信号機写真_国会前_

【信号無視話法】 VS山本太郎議員 2018年5月28日 参議院 予算委員会

2018年5月28日に行われた、参議院 予算委員会。
本記事では、自由党 共同代表・山本太郎議員からの質問に対する安倍総理の答弁を直感的に視覚化していく。具体的には、信号機のように3色(赤はダメ、黄は注意、青はOK)で視覚化する。

✳︎答弁内容は「山本太郎オフィサルサイト」の「12分の動画『うみ物語』」より引用
http://www.taro-yamamoto.jp/national-diet/8283

全体まとめ

文字数ベースで色分けした結果、総理答弁の実に69%(=黄51%+赤18%)が信号無視であった。さらに、わずか16%の回答は、内容的にはゼロ回答である。
(例)それは院がお決めになること、それは国会でお決めになること

それでは、具体的にどのような答弁だったのか3問に分けて見ていきたい。

Q1 記録と記憶はどちらが信用される?

まず、山本議員の1問目は以下の通り。

自由党共同代表、参議院議員山本太郎です。社民との会派、希望の会を代表し、質問いたします、安倍総理に。
(中略)
「記憶と記録はどちらが信用されると思いますか?」との蓮舫さんの問いに対し、柳瀬氏は、「片っ方がメモを取って片っ方がメモを取らなければ、常にこうだと後で言えるのは、それはちょっとさすがにおかしいと思います」と御答弁をされました。
総理、一般論でお答えいただきたいんですけれども、曖昧な記憶と行政文書の基となるために記録されたメモ、これどちらが信用されると総理は思われますか?

この問いに対する答弁を視覚化した結果。

冒頭は黄色(=質問の背景説明)、中盤から真っ赤(=論点のすり替え)という構成。

論点のすり替えは、いわゆる「ご飯論法」であった。
山本議員の質問:記憶と記録のどちらが信用されるか?
安倍総理の解釈:かぎ括弧の発言を議事録に残す場合の方針

結局、Q1の答弁では質問に対する回答はゼロ文字のまま終了した。

Q2 加計問題関係者の同時証人喚問を実現してくれる?

山本議員の2問目は以下の通り。

人間は記憶が薄れます。記憶が薄れ過ぎると柳瀬さんみたいになるんですよ。記憶失ったり、急に都合のいい記憶のみがよみがえったりするやからもいますから、だからメモするんですよね。
(中略)
総理、いつまでこの問題引っ張るんですか? って、是非一緒に一気に片を付けませんかという御提案です。
資料の②、これまで複数名が同時に行った証人喚問の事例。
一回の証人喚問で複数名が証人として出席し、同時に証人喚問を行った事例が過去四回あります。一回に集めて一気にやりましょうってやつですね。
委員長、安倍総理、加計孝太郎理事長、渡邉加計学園事務局長、柳瀬元秘書官、藤原元次長、和泉首相補佐官、前川喜平元次官、愛媛県の中村知事、一度に証人喚問してください。
(中略)
総理、この問題早く決着付けるためにも、この証人喚問が実現するように是非与党側の背中を押していただきたいんですけど、お願いできますか?
 いかがでしょう。

この問いに対する答弁を視覚化した結果。

冒頭から中盤にかけて真っ黄色(=質問の経緯説明)。質問者の山本議員は当然のこと、多くの国民も知っている加計問題の経緯を延々と丁寧にご説明頂いた後、ようやく青(=回答)があらわれる。
しかし、その内容はゼロ回答

Q3 疑われた方に説明責任がある考えは今も同じ?

山本議員の3問目は以下の通り。

では、本日のメーンテーマ、イラクの日報問題に移らせていただきます。よろしくお願いします。
(中略)
イラクでの日報、その原点は、当然、イラク戦争。2015年の安保法の審議の際、イラク戦争で起きた国際法違反である米軍による民間人の虐殺について、この先、米軍が民間人の殺りくを行った際にはそれを止めるように進言できますか、私がそう総理にお尋ねしたら、総理は、なぜ米国がイラク攻撃をしたかといえば、当時のフセイン政権が大量破壊兵器を保有していないという証明する機会を与えられたにもかかわらず、それを実施しなかったと、フセインが大量破壊兵器がないと証明責任果たさなかったから悪いという趣旨の答弁をされたんですね。この考え方、世界と真逆です。
(中略)
総理にお伺いしたいんですけれど、2015年とそのときのお気持ち変わりませんか? 大量破壊兵器なかったということを言えなかったフセインさんが悪かったんだという趣旨で、今も変わりないんですかね?

まず、この質問が非常に巧妙であることは先に補足しておきたい。
説明責任という観点において、イラク戦争に関する2015年の答弁と、現在の森友加計問題に対する姿勢に大きな矛盾があることを明らかにしようという山本議員の狙いがハッキリと読み取れる。

この問いに対する答弁を視覚化した結果。
青文字に注目して頂きたい。

イラク戦争については「疑われた方に説明責任がある考えは変わっていない」という趣旨の答弁をしながら、自身が疑惑の渦中にある森友加計問題の同時証人喚問については「国会でお決めるになること」とまるで他人事のような答弁。

説明責任に関して、イラク戦争と森友加計問題で総理の主張が矛盾していることが3問目だけで露呈されている。

「国会でお決めになることであります」

安倍総理のこの答弁を聞いて、山本太郎議員は以下のコメントで質疑を締めくくった。

余りにもあり得ないお答えやる気なしですね。膿(うみ)はあなた自身です。ありがとうございます。

改訂履歴

初版:2018/6/24 3:42公開
第2版:2018/6/24 12:28公開
 「全体まとめ」を追加
 「説明責任に関する総理の矛盾」を追加

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