嬉しいご報告と確信


いつも日常生活を応援・心配してくださっている皆さまへ。

本日、2020年8月19日 11:35 待望の第一台が我が部屋にやってきました。壁、クーラー・室外機ともに無事だということを取り急ぎご報告させていただきます。

喜びや懐古など複雑な感情の根がはられており、今のこの感情をうまく文字に落とし込むことはできないのですが、とりあえず1番はほっとしています。

他の人のクーラーの取り付けには何度か立ち会って、感動や悔しい思いもしてきましたが、今回は自分の部屋の取り付けとあって、ただただこれまでの我慢が感動へと昇華し、作業員の方がリモコンのスイッチを入れた瞬間、我が子のヴォォという誕生の産声に震えました。

2時間という取り付けとしてはありがたいことに一般的な時間かもしれませんが、ほんとうによく頑張ってくれた最愛の壁と、作業員の方には感謝しても仕切れません。
またこのクーラー購入には定額給付金をあてさせていただきました。お国様・府市様ありがとうございます。

今僕は新しい家族とこうして新しい命を迎え入れる事ができましたが、実は2年ほど前までちょうど3年間一緒に住んでいた友人との間にはクーラーが出来ませんでした。
僕は彼からある日ほぼ突然に、出て行こうと思う。と告げられたのですが、今ならやっと彼の胸の奥がわかります。
あの時無理やり飲み込むしかなかった、学校が決まってそこに近いところに引っ越したい。と言う違和感のある冷たい言葉の裏には、僕の部屋にクーラーがないという陰が、初めは小さかったその暗闇が、いつのまにか身動きができないほどに大きく心を覆っていたのだと思います。

あの時に暮らした九条のマンションはあまりに風通しがよくたまたま熱中症にもならなかっただけ。今のマンションに来て昨年の夏に初めて熱中症になり動けなくなったが、このまま一緒に住んでいてもいつかそうなる。
彼にはわかっていたのだろうと思います。

扇風機と風鈴だけで涼をとるしかなかったあの部屋で迎えた2度目の夏、とても風が強い日に家に帰ると、いつものチリンという音が消えていて、畳の上にバラバラになった風鈴のかけらが散らばっていた事がありました。
ため息をついて破片を片付け、掃除機をかけ終わり一息ついて、大丈夫か?と心配してくれている彼に対して僕は、また明日新しいの買えばいいし。と強がりました。
彼はせやな。と小さく笑って自分の部屋へと帰りましたが、あの時割れて粉々になったのは、風鈴のガラスではなく、彼の心だったのかもしれません。

来月引っ越そうと思うねんけど。
僕の体を冷やしたその言葉は、割れた心をかき集めて、2人の将来のためにと熱い熱い胸の奥でガラス同士をもう一度くっつけるように絞り出してくれたのでしょう。

大切なことはいつも後になってから気づきますね。

26歳の秋に祖父の家を出て以降、クーラーのない部屋に住んで約7年、今年で7回目の夏が過ぎようとしています。これからは熱中症に恐怖することのない静かな夜を過ごすことが出来そうです。
涼しくなる朝になるまで寝れなくて、冷えピタと氷枕で頭を包んで、また暑さで3時間ほど目を覚ましてしまうこの寝不足の8月を僕は絶対に忘れません。

部屋の中には冷たい風が、そして外には猛暑の夏の空気よりさらに熱い風を吐き出すクーラー。
みなさんには笑われるかもしれませんが、僕はある一つのことを確信しています。

このクーラーは彼の生まれ変わりなのだと。




涼しくて少し眠くなってきました。

クーラーの感動を伝えたくて、無理やり出産とか前のルームシェアと結びつけてみましたがもう限界です。
生まれ変わりとか言ってますが彼は生きていますし、たまに連絡もとって会ったりしています。

早起きして眠いのもありますので、今から一発、憧れの昼寝をさせていただきます。

いつも身体のご心配いただきましてすみません。これからも油断せずますます健康に留意し生活していきたいと思います。皆さまにおかれましても、どうかこの猛暑を無事に乗り切られますようお体ご自愛ください。

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