スクリーンショット_2019-06-07_14

「新たな時代の音楽番組を目指して」

スコラ坂本龍一音楽の学校、ムジカ・ピッコリーノと僕は10年近く音楽教育番組に携わってきました。歌番組のような頻度ではないにせよ、それなりに演奏シーンを撮影してきました。そういう中で新しい形の音楽番組、歌番組というのができないかといつもぼんやり考えているのですが、今回はそのあたりに切り込んでみたいと思います。

まず、ミュージシャンの演奏が映像に残る機会は現状どんな形があるのでしょうか。大雑把にいうと次の4つ

1)公式ミュージックビデオ 2)ライブ演奏シーンを撮影したもの 3)歌番組4)Youtubeで自分の演奏を撮影したもの

この中で僕が興味があったのは断然、3)歌番組と4)Youtubeで自分の演奏を撮影したものの二つ。

その魅力は、いずれも、生演奏している姿をいかに撮影するか、演出ができることです。

1)のミュージックビデオはあらかじめ録音された音に合わせて映像を演出します。生演奏ではないのです。2)のライブ演奏シーンの撮影は、生演奏の記録ではあるのですが、ライブ自体の演出にはタッチできません。

ぼくは生演奏を撮影しつつも従来の音楽番組のような演出とも違う、新しい音楽番組がつくりたいと常々おもっており、今週ついにその一歩を踏み出しました。

具体的にいうと、MVよりもドキュメンタリー的な立ち位置の歌番組、音楽番組と言えるかもしれません

それでは、今回僕がリリースした次の二つの動画をご覧ください。

君島大空という注目のシンガーソングライターの演奏シーンの記録です。

僕は、君島大空の手が美しいと思いました。そして、ある人は、君島大空の横顔が美しいと言いました。演奏をしている君島大空は、あらゆるディテールがとっても、緻密な動きをしているのです。というわけで、君島大空のディテールだけを撮影しようと思ったのです。

もう一つご覧ください。

こちらは、一台のカメラを真正面に構えて、全く動かないカメラが演奏者を撮影するという方法です。ある意味カメラワークというのは撮影者の意思ですから、ある意味音楽の別にメロディが画面に乗ってしまうことでもあると思っています。それを上手に成立させるのがいわゆる歌番組の撮り方ですが、僕はあえて今回それをまったくやらない撮影方法を試しました。

今回撮影した2本の映像はホテルの1室で撮影しました。そのおかげでとってもプライベートな雰囲気が撮影できたと思います。ミュージシャンの演奏というのは本当に雰囲気一つでがらっとかわります。こういった静かで親密なコンサートみたいなフォーマットは実は新たな音楽番組のありかたのひとつなのかもなと思っています。

そして、これを機にYoutubeチャンネルを立ち上げました。ご興味持っていただける方はぜひチャンネル登録お願いします。

これからもコツコツとミュージシャンを静かに撮影していき、ミュージシャンにも、見てくださるみなさんにも、親密な歌番組チャンネルを育てたいと思っています。

最後にすこし話はそれますが、君島大空が海辺で鼻歌をひとつ見つけた時の映像をご紹介します。

鼻歌は観客を意識して歌われるものではありません。しかし、それが聞こえてしまった時、ぼくは思いがけず、心の世界に踏み込んでしまったような、感じがします。

人に聞かせる為ではない音楽って面白いです。そういう心の中にある音楽みたいなものを撮影したいです。

親密な音楽というのはそういうものかもしれないと思います。

皆様にサポートいただけたらとっても励みになります! インディー精神忘れず日々邁進。 どうぞよろしくおねがいします!