ゲーム実況の悩みと逃げと迷走

noteを休止して、かれこれ1年以上ゲーム実況配信者・動画クリエイターとしての活動に没頭してきましたが、その体験を通して学んだことを整理したいことと、その内容が
・目標に届かず辛い人
・手っ取り早く結果を求めてしまう人
・初心を忘れてしまった人
のお役に立ちそうでしたので、書きました。

ブログ・動画投稿・配信をされている方、今後されたいと思ってる方、もしくは全く違う分野でも同じように悩まれている方にも向けて、赤裸々に語ります。ぜひ最後まで読んで頂けたらと思っています。

ゲーム実況を始める

今でこそ私がバイリンガルであることを使って、ゲーム実況をラジオ感覚で楽しく観ながら・聴きながら、英語の学習・リスニング練習に役立ててもらうというテーマでやっていますが、元々はこんな軽い感じでゲーム実況を始めました:

ゲーム(スプラトゥーン)が上手くなりたい。上手くなるところを応援してもらって、アドバイスもらって、時には一緒に興奮や落胆を感じてもらって、みんなでワイワイと楽しみたい。

↑これ、大事なとこなので覚えていてください。

でもですね、YouTubeでゲーム実況チャンネルを立ち上げて3ヶ月経ってわかったことでも書きましたが、びっくりするぐらい誰も見てくれないんですよ。ずっと視聴してくれてる人ゼロなんですよ。え、辛っ!!!

だからずっと独りでゲームをして、独りでブツブツ画面に向かってずっと話かけるというカオスな状況が続きます。

そうなるとですね、前述の記事で書いた通り、視聴者を稼ぐにはどうすればいいか、という底なし沼にはまり始めるわけです。そして、「付加価値を提供しない限りは世の中は誰も見向きもしてくれない」、というところまではよかったのですが、どんどんなんか違う方向に1年くらい全力疾走し始めました。

結果的に別にそれが悪い・悪かったとは思いませんが、自分的には迷走した挙句、何かを見失っていたな、と最近やっと気付けたので、よかったらこの迷走っぷりを読んで皆さんもなにかを感じとって頂けたらこれ幸い。

迷走①ノウハウ

根本的な最初の迷走がノウハウです。というか、ビジネスの世界にいる身としては、基本的に型にはまる・はめようとします。かっこよく言えばフレームワークってやつですね。成功のテンプレートがどこかにある、それさえ見つけられれば手っ取り早く成果を上げれる、と心のどこかで思ってました。いや、だってサラリーマンの世界ってそうじゃないですか?いかにショートカットするかでしょ?

結論を言っちゃうと、んなもんねえ!wです。いや、もちろん見やすい・思わずクリックしたくなるサムネやタイトルとかは視聴してもらうには大事ですよ。基礎は大事です。それとこれは違います。

でも、「3ヶ月頑張ればYoutubeアルゴリズムが認めてくれる」とか、「人気の出てない動画は削除したほうがいい」とか・・・もうインターネットにはあり得ないほど真意もわからん情報が転がっています。

御多分に漏れず、僕もほぼ全部調べたし、鵜呑みにしたし、やりました。SEO対策から、有名クリエイターと同じメタデータを使うとか、いやもうエグイくらいに。多分いくつかはアウトのものもあったでしょうね(ちなみにそれらの動画は既に全て削除しています)・・・

効果なんて全然感じないのに、リアルに実況配信している時間以外は一時期これに全ての時間を使ってる時もありました。なぜって?

だって視聴者さん欲しかったんだもん☆

迷走②好きじゃない編集動画

今はTwitchで生配信していますが、開始当初はYoutubeだったので、やっぱりチャンネル伸ばすには編集動画を作らないといけない、ということに気づきます。そう、Youtubeは動画配信サイトではなく、動画投稿サイトなのです。

さぁ、うっすらと皆さん感じ始めるはずです。あれ、お前ゲームが上手くなりたかったんじゃないのか?と。そう、なんでかわからないですが、生配信の時間以外の時間を、ゲームじゃなく動画編集にあて始めちゃいます

もちろん、それが好きだったらいいですが、僕は動画編集は特段好きでもないですし、自分がそれに向いているとも一切思えませんでした。でも編集ってみなさん知らないかもしれないですが、動画の尺の数十倍は作成する時間がかかるものなんですよ。

すごく時間を奪うし、じゃあ編集動画は生配信以上に視聴数が多かったのか聞かれると、むしろ低かったです。萎えるわぁ・・・。もはや苦行。

にもかかわらず、動画編集に時間を注ぎこみ続けます。なぜって?(リピート・アフター・ミー)

だって視聴者さん欲しかったんだもん☆

迷走からの休憩:編集動画を辞める

まあ、そんなの長続きするわけないですよね。数か月後、字幕付きの動画がどーーーーーーーーしても作りたくなくなり、辞めます。僕は実況生配信がしたいのであって、動画を作りたいわけではない!!ドン!って感じで。

Youtubeでの投稿を辞め、ゲーム実況生配信に特化したTwitch一本でやっていくことにします(とはいえYoutubeのチャンネル登録者様のために1周年記念まではライブアーカイブはアップし続けましたが)。

そこから実はしばらく幸せな時間が続きます。SEOも編集もしなくなると、人間何をするかわかりますか?そう、配信と練習なんですよ。配信時間を伸ばし、スプラトゥーンの練習も仕事終わりにし始めます。

そうなるとですね、ゲームでも手ごたえを覚え、自己ベストを出したり、タイミングよく視聴者さんが増え始めちゃいます。

でも、なぜか、なぜかそこで勘違いをし始めます。

人々はゲームの上手いやつしか興味がないんじゃないか?要は上手ければいいんだろ?、と。

迷走③ゲームの上手さ=ゲーム実況の人気

ついにそこに行ってしまいました。ザ・脳死ですね。要は上手ければいいんだろ?って・・・。高身長だったらモテるんだろ、と同じレベルです。ちなみに低身長だって人権はあります。

いや、まあ、多少はね、あるでしょうよ。上手いに越したことはない。

これは実際ゲーム実況していると(しかも中途半端に上手いと)、すごく払拭しずらい感覚です。自分自身、すごいプレーを観ると感動するし、間違いなく基礎的な部分ではあります。でも、その人を見続けるかって上手いだけなのかというと、自分は全然そうじゃないです。なのに、上手ければいいってどうしても思っちゃいます。なぜって?

その方がシンプルで簡単だからですよ。

だって、「ゲームの上手さ=ゲーム実況の人気」だったら人気になるの、超簡単なコンセプトじゃないですか?練習して上手くなって、適当に動画上げるか配信すればいいだけなんですよ。僕みたいなビジネスの世界にいる人間は、こういうシンプルな図式が大好きです。自己啓発本とか、ビジネス書って大体こういう仕組みでしょ?

でもね、現実はそんなシンプルじゃない。だって考えてみましょうよ。世界1位のプレーヤーって、必ずしもその世界で一番人気ですか?なんでプロゲーマーを辞めたStylishNoobさん、SHAKAさん、SPYGEAさんが現役のプロゲーマーより人気なんでしょうか?

僕も例えスプラトゥーンの世界で上位1パーセントになってても、そもそも自分より上手い人は1万人くらいいるし、その全員が人気になれるはずがない。頂点に立ったとしてもそれ以外の何かがないと、結局は人気は得られないのです。

それが一体なんなのか?わかっていたらこんな記事書いていませんが、人が求めてるものがわかるまで、そしてわかっても常に探し続ける、それをして始めて人気を得るのではないかと思います。

とまぁ、閑話休題。上手さだけを求めると、負けることに対して敏感になってきます。ゲーム配信あるあるですが、試合の結果画面や倒されたりするタイミングで視聴者がいなくなることって実は結構あるんですね。このころにはギリギリ両手に収まるくらいの同時視聴数だったので、その数字の上下に敏感になっていました。

でも、勝っても負けても正直いなくなる人はいなくなるんですよね。単純に時間が合わなかったのか、一試合だけ見ようと思ったのか、合わなかったのか、色々物色しているのか。

だがバットしかし、「ゲームの上手さ=ゲーム実況の人気」の思考回路だと、負けたからいなくなった、とか。今のプレーが下手だと思われたからかも、とか。なんだかずっと品定めされている気分になっていき、常にナーバスな状態でプレーすることになります。

名作漫画の宇宙兄弟でもアンディが言っていた状態に近かったです:

教官の前でペンを落としただけでも・・・「注意力が散漫な奴だ」と思われ減点評価されるんじゃないかとビクつくことさえあった

宇宙兄弟 16巻より

そして最終的にはゲームも数字的結果だけを追い求めてしまいます。楽しむどころか、それまで気にしていなかった数字の上下(視聴数、ゲームのスコア)だけしか考えなくなります。簡単に言えば、自分を必要以上に大きく見せようとしちゃったんですね。

そうなると、もはやゲームも楽しくないし、モチベーションも下がるし、ストレス溜まるし、びっくりするぐらいあんなに大好きだったものをやりたくなくなります。そう、スプラトゥーンを辞めたいと思うくらいに。

そして他ゲームに逃げ始めます。そう、よく観てくださってる方はわかると思いますが、これ結構最近までの話です。

迷走④周りとの比較

それにさらに拍車をかけたのが、他人との比較という、この世で一番やってはいけない禁忌です。ついにやってしもた・・・だから人体錬成はダメって言ったのに。

Youtubeは基本誰がチャンネル登録しているかはプライバシーの観点からデフォルトは見えない仕組みになっています。一部登録者側で見えるように設定されている方や、多くは同業者(動画投稿者)しか見えません。

そう、同業者は公表設定にしてる人が多いので見えちゃうんですよね、チャンネル登録してくれて、しかもその人が何人チャンネル登録者を持っているかさえも。

ある日ですね、自分より少ない登録者数の方が、チャンネル登録してくれたのですが、エグいバズり方をして急激に伸び始めるんですね。

そして焦ります。え、やっぱ伸びる秘訣って編集なのか?って。自分はゲームと生配信に力注いでたけど、それ間違ってたのか?と。

はい、無限ループきました!!!編集動画作成のフェーズにまた戻ります。

まぁ、正直スプラトゥーンが辛くなってた時期だったので、逃げの部分もあったんでしょうね。共通して言えることは、後悔する判断は常に楽をしようとしていた、に尽きますね。

スプラトゥーンの練習もしなくてよくなるし、他ゲームをやるにも編集動画に力を入れてるという大義名分もあるし、編集動画様万歳でした。こうなると全ての時間を編集に費やします。週に20~30時間は編集に費やし始めます。

そして何より、全てを数字で考えることが染み付いてしまった。当初始めたころはチャンネル登録者数だけを伸ばすのが嫌だったので、相互フォローするとか、お金でフォロワーを買うとか、視聴数だけを稼ぐだけの活動とか、一切しませんでした。そんなの意味ないよ、と心の底から思ってました。純粋だったのですね。ピュアな気持ちでクリエイター活動してました。

どこで間違ったのでしょうか、気づけば他人と数字を比べて、数字だけを見て、数字だけに着目して。なぜって?(せーの!)

だって視聴者さん欲しかったんだもん☆

迷走⑤広告に手を出す

さて、最終奥義がでますよ。そう、おじぇじぇ(お金)を使い始めます。生配信で、幸いにもギフト(投げ銭)をくださる方がいるので、その使い道をどうしようかなと考えたときに、チャンネルに還元しようと思いました。

それ自体はよかったと思います。でも、数字にギラギラしているときにやってはいけませんでした。

だってね、広告打つとめっちゃ伸びるんよ!

今まで見たこともないインプレッション、動画再生数、チャンネル登録者数の増加!!もう、ウハウハですよ。ついに俺の時代来たわって。

視聴者層の情報量も増えて、自分の動画を見た人は統計的に何時頃に視聴していることが多いかとか、動画のどこで離脱しているかとか、非常に価値のあるデータが手に入ってしまったのです。そう、データ。数字。

ただ、広告は驚くほどの速さでお金を喰っていきます。視聴者さんから頂いたギフトなんて一週間ももたず蒸発。でも一度味わってしまった禁断の果実。身銭も切るのは当然と思い、頂いたギフト分と同額だけと決めて自腹も切る。それも一瞬で散る!でも伸びてるし伸ばし続けたい!どうする?もっとぶっこめー!!!オール・イン!!!!!!!

・・・そして最終的には、「自分はフルタイムで働いていて、資金力が戦略的優位性なのかもしれない」と落ちるところまで落ちます。いやぁ、恐ろしい。

でもある日、違和感を覚えてきます。確かに伸びてはいるんだけど・・・あれ?これ、広告出してる時しか伸びてなくね?って。

試しに一日広告をオフにしてみます。

始める前の視聴数に戻ってるwww\(^o^)/オワタ

そして追い打ちをかけるように請求書が届きます。金額はあえて伏せますが、1~2か月で諭吉さんが団体旅行に行かれました。編集動画作成の時間も含めて、自分が費やしてきたものはなんだったのだろうか・・・

相互フォローするとか、お金でフォロワーを買うとか、視聴数だけを稼ぐだけの活動とか、一切しませんでした。そんなの意味ないよ、と心の底から思ってました。

耳が痛い。・・・どうしてこうなったんだろうか?

だって視聴者さん欲しかったんだもん☆

迷走からの脱却①「悩みどころと逃げどころ」

さ、そろそろまとめますか。ふらふらとしている中、本屋さんでたまたま「悩みどころと逃げどころ」という本に出会います。この記事のタイトルもこの本のタイトルをお借りしています。自分が読むべきタイミングで出会えた本です。ガチで良著なのでぜひご一読ください。

社会派ブロガーである、ちきりんさんとギネス記録持ちで日本初のプロゲーマーである梅原大吾選手の対談本です。この本では教育の在り方を問う本なのですが、話している中身がグサッと刺さります。

「社会的評価が目的だと、すごくテクニカルな頑張り方になる。有名になるにはどういうメディアに露出すればいいか、みたいな本質的じゃないことに時間を使うことになる」

- ちきりん (「悩みどころと逃げどころ」より)

タイムリーツーベースヒット!!!ちきりんさん、ありがとうございました。そうなんですよね、自分の本質ってなんだったっけ?って考え直します。っていか、自分ってなんでゲーム実況始めたんでしたっけ?(皆さんはちゃんと覚えてますか?)

ゲーム(スプラトゥーン)が上手くなりたい。上手くなるところを応援してもらって、アドバイスもらって、時には一緒に興奮や落胆を感じてもらって、みんなでワイワイと楽しみたい。

僕は、ゲームが大好きで、ゲームが上手くなりたくて、みんなとわちゃわちゃしたかっただけなんです。思いっきりエネルギーの使い道を間違えてました。ちゃんと練習してたら既にあこがれの上位勢にもなれてたかもね・・・。

完全に初心を忘れていました。

迷走からの脱却②HIKAKINの動画

そんでこれもまたタイムリーな動画「最強ゲーマー3人に高級時計すすめたら豪邸建つ金額の時計購入!?『SHAKA・StylishNoob・SPYGEA・HIKAKIN コラボ』」を我らがHIKAKINさんが投稿されます。

超高級時計を変えるくらい夢のある仕事としてだけ紹介するのではなく、後半の対談が特に面白く、胸に刺さりました。

今でこそ大人気ストリーマーの彼らも別に人気になることを求めていたわけではなく、ゲームが好きだったから続けていて、それが結果として花開いただけ、とのこと。だから人気になる方法なんて言葉で説明するのは難しい、と。

そしてStylishNoobさんの名前の由来も、Stylish(スタイリッシュ)になりたいけど、Noob(初心者)の気持ち(初心)を忘れない

どれも耳が痛いですね。自分、恥ずかしい(´>///<`);

迷走からの脱却③自分の過去のブログ記事

そしてこの熱いパトスをどこかにぶつけたくて、noteを1年ぶりくらいに開きます。
過去の自分の記事を振り返ってみると、始めたころの自分の方が真理に近いことを知り、驚愕します:

YouTubeを続けるコツとして以下を学びました:
・ただただ楽しむこと
・自分の思ったことを信じてすること
・結果にこだわらないこと
そして、無駄な宣伝に時間を費やすくらいであれば、通訳力をあげたり、ゲームのスキルに磨きをかける方がはるかに大事だとも学びました。

YouTubeでゲーム実況チャンネルを立ち上げて3ヶ月経ってわかったこと

ごめん、過去の自分。君が100パーセント正しい。

それを証拠に、なんだかんだ何も特別なことをしていないTwitchのチャンネルの方が着実に伸びてるし、実況生配信してる時が一番幸せと感じるのです。

しかも、リピーターも多くなってきてて、本当の意味でのフォロワーさんが増えてますし、顔色が良くないときは心配もしてくれる。いっぱいチャット、ノリツッコミ、アドバイスもしてくれます。

自分が目指していたのって、これじゃないのか?

原点に戻る

色々と紆余曲折しましたが、この体験を通して学んだことは以下の通りです:

  • 初心を忘れない

  • 楽(ショートカット)をしようとしない

  • 結果だけにこだわらない

そして今後ですが、この反省を踏まえて以下の通りの運用をします:

  • スプラトゥーンの練習時間と配信時間を増やします

  • 編集動画は簡単に作れるShorts以外辞めます

  • 広告・視聴者を集める活動などを辞めます

みなさんも、全く一緒ではないけれど、似たような経験がおありなんじゃないかと思います。結果ばかりに目がいってしまって、楽しかったものが辛くなっている方は、一瞬立ち止まって、初心を思い出されてみてはいかがでしょうか?

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