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1月の仕事

1月はお正月が明けてから本の編集作業に明け暮れている。編集というと聞えはいいが、これまで気が付かないでいた誤字や適切でないことばや、文章に合っていない写真などの訂正に向き合っていた。これまで編集と、ページのデザインを同時におこなっていたのが間違いだった。
この10年間に取材した村の記事と写真は、これまで見すぎるくらい何度も見ているので、改めて他者の視点で読んだり見たりは、難しい。それでも、初めて見た瞬間に自分がまず感動を覚えるものでないと、他の誰かの心を揺さぶることはないだろう。コロナのせいにしていたが、この本の制作が昨年来、進まなかったのはそういう理由による。

そんな折に京都の出版社の方が「我が社で出版のお手伝いを!」と名乗りを上げてくれた。担当者はシンプルな指摘を躊躇なく伝えてくれる。それで一気に制作が加速して、今月は休みなく作業に集中している。数日後に印刷入稿が控えている。

そんな中、先週は仕事場のある同じ建物内の若者就労支援機関から就業体験の受け入れがあった。年に1回のペースで今回で4回目。私のところでは「欲望を可視化する」なるテーマで、自分のポートフォリオを作ってもらう課題を実践してもらっている。自分の「夢」と言うとフワッとするので、敢えて「欲望」と言う言葉を使っている。そもそも私が「就労支援」などとは、分不相応でおこがましいのは承知過ぎるくらい自覚しているが、それでも社会のお役に立てるならと、公的な要請は全て受け入れている。就業体験の他に、小学校、中学校の課外授業での会社訪問、ご当地ナンバーの審査員などがあった。
就業体験は1週間単位なのでかなりエネルギーを要する。提起している課題が(おそらく)手強いので、マンツーマンに近いかたちで目を掛けておく空気になり、しかも先週は仕事場に私一人。東京ではオミクロン株が大流行しているので、正直なところ「受け入れ中止になれば」と思っていたが、予定通り行なわれた。
「就労支援」=ジョブトレーニングであるのだが、組織に順応して働くことに抵抗を覚えた人を、また順応させると言うのはナンセンスであるので、私との時間では、ご自分の「欲望」を探究してアウトプットする時間に集中して欲しいと思う。何も出てこなくてもその時間を過ごして欲しい。

今回は男性2名。初日と2日目に1時間あまり会話をしていて、それがとても気分転換になった。前述の編集作業があり、私も自分の作業に集中できるだろうか?と危惧していたのだが、杞憂に終わった。むしろはかどったような気がする。他にも長らく溜めていた面倒そうな事務作業や、雑多な作業も片付いていく。自分が早く手をつけなかっただけのことだ。と今は思う。

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