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サンシャインジュースがどのようにしてできたのか、そしてこれから。(1)

サンシャインジュースは2014年に始まりました。始まったというのはお店ができたという意味です。実際にはその前からゲリラプロジェクト的な感じで動いてはいました。

そもそもまず僕とジュースの出会いについて。

- 台湾で体が感じた力

2009年ごろから3年ほど僕が台湾に住んでいた時の話。台湾は仏教国で宗教上の理由で肉を食べない人が多く、さらに共働き率が世界一なので、外食でもきちんとベジタリアン向けのオプションがあります。台湾について右も左もよくわからない時からそのベジタリアンフレンドリーカルチャーにはまり、完全なビーガン生活をしていました。当時は今よりもっと強度の高いトレーニングをガンガンしていて月に1-2回はランニングか自転車かオープンウォーターのレースに出ていました。エンデュランススポーツ+ビーガン生活はかなり体の感覚がよくて、植物のもつ力にやられてしまいました。

-アメリカでのジュースシーン

絶賛ベジタリアンのその頃の僕が以前住んでいたアメリカに戻った時に、ニューヨークで友達が教えてくれたのがコールドプレスジューススタンドでした。以前から、例えばJamba JuiceやOdwallaのようなブランドはあったし、おじいちゃんの家で生搾り野菜ジュースは飲んでいたけど、それがスタンドで街にあるのにはびっくりでした。その時に出会ったコールドプレスジュースショップ ”juice press” という店にぶっ飛ばされました。今でこそ多店舗で展開しているけれど当時はまだそれが始まったばかりの頃。

そこで飲んだ「生のリアルコールドプレスジュース」で僕の体が発したシグナルは今でも忘れません。細胞が喜んで、飲んだら笑顔になっちゃう感覚。驚きました。ビジネスを考えてというよりも、この素晴らしい感覚を一人でも多くの人に知ってもらいたい。昔から僕が思うのはコーヒーを1日に何杯も飲むならその1杯をこのジュースに変えてみたら生活が変わる。ジュースをもっと知りたい!広めたい!そんな思いで日本に戻り、家にジュースマシンを買ってジュースを作り始めました。


-東京に戻って試行錯誤

その頃はお店もなかったから、ファッションブランドの展示会やヨガのイベントに自宅で搾ったプロトタイプジュースで出させてもらいながら、反応を見ていました。当時は「コールドプレス」というコンセプトは知られていなかったから反応も様々。「なにこれ美味しい!」というポジティブな声もあったけれど、「味がリアルすぎてきつい」とか、何より「値段が高すぎる」というネガティブな反応も多かったです。


-各地方を回って知った気づき

当時は、どのように野菜が流通しているのかなども全く知らず、とにかくオーガニックの野菜を業者さんから買ったりしていました。でもそうすると原価が1本2000円くらいになってしまう。これではビジネスにならない。そもそもどうやって野菜は作られて流通しているのだろう?不思議に思って、お世話になっていた飲食店を経営する先輩に頼み、宮崎県の農家さんに連れて行ってもらいました。

農家さんたちのリアルな話を聞き、農場をたくさん見たのは、その時がほぼ初めてでした。生産の現場には多くの「見た目が悪くて売れない野菜」があることを知りました。畑で捨てられている人参。「あれどうするんですか?」と聞いたら、「先が割れちゃってるし傷が入ってるから売れないんだよ」と。柑橘の畑でも「皮に傷が入っているから売れない」。葉物の畑でも「サイズが大きくなり過ぎちゃってるから売れない」。そういったことを目の当たりにして、見た目が悪い野菜をできるだけ使わせてもらうことで生産者の方が売りにくかった野菜を売ることができ、こちらも値段を抑えてジュースが作れる。ジュースを買って頂くお客様も、質が高いジュースが(これでも)値段を抑えて購入することができる。良いことずくめ!と思って、1年間そういった野菜を各地の農家さんを訪問して探しました。

この1年間の準備期間に多くの方からの紹介で生産者の方と繋がり、出会いました。

中には規格外品が欲しいと伝えると「そんなもんはない!」と怒る方も多かった。どうしてもそこで育った野菜を使いたくて、そのエリアの道の駅で農家さんらしき人をナンパしたら、その方がその街の中学校の校長先生で、たくさんの生産者の方の所に車で連れて行ってもらって仕入れができるようになった、なんてこともありました。

「りんごがあるから買わないか?でも単位は1トンから」と言われて買ったものの、そんなにどうやって使えばいいの!と思考錯誤したこともありました。本当に経験から学ぶしかなかった日々。そのように出会った野菜を使って、たくさんのブレンドを試して、ジュースを作りました。


(2)に続く

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