Massage from Lyrics - もっと歌詞を聴いてくれ -【エッセイ】

僕は言葉が好きだ。そして音楽が好きだ。ということは、歌詞は大好きなのだ。
そんな僕が、最近立て続けに2つのハッシュタグに出会った。

ひとつが、#YourSong
カツセマサヒコさんというフリーライターの連載だ。

Mr.Children『重力と呼吸』のリード曲“Your Song”に寄せてーー
あなたの人生を支え、彩ってくれた音楽(=Your Song)は、何ですか?

こんなコンセプトで、著名人に思い入れのある曲についてインタビューしていくという企画だ。

もうひとつが、#歌詞から曲を好きになる
StarDustというwebサービスで、「エモい」歌詞が次々と出てくる。
一通り見てみたが、どれもこれも僕の琴線に触れるものばかりだ。

あの世には金は一銭も持っていけないから せめて俺の言葉は地球上に残す
(クズ / GADORO)
一度きりのこの人生、派手に間違えてナンボだろ?
(19 / Rude α feet. GOTO)
ひとり登下校中 ヘッドフォンの中は夢中 唇だけで歌う 自分の歌だとハッキリわかったんだ
(DAY DREAM BEAT / ハンブレッダーズ)
この蒼くて広い世界に無数に散らばった中から、別々に二人選んだ糸をお互いたぐり寄せあったんだ
(蝶々結び / Aimer)
全ての意味があなたになるように歌にしよう この感触も、このコードも、この甘みも、色も、匂いも
(lego big morn / Ray)

歌詞というのはすごい。
本来は、ちょっと砕けた(というより、間違った)言葉に、音程とリズムをつけただけ。
それなのに、紙に書かれた言葉や普通に話す言葉のより遥かにたくさんの人に届くし、何倍も心を動かす。

もちろん、自分が表現したいことをひたすら表現した「芸術」としての曲もあるだろう。
だが、誰かに届けるために書いた”メッセージ”としての曲は、数え切れないほどたくさんある。
そして、誰かに届き、心に刺さった”メッセージ”は、さまざまな美しい物語を生み出す。

僕はとにかくしんどい日の朝、ミスチルの“ヒカリノアトリエ”を、玄関を開けると同時に聴くようにしているんです。

冒頭で触れたカツセマサヒコさんの発言だ。
”ヒカリノアトリエ”という曲は、毎朝彼の背中を押すという物語を形作っている。

僕も、歌詞に救われた物語をいくつも持っている。
生きるのが嫌になった中学生の自分に生きる意味を見出させてくれた曲。
受験期毎朝電車の中で聴いていた曲。
試合前に必ず聴いていた曲もある。大サビ前にぎゅっと目を瞑って、大サビに入ったらパッと目を開くというおまじないだった。

力強く鼓舞してくれる曲
ただ寄り添ってくれる曲
胸がときめくのファンタジーに誘ってくれる曲
辛いとき泣けるような曲もある。
洗練された言葉が、音に乗って紡がれる。そうやって届けられた言葉が人の心を動かし、美しい物語を生み出す。

1曲あたりおよそ5分。そんな短い時間の中で1つのドラマが完結していて、ひとつのメッセージがドラマを貫いている。
ポップやロックにしかない魅力。

MAGIC / sumika
僕の大好きな一曲なのだが、この曲は、歌詞が生み出す感動を、「魔法」という言葉で表現している。

音と音に乗せて今を変える

鳴らす高まるミュージックで弾けるマジック
動かない動かない身体にとびきりのマジックをかけてよ

歌詞には、確かに人の心を動かす力、”魔法”をかける力が込められている。
「一生を変える一瞬」
上で書いたsumikaのボーカルがよく使うフレーズ。歌詞が生み出すのは、まさにこの「一生を変える一瞬」の物語だ。
だから僕は、歌詞について書き続けたいし、歌詞に込められたメッセージをもっと分かりやすくし、多くの人に届くようにしていきたい。
そうやって、音楽とのセレンディピティを世界中で生み出し続け、僕のように音楽から生きる意味や勇気をもらえる人を増やしていきたい。

僕にとって2018年は、この志に気付く年だった。
2019年こそは、この志を実現し、社会を変えていかないといけない。

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