ホラーQ_Anote見出し_山白朝子先生

山白朝子先生が答える!『プロに聞く!ホラー作家になるためのQ&A』(第1回)

絶賛作品募集中の『ジャンプホラー小説大賞』。その記念企画として、ホラーを愛する作家の方々に、連続インタビューを行います。プロが語る、ホラーとの出会い、作品を書く上での秘訣やテクニック、心得など……受賞を目指す皆さん、ぜひ先生方のご回答を、作品執筆の助けにしてください。

第1回は、山白朝子先生へのご質問です。

山白朝子先生 プロフィール

2005年、怪談専門誌『幽』でデビュー。同誌に多数の短篇を発表している。
著書に『死者のための音楽』、和泉蝋庵シリーズの『エムブリヲ奇譚』『私のサイクロプス』、最新作の『私の頭が正常であったなら』がある。

『私のサイクロプス』(角川文庫)


Q1.ホラーにはまるきっかけになった体験や本、人生を変えた一冊などを教えてください。

A.
保育園に通っていたとき、おなじクラスの子が死にました。今にしておもえば、死というものにはじめて触れた体験でした。ホラー作品に接するとき、もしかしたら、その子のことをおもいだしているのかもしれませんね。ちなみに人生を変えたホラー小説は『玩具修理者』(注1)です。
※注1『玩具修理者』(小林泰三、角川ホラー文庫)


Q2.ホラーを書くうえで大事にしていることは何ですか?

A.
学園の七不思議という題材は避けます。みんなが書きそうな題材は避けます。それと、臭いや、肌触りの描写を意識的にはさみます。


Q3.作品のアイデアはどのように作り出しているのですか?

A.
主人公が周囲の人に【嘘】をつくような状況をかんがえます。【嘘】がばれそうになったり、それを切り抜けたり、そこから生じるサスペンス性は物語への求心力となってくれるでしょう。読者は、【嘘】がついに破綻して主人公の正体を周囲の人々が認識する場面を想像しながら読み進めてくれます。その場面を読むまで、読者は安心できないのです。「先が気になる!」という印象を与えることができるので効果的です。

Q4.デビューを目指す人へメッセージ・アドバイスをお願いします。

A.
小説には書き手の人格が現れます。書かれたものを読めば、どんな人が、どのような精神状態で執筆したのかが伝わってくるのです。だから、書くことに畏れを抱きはじめたとき、あなたは、ほんとうの意味で作家になれるのです。


山白朝子先生、ありがとうございました!

『私の頭が正常であったなら』(角川書店)


次回(第2回)は、平山夢明先生です!


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