安全な作品を作るには:体験型作品展示の安全管理チェックリスト

学生や作家の方、展示などで体験型の作品を制作方々向けの、危険な所や使い方はないかという安全管理のチェックリストです。安全管理と言いつつ、展示全般のノウハウなども入ってます。博物館の設営マニュアル、遊具や玩具の安全チェック、作成者の経験などからこのリストは作られています。
これを守れば安全ということはなく、火気を伴ったり、大型の構造物等は、消防法や建築法なども関わると思いますので、専門家の方に相談してください。このチェックリストは目安にしてください。
また追記情報や補足などもありましたら、ぜひコメントで記入してください。すぐに反映させます。

※最新版はこちらのGoogleDocsになります。

(2018.7.23更新)

形状

□ 誤飲してしまうような、取り外せる小さな部品は無いか。(32mm以下の部品)
□ 衣服が引っかかるような尖った場所はないか。
□ 開閉部など指を挟むような構造になってはいないか。
□ 耐荷重。板は薄すぎないか。柱は十分か。 http://rakutin.himegimi.jp/index-tawami.html
□ 迷路のような体験者が長い空間を移動する作品の場合、途中で逃げ出せる非常口はあるか。
□ 尖っているパーツはないか。触れる場合、丸みを帯びた設計にする。
□ 展示台や展示物は不安定ではないか。床や壁に固定する必要はないか。地震時に体験者の上に倒れることはないか。
□ 密封された空間ではないか。空気穴はあるか。
□ 手持ち型の装置など体験者が持ち帰れるようになってないか。必要なら紐などで台と繋げる。
□ 装着型の装置は、身長体重が異なったとしても付けれるような工夫がなされているか。フリーサイズあるいは、複数のサイズを用意する。
□ 音や手すりなど視覚障害者のための誘導はされているか。

素材

□ 体に有害な素材ではないか。(PVC、アスベストなど)
□ 化学反応によりガスが発生することはないか。
□ ガラスが割れて体験者を傷つけるようなことはないか。プラスチックに替えることはできないか。
□ 子供用の展示物は口に入れてしまう可能性を考えて、万が一口に入れても安全な材料を使用する(例えば塩化ビニルテープなどは使用しない)
□ シャボン玉など飲み込む可能性のあるものは安全な液にするか、ポンプで作るようにする。
□ 細かい粉などを扱う場合で吸引する恐れはないか。

機械

□ モータなどの回転部にカバーはあるか。指や衣服が巻き込まれることはないか。
□ モータに顔が近づく場合、髪は隙間から入って絡まってしまうことがある。髪が入らないような構造にする。また緊急停止装置も用意する。
□ モータを使用して、上下に重いものを上げ下げする場合は、落下防止の紐を付けているか。
□ ゴムなどの張力でものを飛ばす展示は、体験者の方向に飛ばないような工夫がされているか。
□ 触ってはいけない場合、届かないような柵は用意されているか。
□ 振動によってネジが緩んでしまう場合がある。ゆるみ止めナットなどが使われているか。
□ モータの振動が床に伝わって騒音になってないか。
□ 頭部を挟むような設計になってないか。
□ 何度も耐久テストを行って故障などの問題はなかったか。
□ 乗り物や大型の機械など万が一体験者の危険がある装置に、緊急停止ボタンは用意しているか。
□ 乗って動く作品の場合、シートベルトは付けているか。ヘルメットは必要か。
□ 装置などの予備は必ず用意しておく。

電気

□ 電源は接地に繋げられているか。
□ 展示用の電源スイッチは体験者は触れず、スタッフのみ触れるようになっているか。
□ 高電圧のケーブルは絶対に体験者に触れられないようにする。ラベルもしておく。
□ 基板がむき出しで、体験者が触れれるようになってないか。
□ 電気刺激などを提示する体験ではないか。同意書が必要な場合がある。
□ 静電気が発生する展示で痛みを伴うものではないか。
□ コードドラムは巻いたまま使用していないか。発熱するおそれがある。
□ 運用中のパソコン等に来場者が触れられたりしてないか。
□ リチウムイオンバッテリーを使用する場合は、爆発対策をしているか。安価なものをしようしていないか、ショートしないようになっているか。

□ 熱くなるものが展示物に含まれていないか。(ホットプレートや白熱灯など)
□ 室内展示で熱くなる場合は、事前に確認を取る必要がある。
□ 熱源の近くに燃えやすいものはないか。
□ モータなど熱を持つものはヒートシンクなどで熱対策を行う。
□ 展示台内なども熱を持つことがあるので、ファンなどを設置して熱対策を行う。
□ 火や熱を伴う場合は消化器を用意しているか。
□ 展示中、定期的に状態を監視できるようになっているか。

□ 水を使う場合は建物の管理者に事前に確認する必要がある。
□ プールに浮き輪等を浮かべて、体験者が乗る場合は、溺れた場合の対策はなされているか。
□ 水を使う場合、床に水が溢れないようになっているか。
□ 床にビニールシートは貼られているか。
□ 体験者が濡れるような展示ではないか。濡れる場合はカッパなどの対策が必要。
□ 熱湯をあつかっているか。熱湯は体験者に絶対にかからないような設計になっているか。
□ 水の付近に電気系統はないか。感電する恐れはないか。
□ 子供が水を飲む場合を想定する。繰り返し使用する場合は消毒はされているか。

衛生面

□ 着衣する装置など、前の体験者が装着したものをそのまま付けてないか。
□ 肌に触れるものなどは、消毒したり、付け替え可能なガーゼを間に挟む必要がある。

食品

□ 食品を提供する場合はイベント主催側と合意が取れているか。
□ 市販されている未開封の食品を提供しているか。
□ 手作りの食品を提供する場合は食品衛生の許可が必要な場合がある。
□ ガスで調理する場合は、周りに発火するようなものがないか。電気や静電気が発生するものはないか。
□ 喉に詰まるような食品ではないか。

生物展示

□ 腐敗してカビなどが発生する展示物ではないか。
□ 腐敗して化学反応を起こして爆発しないか。(魚の腐敗物で爆発した事例あり)
□ 毒のある植物や生物ではないか。
□ 使用する木材等は自分たちで採取したものか。害虫等は入っていないか。

照明

□ 空間は暗すぎないか。体験者は転倒しないか。
□ 暗くする場合は足元に誘導灯などを設置する必要がある。
□ 暗い空間を進むような展示は、手すりや、紐などをもたせて誘導する必要がある。
□ フラッシュなど明るすぎて目を痛めることはないか。
□ レーザー光など体験者の目に直接入るような設計になってないか。

子供向け展示
□ 装着型の装置は子供のサイズも用意されているか。
□ 展示台は高すぎないか。最適なサイズ
□ 高くする場合は台を用意する必要がある。踏み台は高すぎ、あるいは横転しやすくないか。
□ 身長制限が必要な展示ではないか。安全バーやシートベルトが適切に止めれる身長であるか。
□ 通り抜けさせない穴は、100x157mm以下を守っているか。
□ 通り抜けさせる穴は、直径230mm以上になっているか。
□ 指が抜けなくなる穴や隙間(直径8mm以上25mm未満)は無いか。
□ 床面に足が挟み込む隙間(30mm以上)は無いか。
□ 安全領域(セーフティエリア)は確保されているか。高い場所に登れる場合は、クッション材の床などを用意したほうがいい。https://townscape.kotobuki.co.jp/sp/safetysp/standard.html

ワークショップ

□ 未就学児が参加するWSの場合、はさみは子供用のプラスチック製であると望ましい
□ カッターを使用するときは、使い方を教える。カッターの先に指がないようにする。
□ はんだ付けを行う際は、周囲に燃えやすいものを置かない。
□ テープカッターで指を切らないようにする。
□ 絵の具など汚れる画材は机にシートを被せておく


この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

239

山岡 潤一

研究者、アーティスト。博士(政策・メディア)。東京大学情報学環 特任助教(JST ERATO)、慶應義塾大学 非常勤講師。デジタルファブリケーションの研究やSTEM教育ロボットの開発、メディアアートなど Twitter @jun1chi

#デザイン 記事まとめ

デザイン系の記事を収集してまとめるマガジン。ハッシュタグ #デザイン のついた記事などをチェックしています。広告プロモーションがメインのものは、基本的にはNGの方向で運用します。
7つ のマガジンに含まれています
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。