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もう、純ジャパって言葉を使うのはやめよう。

ちゃんと書き残しておこう。

そう思いました。

こんな記事が流れて来たのです。

ネットを駆使し、奨学金も調達――海外の名門大学目指す「いまどき」の若者 - Yahoo!ニュースhttps://news.yahoo.co.jp/feature/1177

この記事の中に、ぬるっと入り込んできた言葉。

純ジャパ。

ご丁寧に「純粋ジャパニーズの略」とまで書いておりました。

純粋という言葉は、「不純でないもの」ということ。「混じりけのないもの」。

つまり、どんな意図で、どんな文脈で、使おうとも、この言葉は「不純なものがある」という前提に立つ。

そして、それとは対照的な「純粋なものがあるのだ」と声高に叫ぶ。

まるで、区別した上で、序列をつけるかのように。


純粋ジャパニーズ。

純粋な…ジャパニーズ…。

もう、やめませんか。

人に使う言葉なんでしょうか。

片方に「純粋な人々」がいて、もう片方に「そうでない人々」がいるかのような言葉。

まだ、使うのですか?

…。

僕の講義受けてる学生の中には、色んなルーツ持ってる人がいてることも、多々あります。

僕個人のことをとやかく言うのは好きにすればいい。


でもね。


いつか、彼ら・彼女らにまで、その「純粋」という言葉遣いが届いてしまうのは、本当に、いやなのです。

こんな言葉どうかと思うわぁって、授業の中で、あえて取り上げることもあります。

なぜなら、先ほどの記事のように、ぬるっと、使ってくる人々がいるから。

それを掲載する選択をしてしまうような、状況があるから。


でも、本当なら、授業の中でも、取り扱いたくない。


使えば使うほど、


批判すればするほど、

「純粋ジャパニーズ」という言葉をその都度呼び出してしまって


この言葉の「延命」に繋がってしまう気がするから。


でも、やはり、声をあげようと思う。


もう、いい。


もう、たくさん。

もう、やめよう。

もう、この言葉を使わずとも、僕らは語り始めることができるはずだから。


ケイン樹里安

仲間と一緒にメディアを立ち上げました!

「ハーフ」に限らず海外ルーツと身の回りの人を「半歩」から繋ぐメディアHAFU TALK(ハーフトーク)。

なんであえて「ハーフ」という難儀な言葉を残したのか、についてもサイト内に書いておりますのでどうぞよろしくお願い致します。


【追記】(2019.01.26)
このnoteを書いてから「ウチの大学では留学経験ない人のことを『純ジャパ』と自ら名乗ってました/呼ばれてました」等のお話を複数の方々から教えていただきました。
どうやら、いくつかの用法がある言葉のようです。自分のまわりではこんな使い方でした、というのがございましたらぜひ教えてください!何かしらのかたちでまとめられたらなぁと、思っております。

それから「言葉狩りはよくない」というコメントも時折いただくのですが、人々を「純粋/不純な血」という二分法で序列化しながら振り分ける厄介な言葉をホイホイ使う社会のほうがマズくないですか、という問いを投げたくてこちらのnoteを書いた次第です。

ではでは。。

【さらに追記】(2019年12月11日)

純ジャパという言葉について、新たな情報をご教示いただきました!

「私が思い出すシチュエーションはバイト先で、子ども英語教室だったのでイングリッシュスピーカー同士でそういう話になっていました。
そういう意味ではフラットなニュアンスでしょうか。
しかし出自を聞かれる場面が多いからできた言葉ではないかとは推測されます。」

「ちなみに20年近く前の話です。様々なルーツや背景を持つ若者が集まって主に英語と日本語ミックスで会話をしているような場での使用、という感じでしょうか。ニュアンスが伝われば。あまり良い言い方じゃないのですが、インターの子達が使う言葉、という印象でした。」

とのことです!

つまり、2000年前後、というところでしょうか。現在における「純ジャパ」の使用状況よりも、話者と状況をかなり限定したコミュニケーションの中で使用されていたように思われますね。エリアも関係がある…かも?

なにがどうなるかわかりませんが、引き続き、「自分が知っている」「自分が使っていた」ときの状況を教えてくださる方大募集です。

どうぞよろしくお願い致します。

ケイン樹里安

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