イギリスのアンビエント、エレクトロニカを主にレーベルカラーとするAssembly Fieldからリリースされた作品。

海辺にてフィールドレコーディングを駆使してレコーディングされた素材とシンセを基本とするアンビエントサウンドが徐々に融解していく過程はOvalなどを連想させる。しかし、Rhucleは下手な料理はせずに素材を活かしたサウンドプロダクションを意識している。時には波とカモメだけの砂浜にただ座っているような、それでいて風景すら真空パックしているような、ただそれだけ。

クレジットに

All tracks and artwork by Rhucle
Photo by Yudai Uchida
Cover woman is Kisa Mitsubishi

とあるように日本人も関わっているようだ。ハッキリと見えないがこれから流すのか、流れ着いたのか定かではないボトルメールらしきものを眺める女性の表情がとても気になる。誰かに想いを馳せているのか。ただ日常に疲れただけなのか。

自分で言うのもなんだが、こういう音楽は文脈とかトレンドからは分離して、ただ寝る前に導入音のように聴いて楽しんでいる。単純に「音が流れている」ことを実感できる瞬間、なかなかないもんで。