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京都祇園切り通し《31》外出自粛でも旅の気分

ホテルのコンシェルジュで予約してもらった和食屋は祇園白川べりにありました。大通りから引っ込んだこの辺りは二階建てくらいの和建築がならび、街並みも整っていて落ち着いています。ゆっくりと夕食をしたあと、店の二階席から見えた白川の岸辺を歩きながら帰ろうと、少し遠回りに歩いていると白川の方へ抜ける小路に気づきました。石畳の路面、木の茶色い壁板、少し曲面をもつ竹の犬矢来、なかなか風情のある絵になる光景です。

スルスルと引込まれて歩いてゆくと、ここは「切り通し」という名の小路だそうです。ゆっくり歩くだけで楽しめる旅もあります。小路を抜け、小さな石の橋を渡ると、白川筋。車は走れるけれど細い道です。白川に沿って続きます。白川はこちら側が道、反対の岸は建物が連なっていて、さっき食事をした店も川越しに見えます。白川筋と同じくらいの細い川です。いくつかの料理屋は白川に細い橋を架けてこちらから入れる構造にしていますが、それは地図には載らぬ橋のようです。

白川筋をもっと行くと大和大路通りに突き当たり、左折右折して川端通りに出ると急に視界が開けてもうその先は鴨川です。大川だけあって上空が空いて夜空がいっぱいに広がっています。これで地理の分かる場所へ来たので安心してホテルに戻れます。それにしても、確かに京都は通りの名がある道ばかりなので、街歩きが安心で自分のいるところが分かりやすくなっています。昔からずうっと都市だったところの蓄積でしょうか。

#いま自分にできること #祇園 #切り通し #外出自粛 #stayhome

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