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私の職場その⑤

今回は、館内の様子を少しご紹介しましょう。
大和のクスリ、配置薬、漢方薬に関係する資料を展示しています。

白澤2体(鉄釉;東川一正 作)

上の写真は資料館で展示している2体の白澤はくたく像を並べたものです。
 白澤は古代中国における伝説の獣(神獣、聖獣)で、人々にあらゆる災難から逃れるための方法を教えたといわれます。
 日本では、獅子(ライオン)のような体に九つの目、六本の角を持つ姿で描かれることが比較的多いようです。
 今、巷でもてはやされている「アマビエ」の元祖的な存在です。


厚労省による啓発アイコン

上の画像は厚労省が作成したアイコンですが、ここに描かれているアマビエの元となった刷り物が京都大学にあるそうです。

『肥後国海中の怪』(京都大学附属図書館収蔵)

左右の向きを反対にしただけで、あとは原画を忠実に再現しているように見えます。
 それにしても、なんて素敵なイラストなのでしょう。幕末に描かれたとは思えないほどポップな感じです。耳飾りまで付いています。

最初にご紹介した白澤も、江戸時代の日本では割と有名だったようで、コレラや疱瘡などの恐ろしい疫病が流行した際に、『白澤図』が飛ぶように売れたのだとか。

医療では治せない、得体のしれない病がはびこるとき、人々がこのような神秘的、超自然的な存在にすがるのは、今も昔も変わらないようです。

(続く)

追伸

そうそう、言い忘れましたが、白澤のように目が沢山あるのは、魔物(の出現)を見張る意味があるという事をどこかで見たような気がします。
 目が沢山あるモノ(精霊、妖怪)は、他にもいるんでしょうね。
 ヨーロッパにもそのたぐいのお話があるんでしょうか。



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