【差別話法】菅官房長官 2018年9月25日午前 記者会見

官房長官の在任期間が2098日(2018年9月24日時点)となった菅義偉氏。2位の福田康夫氏の1289日を大きく上回り、歴代最長記録を更新中である。
NHKは2018年7月25日付の政治マガジンで菅長官の特集を組み、以下のように記している。

在任日数だけでなく、記者会見の回数も並外れている。就任以来、きのう(7月24日)までの回数は、定例会見が2254回、臨時会見が100回で、合わせて2354回。
外務省によると、アメリカやイギリスなどG7各国を含む主要国で、閣僚クラスが定例の記者会見を行っている国はないという。アメリカのホワイトハウス、国務省、ニューヨークの国連本部では1日1回の定例会見があるが、いずれも報道官が対応する。外務省関係者によると、官房長官が毎日2回、定例の記者会見を行っていることを聞いた国連事務総長の報道官は「驚きに値する」と述べたいう。菅官房長官の周辺では「ギネス世界記録に申請すべきだ」という声が出ているそうだ。

公共放送であるNHKがここまで褒めちぎるほど、菅長官が記者会見に熱意を持って取り組んでいる様子がわかる。そこで本記事では2018年9月25日午前の記者会見での質疑応答を取り上げ、菅長官の姿勢を「時間」に着目して分析する。

✳︎当日の会見は首相官邸HP(下記URL)より参照可能
https://www.kantei.go.jp/jp/tyoukanpress/201809/25_a.html

質問時間と回答時間の差分

この日の会見で長官は冒頭に閣議の概要について発表した後、6分間ほどかけて計5人の記者からの質問に回答している。上のグラフは、5人の記者が1質問にかけた平均秒数、その回答に菅長官がかけた平均秒数である。
まず、回答時間に大きな違いが現れた。5人中4人は1問あたり20秒〜30秒かけて回答を得ているのに対し、右端の東京新聞・望月記者のみは1問あたり7.5秒と極端に短い。さらに言えば、他の4記者は質問にかけた時間より多くの時間をかけた回答を得ているのに対し、望月記者のみは質問時間よりも回答時間が10秒も少ない

司会者からの注意回数

上のグラフは平均質問時間に加えて、質問途中に司会者から「質問を簡潔にするように」と注意された回数を示している。質問時間は5人とも16秒〜19秒と大差ないにもかかわらず、なぜか望月記者だけは司会者から計3回も注意を受けている。

この司会者は内閣府職員(総理大臣官邸報道室長)の上村秀紀氏。時間厳守を徹底しようとする仕事ぶりには感心するが、望月記者にだけ注意するのは不可解だ。

各記者の質問内容

各記者の質問ごとの詳細は下表参照。他4記者は日米首脳会談、北朝鮮を中心に質問しているのに対し、望月記者は投開票が5日後に迫った沖縄県知事選挙を取り上げている。

東京新聞 望月記者の質疑内容

他4記者と比較して、菅長官からの回答時間が約半分しか与えられず、質問時間は同程度なのに司会者から注意を受ける東京新聞 望月記者。
沖縄県知事選挙に関する全2問の質疑内容を以下に書き起こした。

1問目は佐喜真候補が掲げる携帯電話利用料金4割削減について。長官が支援する候補者の公約について問われているのに、なぜか

あなたのご要望にお応えする場ではここはありません。

とトンチンカンな答えをした菅長官。質問内容が理解できなかったのだろうか。

続いて、2問目は日米地位協定の改定について。

仮定のことにお答えすることは控えます。

と返した菅長官。実質的に一騎打ちとなっている両候補が共に日米地位協定の改定を公約に掲げている以上、政府にいずれ要請がくることは確実である。それを「仮定」と考える菅長官。状況を把握できていないか、自らが応援する佐喜真候補の公約は嘘だと知っているか、いずれかだろう。

そして、望月記者が孤軍奮闘する中、同席している記者クラブの記者たちは、この状況をただ黙認している。

英訳版

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✳︎特定記者の質問にだけ答えない、司会者を通じて質問を妨害する、等の菅官房長官の姿勢は差別の域に達していると判断し、差別話法と命名
(2018/9/29に筆者命名)

✳︎翌9月26日AMの記者会見の分析は下記を参照
https://note.mu/jun21101016/n/nd332ec560ecb

更新履歴

2018/9/27 1:30 公開
2018/9/28 0:00 グラフを中心に全体的に見直し
2018/9/28 23:40 司会者の氏名を追記
2018/9/29 10:00 差別話法と命名
2018/9/30 18:00 英訳版を追加

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