尻尾を引っ張ると鳴く

眠い。

眠いと性的な事か猟奇的な事しか考えられなくなる。
困ったな。ここでそんな事書いたらBANされそうだ。それは嫌だ。


祖父が目の前で酒を飲んでいる。コンビニの安酒をパックを折り畳んでまで絞り出している。みっともない。もう80をとっくに過ぎているんだから少しは控えたらいいのに。
仕事をし始めた。うちは悉皆屋なので着物を解く。酒を飲みながら仕事をするな、ジジイ。
黙って大人しく仕事しているだけマシだと思うことにした。ほっといたら寝るだろう。
僕はそれを見ながら英単語のCDを聴いている。昨晩、親父がiPodに移してくれた。かれこれ10年以上は使っているiPod nanoだ。iPhoneに入れてもいいけれど、やっぱり専用の機械を使う方が気分がいい。餅は餅屋だ。


テレビで新潟の話をやっている。かんずりが出てきた。雪の上を散らばる唐辛子がシュールで妙に可愛い。
祖父が「かんずりって何だ?」と言っている。あんた新潟出身だろうが。僕でも知ってるぞ。この辺のスーパーにも売ってる。たまに買って食べる。おいしい。


あ、祖父が寝た。


あ、母が帰ってきた。


何時間出かけていたんだろう。近所の商店街に行っていたらしいけれど。
母がリビングに入ってきた。髪型が変わっている。ツーブロックのベリーショートと言えばいいだろうか、モダンな猿っぽくてなかなか似合っている。それで遅かったのか。
手に変な根菜を持っている。色のない、干からびた人参のように見える。パセリの根っこらしい。母は変な野菜を見るとすぐに買ってくる。
ついでに頼んでいたたい焼きも買ってきてくれた。週替わりのリンゴカスタードたい焼き。おいしい。皮がもちもちしている。
僕はたい焼きを頭から食べる。具の少ない尻尾を最後に食べて、口の中をフラットにしたいからだ。
たい焼きを食べ終わったのでほうじ茶を飲む。
ほうじ茶はあまり好きじゃないけど、料理に合うことに気付いたのでたまに飲む。たい焼きにも結構合う。おいしい。


眠気が収まらない。


親指のささくれをいじってみる。痛いだけで目は覚めない。ムカつく。


こたつから出てみよう。出た。涼しい。


気付いたらこたつの中に戻っていた。


こたつで寝たら死ぬ。


死にたくない。


出る。


戻ってる。


何?


気分転換に絵でも描くか。可愛い女の子でも描こう。

近くにボールペンしかなかった。一発描きは苦手。

眠いので尚更。


では、僕はお茶を飲みます。はい、さようなら。

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