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守ってもらう

考えてみればいつも誰かに助けてもらっていた。幼稚園の時はジャイアンみたいな男の子が物を投げたり腕力をふるってくる対象に選ばれたものだけど、その都度守ってもらっていた。女の子に。

自分ではなにもできないような気がしていた。大きな力に対して。僕はただ沈黙するしかないと思っていた。

小学校でおしっこ漏らした時も担任の先生に助けてもらった。女の先生。どういう嘘をついてくれたのかわからないが、支給されたパンツを履き替えて教室に戻った時には、何事もなかったかのようになっていた。

僕は漏らしたおしっこすら自分で拭くことのない無力な少年だった

漂えど沈まず豪雨ダンゴムシ

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