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28時間走った急行《19》外出自粛でも旅の気分

1970年代のころです。東京駅から在来線急行で鹿児島まで行きました。新幹線が開通して10年近く経ったころですが、まだこんな列車が走っていたのです。西鹿児島行きの急行桜島と高千穂です。長い14両編成の列車で、北九州の門司駅で半分に切離されます。前半分の7両が博多・熊本経由の桜島、後ろが別府・宮崎経由の高千穂でした。

7両のうち1両がグリーン車、残りは普通車自由席です。高千穂に乗った私は言うまでもなく普通車。この写真ではひとつ前の客車がグリーン車だと分かります。えっ、分からない?窓下に薄緑の帯が引いてある客車がグリーン車。先頭から3両目は桜島のグリーン車です。

さて、友人と乗った急行高千穂は東京から終点の西鹿児島まで、なんと28時間ちょっとかかりました。つまり最後の方の区間では、同名の列車が東京駅を24時間後に発車して走っているのです。普通車ですからリクライニングなし、冷房なし、走行中でもドアは手で開きます。ドアが手動なのはグリーン車も同じで、当時このタイプの列車は日本中にありました。

写真は東海道線の湯河原辺り。まだ最初の1時間くらいのところです。通路を挟んで隣にいたおばちゃんから冷凍ミカンを分けてもらったりして、楽しく長い長い旅が進んでゆきました。

#いま自分にできること #急行高千穂 #客車列車

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