focus良かったです 20140713

ジャグリング創作集団focusのスタジオショーイングにいってきました!

focusはたぶん長期間のワークショップみたいな感じで、固定メンバー+受講生メンバーという具合に創作をやるタイプの団体という理解です。

ちょっと僕の団体に近い形式の団体さんで、ちょっと親近感を持っています。前回公演は結局こっちの公演とかぶっていていけなかったのですが。

今回は、そのうちの固定メンバーのお二人が創作した作品だそうで、そのお二人だけのデュオでした。

作品名は「kiri/霧」。

写真を撮るのを忘れていたので載せられないですが、全体的に白一色っぽいスタジオ空間を、縦横無尽に(というほどではなかったものの、「縦横無尽」ギリギリのラインぐらいでした)白い紐が張り巡らされており、その中央に白い椅子が置いてあって、紐のうちほとんどはその椅子から伸びているものでした。

その中で白い服を着たパフォーマーと、黒い服を着たパフォーマーがパフォーマンスを行う、という、全体的にモノクロな舞台でした。


感想ですが、良かったです。

ジャグラーらしい美意識、のようなものが全面に出ていて、それはいわば「形状への想像力」とでもいえるものでした。

エンデュランス、バランス、制御の難しいペアジャグリング、数々の作業・・・道具に対する緊張感と、そこからくる職人的な輝きが独特の身体を主張する中で、パフォーマーがエゴイズムに陥ることなく、しかし全身で没入しているライブ・インスタレーションとでもいうべき舞台の構成過程を観せてもらった、という感じでした。

僕の最近の興味として、今あげたような、「職人的な輝き」そして「ライブ・インスタレーション」というものがあって、それを綺麗にまとまった形でやられた、という気持ちもありましたが、舞台全体の雰囲気や、パフォーマンスへの態度なども含めて、むしろ「話が通じる」というような気持ちになって、なんだかほっとしました。

今まで僕はかなりコアな路線で、がむしゃらに人を集めて動かす、ということを頑張ってきていたのですが、実際に「話が通じる」相手もおらず、なるべく群れないで頑張ろうと思っていたせいもありますが、ちょうど少し寂しいなと感じていたところで、孤島で暮らしていたら船が通るのを見つけたような気分です。

さて、アフタートークでは、やはり他のパフォーミングアートからみると「リスクを自ら課すことができる」という点でジャグリングの特異性があって、それは扱うオブジェクトの他者性といってもいいと思いますが、そのような性質によって「緊張感」を纏いやすいと。

そこで今回のように紐を張り巡らせて動きを制限したり、ディアボロが空中分解するように細工したりと、リスクを大きくするような仕掛けをつくったことで、さらにその性質が強化され、あるいは変質したのではないか、ということが話題になりました。

僕もその話題に関しては問題意識があって、当人の意識のありようももちろんありますが、観ている側の「リスク」の受け止め方は、そのままパフォーマンスのリアリティに繋がる部分があると考えていて、つまり、「落とさない」ということはある種の幻想であるのに対して、サーカス的な難易度の誇張にもちいられるリスクはかえってその幻想に加担するものですが、今回のような方法によるリスクの課し方はむしろその幻想を剥ぎ取る試みであったようにみえました。

また、いわゆるジャグリング用具、プロップと、美術的な必要によって、あるいはコンセプト上の必要によって扱う小道具・大道具との調和ということも問題となりえると思いますが、ディアボロというプロップについて、その「素材」に注目して小道具・大道具を構成していった、という方法には非常に感心しました。

小道具ということでいうと、関谷さんが継続的に扱っている「白いヘッドホン」が今回も非常にアイコニックで、道具と身体との関わりというジャグリングの特質にもマッチしていて、過去の作品で見られましたが、物に装着することで逆に物を身体らしく見せることもできると、面白いことが今後ももっと出てきそうだと思いました。今後も注視したいです。


総括:作品として面白かったですし、社会的にもほっとさせられましたし、今後の創作にも役だちそうな問題意識やテクニックを得ることができましたが、それだけではなくなにより僕達も何かやりたい、やらなければ!という気持ちになれて、結果的に非常に有意義な観劇体験でした。

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追記:「緊張感」についてですが、そもそも紐が張り巡らされている時点で視覚的な緊張感も重ね合わされていますよね。そういう路線での構成の仕方もできそうだ。
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