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「土の城の到達点 ―山中城―」 【歴史奉行通信】第四十九号

こんばんは。
いよいよ秋です。
読書に最適な季節になってきました。


そしてもう一つ、
城めぐりにとっても最高のシーズンの到来です。


それでは今夜も「歴史奉行通信」
第四十九号を
お届けいたします。

〓〓今週の歴史奉行通信目次〓〓〓〓〓〓〓


1. はじめに

2. 「土の城の到達点 ―山中城―」
  (書き下ろしエッセイ)前編

3. 「土の城の到達点 ―山中城―」
  (書き下ろしエッセイ)後編

4. おわりに / 伊東潤Q&Aコーナー /
  感想のお願い

5. お知らせ奉行通信
  新刊情報 / 読書会 / その他


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1. はじめに

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私の40代は、
城めぐりに費やされたと言っても
いいくらいです
(23~37まではウインドサーフィン)。

土日になるたびに、
どこかのオフ会に顔を出し、
または「どこかに行きたい」と、
城めぐりのベテランにねだっていました。


当時は「城に行きたいから行った」
だけでしたが、
その時の経験は今の作品群にも
十分に生かされています
(『城を攻める 城を守る』
『歴史作家の城めぐり』
『もっこすの城 熊本築城始末』など)。


というわけで、このメルマガでも
城について何回も書いてきました。


次回でいよいよ50回を迎えるこのメルマガですが(継続は力なり!)、
分野別では城について
最も多く書いてきました。


第7回では
「城の基本知識と楽しみ方」を、
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/b8lzaafhzfeNoibE

第16回では
文藝春秋本誌・潮本誌・日経新聞に掲載された
過去の城に関するエッセイ3本を、
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/b8lzaafhzfeNoibF

第31回と32回では
『歴史作家の城めぐり』のエッセンスを
お届けしました。
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/b8lzaafhzfeNoibG
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/b8lzaafhzfeNoibH


そして今回は、9/7に
「戦国北条氏の城を歩く」と題し、
三島市民文化会館で行われる講演の事前情報
(講演のシナリオ)をお届けします。


さて「静岡県三島市の城」と問われて
思い浮かぶ城は何でしょう。
もう答えは一つですね。山中城です。


今回は「土の城の到達点」とまで謳われた
山中城を中心にして、北条氏の城について
書いていきたいと思います。


まずは2012年に出した
『城を攻める 城を守る』の山中城の章に、
最新情報を加えて改稿したものを掲載します。
なお本稿は城の構造的なものだけに限り、
小田原合戦の経過などは割愛します。


なお本メルマガの最終頁に、
樋口隆晴氏のご好意により、
山中城の縄張り図と攻防戦図を
掲載しています。
分かりにくい箇所は、
そちらを見ながらお読み下さい。


『城を攻める 城を守る』
(講談社)
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/b8lzaafhzfeNoibI


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2. 「土の城の到達点 ―山中城―」
  (書き下ろしエッセイ)前編

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山中城は箱根山の西南中腹、
標高580メートルに広がる山城である。


曲輪群は箱根外輪山から西に伸びる
3本の尾根上に築かれているが
(小田原城と同じ)、
それぞれの尾根筋が太く、
十分な面積が取れたことで、
最終的に城域は25万平方キロメートルにも
広がった。
これは鉢形城、松井田城、逆井城など、
他地域の北条家の拠点城に匹敵する規模だ。


ちなみに熊本城は98万平方キロメートル、
江戸城(皇居)は115万平方キロメートルと
されるので、その桁違いの広さが分かるだろう。
ただし城の面積の測り方は様々で
振れ幅が大きいので、
あくまで数値は概算と心得てほしい。

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