たちのやりたいこと」として見せてくれるなんて、こんな願ったり叶ったりなことは無いです。

ベタで月並みな言葉だけど「まんじゅう大帝国を好きになれて良かった」って心から思えました。



願わくば、この日味わった私の大好物な"読後感"をずっと忘れずに生きていきたいです。

私も生涯現役、日常を慈しむオタクでいられますように。




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