「TERRACE HOUSE TOKYO 2019-2020」検証報告を読んで。

テラスハウス出演の木村花さんが亡くなられたことに伴い、フジテレビによる検証報告が昨日ありました。(「テラスハウス 検証」で検索するとPDFが見つかって誰でも閲覧可能です)


既に母親の木村響子さんがコメントしているように第三者を交えない検証には大きな疑問があります。
2ヶ月弱という時間で、はたしてどこまで検証出来たのかとの疑問も残ります。聞き取り対象に木村花さんが心情を打ち明けていた人が含まれていないのは片手落ちの感が否めず、その点からも検証に時間をかけるべきだったと考えます。


台本、やらせは無かったとしていますが「演出の有無」については曖昧なままです。
報告書の7ページに制作スタッフが出演者に望むものとして「1番やってほしくないのは0を1にすること(ないものをあるように見せる嘘)」と記されていますが、例えば「1を10に見せる」等の演出は無かったのでしょうか?


SNS上の反応について炎上させる意図は無かったとしても、炎上の可能性を「予期する」ことは出来たはずで、その点を考慮しなかったのであれば制作側の能力の低さを認めるものではないでしょうか。

「出演者のSNSに脅迫や殺害予告など危険性のあるメッセージがあった場合には、弁護士を紹介して法的対応を検討し、また警備員を配置し、警察に相談するなどの対応を図っていました。しかし、それ以外の場合には、出演者とも話し合った上で、沈静化するのを待つという対応がほとんどでした」とありますが、具体的な脅迫や殺害予告などの書き込み以外は実質、見て見ぬふりだったのではないでしょうか?

「木村花さんへのネガティブなコメントは、配信映像の他の出演者に比して少なかったと認識」ともありますが、言うまでもなく数の問題ではありません。

また、DMについて制作者側が「しっかり把握するべきであった」とあり、SNSでの反応を把握しきれていなかったことを認めています。


さらに、誓約書について「一般に出演契約と言われるものであり、労働契約ではない」とありますが、これまでの慣例に則ったものであるならば労働問題として検証し直すべきものと思います。損害賠償の定義についても同様です。


前提としてフジテレビ、制作会社ともに海外でのリアリティショー出演者の自死など、リアリティショーそのものにどれほどのリスクが伴うものであるかの認識があったか、甚だ疑問を感じます。


報告書で制作側の落ち度があったことを認めてはいますが、しかしながら、やはり第三者による時間をかけた、より深く掘り下げた検証の必要性を強く感じます。

私は木村響子さんに連帯します。

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