見出し画像

【野遊書籍】BORN TO RUN 私的要約

我々の仲間は皆、ワラーチやルナサンダルで山を走っている。なぜか。
ほとんどのスニーカーは踵部分が高く、自ずと踵着地する「ヒールストライク」走法をしてしまう。これが一部のランナーのケガの一因となっている。
もともと人間は、平らな履き物で歩き、走っていた。
友人のIさんは、「サンダルだと、スニーカーみたいに足をぶつけながらは走れないですよね。よりトレイルの起伏を見るようになりました。」と話す。
俺も暖かい時期はルナサンダルを、寒い時期はアルトラのゼロドロップシューズで過ごしている。

書籍紹介


走ると足を痛めてしまうアメリカ人、クリストファー・マクドゥーガル。
痛みの原因は、最先端のランニングシューズだった。
そんな彼の著書が「BORN TO RUN」

ララムリとランニングレース


この本には、個性的な人物が多く登場する。
メキシコのタラウマラ族(ララムリ)、サンダル履きの走る民族。
彼らの生活には、その環境から走ることが自然にインストールされている。
1992年8月、外人の発案からコンバースのチャックテイラーを履いて出場した、レッドヴィルマラソンでは全く走れず。惨敗。
ただ翌年の大会では、いつものようにサンダルで走り、上位5位に3人が入る快挙。これで、世界が彼らに目を向けるようになる。

拾った画像を写真にしている。勝手にすみません。ララムリのみなさん。

アメリカのメディアは、こぞって彼らに勝てる人物を探し始める。
まず白羽の矢が立ったのが科学教師、アン・トレイソン。
彼女はレースとなると見境がなく、ひと月おきにウルトラマラソン大会を走る。
レッドヴィルでタラウマラ族との対決が現実のものとなる。
レースでの過酷な首位争いで彼女は、タラウマラ族からブルハ(魔女)と名付けられる。
結果は、タラウマラ族のフアンが優勝。アンは2位でゴールする。

その後、アメリカ人はタラウマラ族をレースに駆り出し続け利用した。
アテンドし走らせ、好成績を残しても稼ぎを得るのはアメリカ人。
タラウマラ族の彼らは、トウモロコシの袋が2つ3つ増えるだけだった。
さすがにタラウマラ族も嫌気がさし、レースに出ることは無くなった。

カバーヨ・ブランコ


この時、タラウマラ族に親近感を抱く一方、同胞のアメリカ人の振る舞いに嫌悪感を抱き、償いをしなくてはいけないと思った男がいた。
マイカ・トゥルー(名前の真偽は不明)メキシコでの呼び名は、カバーヨ・ブランコ(白馬)。

時を経て、「BORN TO RUN」著者のクリストファー・マクドゥーガルは、世界で最も偉大なランナーがタラウマラ族だと知り、メキシコへ旅立つ。
そこで、カバーヨ・ブランコに出会う。
すでに現地の生活に同化していたカバーヨは、サンダルだけを履くようになっていた。マクドゥーガルは彼に走り方を教わる。
腕をぶらりと上げて手をあばら骨の高さにし、小刻みにステップを踏む。
背中は、脊髄の軋む音が聞こえそうな位にまっすぐに。
「トレイルとケンカするんじゃない。」
「トレイルが差し出すものを受け取るんだ。」
「石と石の間を、1歩で行くか2歩で行くか悩んだら、3歩で行け。」
「楽に、軽く、スムーズに、速く、と考えるんだ。」
楽に走れることをマクドゥーガルは知った。

カバーヨは、タラウマラ流のレースを開催したいと考えていた。
彼らの地メキシコで、ウルトラランナーを呼びレースを開催すると。

(✳︎著書の中で掲載のナイキシューズの件、タラウマラ族の食事の件は割愛。)

メキシコでのレース参加者


メキシコで開催するレースの参加者は錚々たるメンバーになった。
スコット・ジュレク(トレイルの王にして、ロードの王)
ジェン&ビリー(トレイルで瞑想する中毒者、禅に没頭するダルマ・バムス)
ベアフッド・テッド(ビブラム・ファイブフィンガーズ最初の契約アスリート)
ルイス・リーベンバーグ(走る数学者)
エリック・オートン(アドベンチャーレースコーチ兼、マクドゥーガルのコーチ)

上記の人物達

ルナサンダル爆誕


カバーヨがタラウマラ族(ララムリ)に紹介した名前は次の通り。
ルイス(エル・コヨーテ)
ビリー(エル・ロボ・ホベン→若き狼)
エリック(エル・ガビラン→鷹)
ジェン(ラ・ブルヒタ・ボニータ→可愛い魔女、案の定アンの娘かと聞かれる笑)
スコット(エル・ベナード→鹿)
マクドゥーガル(オソ→熊)
自ら名乗り出たのは、ベアフッド・テッド(エル・モノ→猿)

レース前日、ベアフッド・テッドは、ララムリのマヌエル・ルナに声をかける。
彼らのサンダル、ワラチの作り方を教えてくれと。
(これが何のきっかけになったのかは、現代の俺らの足元に。)
サンダルはより進化され、べナードやモノ、オソという名のルナサンダルが発売されている。

作り方を教わるベアフッド・テッド

レースの詳細と結果は、369ページより。
ここからは、やはり読んで脳内再生がマストかと。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?