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05. イパネマの街

イパネマは、比較的新しい街なのだそうです。30年ほど前に現在のような、ビーチとショッピングを楽しめる街として賑わいのある姿ができ上がります。

その隣街であるコパカバーナは、リゾート地として長い間リオの市民ばかりでなく、世界からの旅行客の人気をさらっていました。その理由は主に、ビーチの前に悠々と構えたリゾート ホテル「コパカバーナ・パレス」、ルイ王朝様式の建物です。ここには芸能人、政治家、実業家など錚々たる面々が訪れてきました。コパカバーナ・パレスを中心に、その両翼にも大きなホテルが立ち並び、ビーチを見下ろしているのです。高級レストランも多く、ショッピングを楽しむ人々が行き来しています。繁華街もイパネマよりは、ずいぶん大きい。しかし、大きいだけに雑多になってしまったように見受けられます。高級から低級までが同居している。ビーチ側だけを見ると高級リゾート地でも、その裏側を歩くと、雑然として楽しめない。観光でやってくる人々とその地に生活をする人たちが乖離している、それが端的に表れているのを見る気持ちは複雑です。

コパカバーナの次にリゾート・ビーチとして繁栄したのが、隣街のイパネマ、というわけです。イパネマは比較的こじんまりとして、歩いていても安心。東西に細長い街。それには理由があって、南側は大西洋に面したビーチ、そして北側には湖があります。海と湖に挟まれてその南北の幅は700m、これ以上には大きくなりようがありません。その湖の北側には標高700mの山、そう、キリスト様が立つコルコバード。下の写真はコルコバードの山頂から見おろした湖、イパネマの街と大西洋です。

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この湖の東(右)側の丘が高級住宅地です。市街地の中にありながらも山あり、湖あり、海岸にも近い、という条件です、ハイソの人々が好んでここに住居を求めるのは、よくわかります。ただし、高級住宅地と言ってもそれは比較的ということで、日本の環境を基準に考えると、まず失望します。整備された清潔な広い道路に面した邸宅が並び、高級車がゆったりと走るというイメージを抱くとしたら、それはブラジルではありません。そのようなところに、この国の人たちは興味もないように思えます。静かな事務所(住居)を出て、少し歩けば、ビーチがある、湖がある、それが贅沢です。大体、外を歩けばすぐに汗びっしょりになるようなところで、乙に澄ました夢を語ってもしょうがない。ブラジルの人たちの夢や楽しみは、自然から離れることがありません。

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