見出し画像

日本育ちの中国人が上海に行って思ったこと。

はじめに

12月1日から2泊3日で上海に行ってきました。
天候には恵まれなかったけど、めっちゃ楽しかったです!!

自分は中国で生まれて、2歳から日本で暮らしていて、年に1,2回地元の大連に帰省しています。(現在22歳)
国籍は中国ですが、大連以外では、戸籍のある北京に手続きで数回行った程度でした。

なので、まともに中国を旅行するのは今回が初めてでした。
中国生まれ日本育ちという、半分主観的半分客観的な立場で中国を体験できて、とても新鮮でした!

その際に印象に残った事を、「テクノロジー」、「政府」、「人」という3つの側面で書いてみました!


目次

・テクノロジー
・政府
・人
・さいごに


テクノロジー

GDPなどの指標を通して中国の経済的進歩を耳にしますが、ここまで発展した生活をしていたとは思っていませんでした。
正直びっくりしました。

いくつかの点を紹介します!

①キャッシュレス決済(ほとんどスマホ決済)

今回の旅行で現金しか使えない状況は、たった以下の3回だけでした。

・地下鉄の三日間乗車券
・豫園(観光地)の入園券
・老城隍廟(観光地)の入園券

観光地、レストランでの食事、コンビニ、小さな個人経営の屋台、バス、地下鉄、タクシーなどの交通を、ほとんどスマホで決済することができました。
上海だけでなく、二日目に行った杭州も、同じくらいキャッシュレスでした。

(実際は、自分たちはもう少し現金を使いましたが、これについてはすぐ後で触れます)

自分はWechat Payを使っていました。
財布を出さず、QRコードをかざすだけでほとんどの決済ができ、信じられないくらい便利でした。
特に混雑した場所や、荷物が多いときはとても助かりました。

一番印象に残ったのが、あるレストランのテーブルにQRコードが設置してあり、注文情報がそこに入っていたことです。
なので、お会計のために店員さんを呼ばなくても、自分でQRを読み取り、決済を済ませることができたのです!!

ただ、Wechat Payでは、中国の銀行口座がないと、一部の決済機能が制限されてしまいます。そのため、僕達はある程度現金を使うことになりました。
ですので、旅行者には少し不便かもしれません。特に中国語がわからない場合はアプリのいろんな設定に苦労するかもしれません。

バス停で20歳くらいの女の子と話したら、普段から現金を持ち歩かないと言っていました。(サンプルサイズ=1ですが)
本当に現金がなくても困らないのですね!!

②QRコード

上海では至るところにQRコードが貼られていました。
決済にはもちろんのこと、電車や街のポスターなど、ほぼ全ての広告にQRコードが付いていました。
一方、日本のアナログ広告にはそこまでQRコードって載っていませんよね?
「詳しくはこちら」と書いて、ホームページのURLを載せていますよね。
わざわざ検索しないとアクセスできないって、かなりの機会損失です。
QRをかざすだけなら、心理的ハードルは小さい気がします。

新幹線の肘置きにもQRコード(笑)
これで、到着時間を調べたり、車内販売を注文できます(座席情報も入っているので、席まで運んでくれます)。

新幹線のチケット売り場の前にも、こんな看板が。
QRで並ばずにチケットを購入できます。

地下鉄、バスもスマホでQRをかざすだけで乗り降りできます。

「ここにもか!笑」と思ったのは、上海ディズニーのあるアトラクションの並び場にQRが設置されていて、それを読み取ると客同士がインタラクティブなゲームができるようになっていました。
(ちなみに、上海ディズニーは、細部へのこだわりや世界観の統一は東京のディズニーには劣りますが、技術力やスケールでは圧倒的に勝っていました。)

③バイクシェアリング

街の至るところに自転車が設置して(乗り捨ててw)ありました。
ofoやMobikeなど、いろんな会社のものが混在してました。

Mobikeは料金は30分1元(=16円)、どこでも乗り捨てOKという神サービス。
(参考までに、日本では30分120円、乗り捨て場所が限定されている)
実際に、地下鉄やバスを何回も乗り換えするより、自転車のほうが速くて、安く済む状況が何回もありました。

使っている人もたくさん見かけました。

デメリットとしては、自転車がそこら中に乗り捨ててあり、街の景観によくないことです。

④交通

まずは、地下鉄。
東京に引けを取らないくらい、地下鉄の交通網がめちゃくちゃ整備されていました。

駅もきれいで、電車も短い間隔で時間通りに来ていました。

次に、新幹線。
上海から杭州まで(東京から静岡くらいの距離)新幹線に乗りましたが、片道一人73元(=1200円弱)でした。
中国は、平均年収が日本の4分の1ですので、値段はそこまで安くはないですね。

最後に、リニアモーターカー。
実際には乗りませんでしたが、空港から市内までに、最高時速400km超えのリニアモーターカーで行くことができます。
片道50元(=800円)しかかからないみたいです。


政府

次に、簡単に中国政府(=共産党)について思ったことを書きます。(あまりクリティカルなことを書くとやばいのでほどほどにしますw)
中国は共産党の一党独裁で、その支配を続けるために、政治的キャンペーンがかなり多いです。

今回の旅行もいたるところでそれを感じました。
写真メインで紹介します。

ホテルの最寄り駅を出てすぐのところにある壁。
富国とか、愛国とかかいてありますね。

駅のエスカレーターの壁。
社会主義の核心理念を掲げてますね。

新幹線の時刻表の横に。
「習近平の思想と社会主義思想を心に刻み、社会主義的現代化のために頑張ろう」みたいなことを言ってます。

新幹線の待合ホーム。
「共産党の理念を勉強しよう」

ある中国の雑誌の会社が出している読書カフェ(蔦屋書店みたいなもの)に習近平のコーナ―が設けられていました。

また、写真を撮るのを忘れたのですが、上海のメジャーな観光地の至るところに、共産党の理念を紹介する掲示がありました。

少し話が変わりますが、新幹線のチケットを買う際、「居民証」という中国の身分証を要求されました。(日本人の彼女はパスポートを要求されました。)
これも、誰がどこにいるのかを政府が把握できるようにするためなのかなと思いました。


これから中国の政治がどうなるか見守っていきますw


いきなりですが、皆さんは中国人に対してどういう印象をお持ちでしょうか?
「声がデカくてうるさい」「マナーが悪い」などのイメージなどありませんか?

正直僕もそうですw
銀座のユニクロの前で中国人観光客が道を塞いで大声で話しているのを見るとイラッとします。

しかし、今回は地元ではないため、これらの面を客観的に捉え直すことができ、少し印象が変わりました。

一般的に中国人は、「他人に迷惑だから〜〜するのをやめよう」と考えることが少ないと思います。
これは、昔の教育水準が低く、特に上の世代では、あまりそういう教育を受けてこなかったことが大きな原因です。(若い世代はだんだん良くなっています)

しかし、これに加えて、中国人はあまり他人を気にしないのです。
自分たちの会話が赤の他人に聞かれていても、何とも思いませんし、カップルは人前でかなりイチャつきます。
このような価値観があるため、「他人に気を遣う」ことも必然的に減ってしまうと思います。

また、他人を気にしないことと表裏一体ですが、他人に対する期待値も低いです。
自分が赤の他人に気を遣わないので、逆に同じことをされても気になりません。
つまり、そもそも迷惑に感じる事が少ないのです。

このような価値観があるため、日本に来る中国人観光客は煙たがれるのかもしれませんね。


最後に、中国の接客について少し書きます。

小さい頃から、中国の接客は態度が悪いと、いつも愚痴っていた記憶があります。

しかし、今回そのイメージが変わりました。接客スタイルが日本と違うだけだと気付きました。

中国では、「客」と「店員」の関係ではなく、「人」と「人」です。

上下関係はありませんし、敬語も使いません。(そもそも中国語には敬語はありません)
普段から元気な人は明るく接客し、暗い人はだるそうに接客します。
話好きな人は接客中にいろいろ聞いてくるし、態度がでかい人は接客中も偉そうです。

みんなありのままの自分で仕事をしていて、「接客モード」というものがありません。

そのため、店員もリラックスしていて、店員さんと会話が弾むことも何度かありました。

日本のおもてなしの心も素晴らしいですが、中国のフラットでストレスフリーな接客も良いなと思いました。


さいごに

日本と中国、お隣なのに社会も政治も文化もかなり異なっていることを再認識しました。

また、中国のことをより深く知れてよかったです。

みなさんも是非中国旅行に行ってみてください(^^)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?